表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第2章 動き始める日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/110

2.日常業務

 いつものコースを約5分早く周り、家に帰り着く。


 手早くシャワーを浴びて、朝食と昼の弁当の準備をする。


 今朝の朝食は、ご飯と味噌汁、目玉焼きと家庭菜園で採れたミニトマトにする。朝は大体これだ。


 今日の(も?)弁当メニューは、昨日の夜の内に作り置きしていた、鶏胸肉の塩茹と茹で卵、自家製ミニトマトとキュウリ、安売りしていたキャベツに、おにぎり1つだ。昼は、基本的に体型維持の為に、このメニューを基本として野菜を日替わりで変えるようにしている。


 こんな、ストイックな食生活をしているのも、全ては晩酌の為だ。夜は炭水化物を摂らないようにして、大好きなお酒をチビチビと楽しむのが、1日の終わりの楽しみだ。深酒は次の日が大変なので、なるべくしないようにしている。


 朝の準備を終わらせて、車で出勤する。熊本の朝夕交通事情は最悪だ。通勤ラッシュ時は本当に動かなくなる。某半導体工場建設が始まってから特に酷くなった気がする。


 なので、俺は事務所のある市内まで車では行かず、丁度中間地点にある、実家の駐車場にいつも停めさせて貰っている。


 通勤電車もラッシュで混んでいるが、時間が読める分精神的に楽だ。混んだ電車の中で、魔力循環を行いながら、スマホでSNSメッセージを使ってアイツに連絡をしておく。まぁ、フレックス勤務のアイツから返事来るのは昼頃だろう。


 8:00過ぎに事務所に着いて、チラホラ来ている同僚に挨拶をする。岡崎課長は相変わらず早い。既に始業準備を終わらせて、優雅にコーヒーを飲みながらキーボードを叩いている。


 一度、何でそんなに早く出社するのか聞いてみたことがあるが、歳だから早く起きるのとラッシュに巻き込まれるのが嫌だと苦笑しながら言っていたが、多分それだけでは無く業務量も多いのだろう。だが、俺達部下にプレッシャーを感じさせないし、定時で帰っているから凄い。


 俺も始業準備をして、金曜の終業後に来ていたメールのチェックをする。ここ最近は急ぎの案件が無いので落ち着いている。


 そのまま、業務を開始していると、課長が声を上げた。


「おーい、誰か足立君が立ち寄りとか聞いているか?」


 誰もが困惑の顔をしている。誰もそんな事は聞いていないのだろう。


「ふむ、またか。」


 そう呟いて、課長は業務用のスマホで電話を掛け始めた。恐らく足立に連絡しているのだろう。


 足立卓。俺の5歳上でこの会社で主任を務めている。俺が強制的に並列思考のスキルを獲得する事ができた原因だ。


 こう書くと良いことの様に聞こえるが、大体コイツのポカのせいで業務が逼迫して、同時進行で業務を進行しなければならない事がしょっちゅうなのだ。


 その癖、何かと理由を付けてポカした本人は、定時で逃げ帰るという徹底ぶりだ。これで良くクビにならないと思うのだが、どうも会社の幹部のコネ入社らしく、人事も手が出せないらしい。


 この営業所の連中も、相当鬱憤が溜まっているが、課長が適度にガス抜きをしてくれているので、耐えられている。


 奴が、この営業所に配属されたのも、この課長のマネジメント力を買われての事だともっぱらの噂だ。


「足立君は、西地区再開発の現場に立ち寄るそうだ。全く、もう少しバレない言い訳を考えられないのかねぇ。西地区の現場は今日、近隣の祭りの為に休所日なんだがな。まさか、一緒に祭りに参加してないよなぁ。」


 あり得ます。サボる事関しては嗅覚が凄いですから。これは昼頃に、トラブルがあったので今日は一日現場に出ますって、連絡がありそうだな。


 ま、本人がいない方が煩わされないで、業務が出来るから良いんだけどね。


 昼過ぎに案の定、足立から連絡があり、今日は終日西地区再開発にいるそうだ。

 明日どんな言い訳をするのか楽しみだと思う俺は性格が悪いだろうか。


 さて、これで急な残業の心配も無くなった。さっきから頻繁にメッセージを受信しているスマホに、昼休みに予約していた居酒屋のURLと、18:30集合のメッセージを送って、午後の業務に集中しよう。


お読みいただきありがとうございます。評価・ブックマーク頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ