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夢だと思っていたら現実だった件 ~死にたくないのでソウゾウリョクを駆使して全力で抗います~  作者: 神子島 航希
第1章 転生!?

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1.拳が飛んできた

初めて投稿させて頂きます。


 口の中がジャリっとなった。

 鉄の味がする。


 クエスチョンマークが頭を巡る。


 たまらず目を開くと、土埃が辺りを包んでいる。


 自分が何処にいるかわからない。いや、さっきまで自宅のベッドにいたはずだ。だが、今は剥き出しの土の上に横たわっている。


 夢?


 だが、ついている手のひらや太ももに伝わる土の感覚は夢とは思えない感覚だ。状況を把握しようと頭を起こし辺りを見渡していると


「おいおい、まだ起き上がる元気があるのかよ!俺も舐められたもんだなぁ!」


 と、大声が聞こえた。思わず声がした方を見ると、大きな拳が目の前にあった。





 俺の名前は天野 祐希(あまの ゆうき)

 27歳独身。大阪に本社を構える中堅ゼネコンに勤務している。所属は設計部だ。

 入社後、大阪の本社で3年勤務して、2年前に熊本営業所に配属された。

 出身は鹿児島なのだが、高校大学は熊本で過ごしているので、熊本は第二の故郷だ。


 両親は熊本市内近郊に家を建て、悠々自適の生活を送っている。

 俺は市内から車で1時間の阿蘇方面にある古民家をリノベーションして、そこに住んでいる。


 趣味は庭いじりとランニング。

 庭いじりは職業柄、小さいながらも日本庭園もどきを一から造り、庭園予定地の脇で家庭菜園も行っている。

 

 ストレスが溜まっている時に、一心に土をいじったり、枝の剪定をして体を動かしていると、心が洗われていく気がして、また気力が湧いてくる。


 ランニングは就職して1年程たった頃、デスクワークばかりで体を動かせず太り始めていたので、ダイエットも兼ねて走り始めたのがキッカケだった。


 最初は1km走るのにもヒィヒィ言っていたが、今は週に2〜3回は10km〜20kmのランニングを続けている。年に2回程フルマラソン大会に出るまでに沼っいる。これも何も考えず黙々と走っているのが良いストレス発散となっている。


 あれ?俺ストレス溜めすぎじゃない?

 いや、現代人は皆、ストレスに晒されて生きているんだ。俺だけじゃない。


 気を取り直して・・・

 特技は剣術を嗜んでいる。剣道ではなく剣術だ。


 小学生の頃、とある剣術アニメにどハマリして、父親に頼んで、父親の同級生で、俺の幼馴染の家を尋ねた。

 

 幼馴染の家は、戦国時代から続く剣術道場を開いていた事から、入門させて貰えないか頼みに行ったのだ。


 父の同級生、今の師匠だが、師匠は当初俺の入門を渋っていた。そもそも道場自体も時世柄流行っておらず、師匠が先代から道場を引き継いだ際に、新規入門生は絶ち、師匠も農協に勤めながら細々と既存門下生に指導していただけだった。


 1人、また1人と辞めていき、俺達親子が尋ねた時には自分の子供達(俺の幼馴染とその妹)に流派を引き継ぐ為に指導しているぐらいだったのだ。


 そんな話を父としている間、俺と幼馴染が戯れているのを目にして、競う相手がいた方が、子供達にも刺激になるかと考えて、俺の入門を許してくれたそうだ。


 この話を俺が高校に上がる前、引っ越す際に師匠から聞かされ


「君に教える事が出来て良かった、直樹も君と競えて想定していたよりも格段に上達する事が出来た。私もいい刺激になったよ。あの時の判断は間違ってなかったのだな。」


 と言われた。そこまで言われてしまうと、俺も辞めるに辞められないし、元々辞めるつもりもなかったが、剣は一生続けようと思い、今でも時間があれば素振りや形稽古を続けている。最近サボり気味だが・・・


 長々と自分語りをしていたが、要するに俺は普通に会社に勤めて、忙しいながらも時間を見つけて趣味を満喫し、さっきまで、202×年9月7日(日)の夜に、明日も早いから今日は早めに寝るぞと、22:00にベッドに入ったのだ。

 そうだ!俺はちゃんと寝たんだ!


 やっぱりこれは夢だ!


 と、迫り来る拳を眺めながら、ぼーっと考えていたら


「ぶべらっっ!!」


 頬にもの凄い衝撃を受け、痛みと混乱で気を失ったのであった。


お読みいただきありがとうございました。

続けられるよう精進します。

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