表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第3章 生活環境改善

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

127/130

32.ポーションの効果

「セバース!セバース!ポーションをありったけ持って来い!あと、医療班を全員かき集めろ!リノ君が!リノ君が・・・。」


 リディアが慌てふためいてセバスを呼んでいる。遠くからドタドタと多数の足音が聞こえる。人払いをしていたので、慌てて駆けつけている感じだ。そろそろイタズラは辞めておくか。大ごとになりそうだ。


「いつつつ・・・。」


 目を開けて、ゆっくりと体を起こす。


「リ、リノ君!気が付いたのか!あー、よかった。死んだかと思ったぞ!あ、まだ起き上がらない方がいい。君なら避けられると思って剣技を使ったのだが、まさかまともに受けるとは思わなかったぞ。どこか痛むところはないか。じきに医療班が来る。直ぐに良くなるからな。」


「擦り傷だけですので、そんな大ごとにしなくても大丈夫です。ほ、ほら、もう、うご・・・」


「お嬢様!!!!」


 俺が、大丈夫アピールをしようとしている所に、セバスが飛び込んできた。ダルトンやシンシア、ソフィーもこっちに向かってきている。


「こんな、小さな子に剣技とはどうい事ですか!お嬢様はいつもそうです。夢中になると子供の様にはしゃいで、前後不覚になられる!いつも言っているではないですか。為政者として、上に立つものとして自覚を持ちなさいと!」


「す、すまぬ。」


 シュンとするリディア。子供みたいだ。剣技とやらを出す前も、自分の攻撃が当たらなくて子供みたいになっていたな。意外に幼い面があるんだな。


「すまんで済んだら衛兵はいらないのです。この間も・・・。」


 セバスの説教を下を向いて、半べそで聞くリディア。なんか可愛いな。


 そんな風にリディアを眺めていると、ダルトン達3人も俺の周りに集まってきた。


「大丈夫だったかい、リノ君。無茶をするなぁ。」


 煽ったのはあなたですよ。ダルトンさん。


「リノが吹き飛んだ時は心臓が止まるかと思ったわ。でも、リノってこんなに強かったのね。ビックリしちゃった。」


 シンシアに素直に褒められるとなんかこそばゆいな。


「リノー!お空に飛んで楽しそうだったね。私も飛んでみたーい!」


 マジで死ぬかと思ったよソフィーさん。もう二度とあんなのはごめんです。


 遅れて、白い服と帽子を被った人たちが俺の周りに集まってきた。リディアの言っていた医療班だろうか。その中でも年配のおじさんが前に出てきて、俺の前にしゃがんだ。


「リディア閣下直属の医療隊、隊長のノーグです。閣下の命により診察治療させていただきます。眩暈、吐き気はありませんか。気になる症状は?」


 そう言って、俺の下瞼を下げて診察する医療隊隊長のノーグさん。


「いえ、ありません。擦り傷による痛みと、気だるさぐらいです。」


「ふむ、疲労の症状が少し出ていますね。それ以外は確かに異常はなさそうです。このポーションをお飲みください。直ぐに症状が改善すると思います。」


 そう言って、青色に透き通った液体が入った瓶を渡された。ほう、これがポーションか。コルクの蓋を開けて匂いを嗅ぐ。特に匂いはしないな。無臭だ。一口飲んでみる。


 うげー!なんだ。これ。口の中が一気に緑臭くなったぞ。草をそのまま煎じて飲んだみたいな味だ。


 俺が顔を顰めて、まだ3/4以上残っている瓶を睨んでいると、ノーグが苦笑しながら


「苦いですが効果覿面です。さー!一気にいってみよう!」


 と、飲み会のイッキコールのように煽ってきた。周りの医療隊の人間も一緒に煽ってくる。なんだこの集団は!


 止まりそうにないので、覚悟を決めて鼻を摘まんで一気にポーションを飲み干す。にがー!


 おお!と拍手がおきた。


 俺が苦さに悶えていると、擦り傷が段々と塞がってきて瘡蓋(かさぶた)ができ、それもポロポロと落ちて、元の綺麗な卵肌に戻った。さっきまであった気だるさもない。


 ポーション凄いな!確かに効果覿面だ。


お読みいただきありがとうございます。評価・ブックマーク・感想頂けるとモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ