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夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第2章 動き始める日常

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4.称号

 俺は、今週末に起こった事象を莉緒に説明した。莉緒はタブレットを取り出し、疑問に思った事を質問しながら、メモを取っていく。


「作り話だとしたら、相当練っていますね。辻褄は合ってますが。」


「いや、だから本当にあった事だからな。」


「確かに、生活魔法(あんなもの)見せられたら信じるしかないですけど・・・あ、ステータスをtextで送って貰えますか?見えている通りでいいです。」


 俺は、スマホでステータスを打ち込み・・・、打ち込んで気付いてしまった。


「ん?先輩、指が止まってますよ。早く送って下さいよ。」


「あ、あぁ、ちょっと待ってな。」


 とりあえず、今分かる情報を送る。


「身体的ステータスは表示されないタイプか。マスクデータなのか、そもそも設定されていないのか・・・、先輩、この▼は何ですか。隠しタブ?それ開いて、もう一回送って下さい。あ、きた。あれ?1番下の称号が開けてませんよ。」


 そう、俺は魔力関連や魔紋の検証に追われて、称号の確認を忘れていたのだ。


「実は・・・」


「は?確認を忘れてた?何やってるんですか?生死が掛かってる世界で情報収集怠るなんて。それこそ命取りですよ。」


「そ、そんな言うなよ。こっちも必死だったんだからさぁ。」


「まぁ、今さら言っても仕方ないですけど・・・、ほら早く確認してみて下さいよ。」


 莉緒の地が出てきたな苦笑する。この子は、何かに夢中になると周りが見えなくなる節がある。それで良くトラブルになったりして、大学時代も偶に友達との間を取り持ったりした。そんな事を考えながら、俺は称号の隠しタブを目線誘導で開いた。


 夢を渡りし者

 異世界間を夢を通じて渡った者に与えられる称号

 称号効果:スキルの付与、自身の所持スキルの確認


 あ、やっぱりあの世界は異世界だったのか。

 あと、ステータスが確認出来るのは、この称号のおかげみたいだ。


「ふむ、この称号見る限り異世界である事は確定ですか。あと先輩、初めてステータス確認した時に熟練度が0だったスキル覚えてますか?」


 うん?熟練度が0だったスキル?


「熟練度ってなんだ?」


「く、そこからですか。スキルの横の括弧の中にある数字です。その数字が一定数溜まればスキルレベルが上がるシステムだと思いますよ。疑問に思わなかったんですか?」


「なんか数字あるなぁって思ってたけど、意味までは分からなかった。」


「・・・もう、そうするとあまり注視していなかったって事ですかね。覚えてないですか?」


「うーん。確か、魔力操作Ⅰだったと思うぞ。」


「覚えてるんですか。・・・そうすると、こう分類出来ますね。」


 そう言って、莉緒がタブレットをこちらに向けて見せてくれる。


 先輩が持っていたと思われるスキル

 察知Ⅰ

 建築設計Ⅱ

 並列思考Ⅰ

 剣術Ⅱ

 観察Ⅰ

 健脚Ⅰ

 リノ君が持っていたと思われるスキル

 魔術適正Ⅰ

 魔紋開放

 称号で付与されたスキル

 魔力操作Ⅰ


「何でこんな短時間でわかるんだ?」


「称号の特典は、付与されたタイミングが異世界に渡った直後とすると、最初のステータス確認時点で、熟練度が0だったと想像出来ます。後はスキルレベルの高さと熟練度の溜まり具合、先輩の能力を鑑みて推察しました。リノ君のスキルは消去法です。」


「俺に察知能力なんてないぞ。これはリノじゃないか?」


「・・・先輩ほど勘がいい人はなかなかいませんよ。もう少し、自分の能力を認識した方がいいです。」


「お前良く俺の事、鈍感って言ってんじゃん。」


「・・・鈍感な上にデリカシーもありませんね。」


 解せぬ。


「それでですね。この魔法について・・・」


「あぁ、盛り上がっている所申し訳ないけど、そろそろ閉店だ。続きは今度な。」


「もうそんな時間ですか。では、続きは先輩のご実家でやりましょうか。」


「は?お前、アホか。流石にこんな時間に客連れて行くって言えねえわ。しかも女の子を。タクシー呼ぶから帰れ。」


「あ、友美子さんと真由ちゃんには連絡済みなんでご心配なく。」


「おま・・・いつの間に。」


「お布団も用意してくれてるそうです。先輩は今日はリビングのソファだそうですよ。さあ、行きましょう!」


 解せぬ!


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