表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/38

26話

 それから数日間。

リーフから教えることは何もないと、セレストの授業以外は完全になくなった。

その代わり、初心者ダンジョンなど、簡単なクエストに女性陣と一緒に取り組むようになった。

リーフは一人で朝早く出て、夜遅く帰ってくる日々に戻った。

オリビアどころかカメリアたちとも顔を合わせていないらしい。

(オリビアとして、距離が近づいたと思ったのに。まあ、今までの全部俺の想像で、本当にリーフが考えていることなんて、分からないからな)

今日はオリビアだけがオフである。

全員でオフのつもりが、急にカメリアたち指名の仕事が入ってしまったのだった。

そのため、オリビアは一人街を歩いている。

「とりあえず一度話をしよう。今日が無理でも明日でも。根気よく続けていこう」

せっかく一人になったので、みんなにお礼をしようと考えた。

報酬が出る度に、定期的に今までお世話になった分返してはいるが、それだけが恩返しになるとは思っていない。

一人でごちそうを用意して、プレゼントを準備する。

リーフは食べてくれるか分からない。

帰ってくるのがいつもの通り遅かったら、カメリアたちが作ったものとして、置いてもらおう。

やはり、オリビアは嫌われている。

それでも、助けられたのは事実だから。

助けられたのは、オリバーではない。

ただ、オリバーもリーフを傷つけてしまったという事実があって、彼に何とか報いたいのだ。

「あ…」

雑貨屋を見つけたので、中に入っている。

様々なマグカップのコーナーがあった。

赤い椿、青空、カナリア、そして葉っぱのついたオリーブ。

いいものを見つけたと4つ購入。

喜んでもらえるといいなとスキップする。

「ふん、浮かれちゃって」

最近聞いたばかりの声がする。

その声の主を見ようと、振り返ようとするが、眠気が襲ってきて、倒れる。

「幸せになることなんてないんだから。ねえ、リーフ」

歪んだ笑顔のジェイがいた。

ジェイが召喚したモンスターでオリビアを運ぶ。

オリビアの持っていた紙袋の存在には気づかなかった。

オリビアの手から落ちた紙袋の中は、葉のついたオリーブのマグカップだけが割れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ