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20話

 特訓続きの日々でも休養は必要である。

全員のオフをもぎ取り、外出することにした。

「オリビアの洋服足りないし、ショッピングしよう!」

まだ稼いでいないのに申し訳ないが、報酬をもらったら、絶対に返そうと心に誓う。

オリビアは女性陣に言われるがまま、着せ替え人形になる。

まだ、女性の服を着ることに気恥ずかしさはあるが、自分の身体ではないし、美少女がいろんな服を着ているところを見るのは、鏡越しではあるが、目の保養だ。

彼女自身が楽しんでいる表情や声を感じることができたらよかったのにと、つくづく思ってしまう。

彼女の容姿は中身が自分だからといって、損なわれるものでもないが。

全部似合うからといって、全部買うのはさすがに無駄遣いな気がして、申し訳ない。

そう断ると、どれを買うかと女性陣の言い争い側始まってしまう。

試着室からもともと着ていた服に着替えて出ると、つまらなそうに見ているリーフがいる。

「付き合わせてすみません。時間かかると思うので、他のところ見ていて構いませんよ」

「本当にそうすると、カメリアに怒られる気がするけど」

でも、暇なのは事実で、隣のアイテムショップを覗く。

オリビアは戻ろうとするが、向かいに本が並んでいるのを見つける。

初心者向けの魔導書もあったので、軽く立ち読みする。

(セレストにも教えてもらっているけど、自分だけでも覚えられるようになりたいよな)

稼げるようになったら、買いに来ようと頭にメモする。

そのとき、歩く誰かとぶつかってしまう。

「すみません…」

その人の顔を見て、驚く。

ローブを深く被って、顔を隠していたが、数年過ごしてきた仲間の顔を忘れるはずがない。

「ジェイ!?」

「私のこと知って…」

ジェイが顔を上げ、オリビアの顔が視界に入ると、息を呑む。

「あんた、リーフのところの新人!?」

オリビアを指さして、大声を上げた。

(しまった。オリビアとジェイは初対面だった。でも、まだクエストもやっていない新人なのに、顔知られているんだな)

「何で私のこと知っているのよ」

「オリーフロードの皆さんは有名ですし」

「ふーん」

見定められるかのように、全身を見てくる。 「君、こんなところにいたのか。みんな、探してる」

リーフがやってくる。

「すぐ戻ります」

「っておい、ジェイ!」

「ちっ」

舌打ちすると、駆け出していく。

すぐに人混みに紛れてしまった。

「君、何もされてない?」

「はい。ジェイさん、どうしたんですか?何か大ごとのような」

「ジェイ、今指名手配されているんだよ」

「え!?」

初耳のことなので、驚きで大声が出てしまう。

「それは何で…」

「あいつ、何か盗んだみたいで」

「ああ…」

その件に関しては心当たりがあった。

オリバーに何度かたかってきたこともある。

勇者パーティーの一員であることを笠に着て、強奪しようとしたこともある。

オリバーが後で払ったが。

(そもそもリーフを追放しなくちゃと思ったのも、ジェイの言葉がきっかけだし)

「もう見つからないだろうし、いいか。後で報告はするけど」

「そ、そうですね」

カメリアたちと合流し、その日はゆっくり過ごした。

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