家族と…(その4)…そしてその時
その日仕事を終え帰宅しようとしていた津雲にふとスマホから着信が鳴る…
操作し電話に出る…
津雲「もしもし和さん?
どうしました?」
和美「もしもし~お父さん?忙しいのに
ごめんなさいね!
今大丈夫ですか?」
津雲「大丈夫ですよ?どうしました?」
和美「急で申し訳ないのですが
今週末こっち来られますか?」
津雲「こっちって何かありましたか?」
和美「拓真が舞奈さん連れて挨拶に来
るって言うんですよ~」
津雲「いよいよ来ましたか~
分かりました
何とか都合つけますよ」
和美「ようやくですね~
服装どうしましょうか」
津雲「普段通りで良いんじゃないです
かね~」
和美「一応挨拶な訳ですから、
やっと舞奈さんが
娘になるわ~」
津雲「拓真の相棒なのですから
義娘では
ありませんよ」
和美「まぁそうなんですけどね」
少し寂しそうに
津雲「それに同居じゃあるまいし」
和美「二人は同居のつもり
みたいだけど!」
津雲「…いや新婚のお邪魔しちゃ~
まずいでしょう!
どこかアパートなり
借りた方が」
和美「私もそう言ったんだけど
舞奈さんの方が
同居したいって」
津雲「二世帯だと楽できるからな~
そこは突っぱねましょう!」
和美「舞奈さんも働いているから
余計バタバタにもなりますし
和菜が卒業するまではに
しましょうか」
津雲「その手がありましたね~」
和美「そうしましょう…」
津雲「何か和さん楽しんでいる
様だね」
和美「気のせい!気のせいですよ!
お父さん」
津雲「まぁ舞奈さんからすれば
料理という点かな~
和さんに
教わりたいのかも
しれませんね~」
和美「あらっ我が家の味なら
とっくの昔から舞奈さんには
仕込んでありますよ!
まさに今、拓真が食べている
お弁当だって舞奈さんが
作っているんですから」
津雲「そうだったんだ…さすが
和さん抜け目が
ありませんね…
相変わらず鋭いね~」
和美「大分前から舞奈さんに
お願いされていましたからね」
津雲「そうですか~良いですね~
私はいつもチンですからね~」
和美「毎週毎週送ってますよね?
2食分きちんと
食べてますよね!」
津雲「はい!美味しくいただいて
おります」
和美「そろそろ空の容器貯まってきて
ますから返却お願いしますね」
津雲「分かっております、
まぁ二世帯で住みたい理由と
考えるなら家事全般の
部分ですかね~」
和美「拓真も舞奈さん普通にやってま
すから、そこは違うと
思いますよ!」
津雲「まぁ当日になれば分かりますよ!
和さんそろそろ
例のテレビドラマ
始まりますよ~」
和美「あらいけない、そろそろ始まっ
ちゃう~それじゃあねお父さん
おやすみなさい」
津雲「は~い、おやすみ~」
電話の切れる音がなる…
津雲「いよいよか…」
そして両家顔合わせの日の朝早い時間久々に自宅に帰宅した津雲…
帰宅したのは約3か月前である…
玄関前でポケットの中に入っている
鍵を探して玄関のドアを開ける
ガチャ…
津雲「ただいま帰りました~」
和美「お父さんおかえりなさい!
相変わらず早いですね~」
津雲「早すぎましたかね~」
和美「世間様からすれば早いでしょう
ね~午前様に近い時間
ですから」
家にある時計の針は午前6時少し前を
指していた
津雲「まぁ良いではありませんか…
気にしない気にしない」
和美「起きていなかったら泥棒と
間違えられて大変でしたよ!
お父さん」と少し呆れながらの
表情で話している
津雲「まぁそうなんですがね…」
和美「相変わらずせっかち
なんですから、
もう少しゆとりを持った
大人になってほしいもの
ですよね~」
津雲「すみませんね~成長しなくて」
和美「本当に私達の事になると
こうなんですからドシっと
構えて下さいな仕事の時
みたいに」
津雲「ドシっとね~」
和美「お父さん洗濯物干すのお願いし
ますね~」
津雲「今やりますよ~」
そして朝食を食べて
それなりの服に着替えを済ませた一行は、拓真と恋人の舞奈と舞奈の家族を待っていた
そして…玄関のチャイムが鳴る ピンポーン
和美「いよいよ来たわね~は~い」
玄関のドアを開ける和美
拓真「ただいま~」
和美「おかえりなさい
いらっしゃい舞奈さん」
舞奈「こんにちは」
津雲「久しぶりだな拓真!
拓真もようやくだな~
舞奈さんもお久しぶりです」
舞奈「義父さんもご無沙汰し
ています」
津雲「すみません…長らくお待たせし
まして」
舞奈「いえいえ」
津雲「舞奈さんのご両親もご無沙汰し
ています」と頭を下げている
武明「ご無沙汰しています、
この度は娘をよろしく
お願いします」
津雲「こちらこそふつつかな息子では
ありますが
よろしくお願いします」
二人とも頭を下げていると…
和美「玄関前でやらないように、
とりあえず上がってください!」
朱里「お父さんほら顔上げて!
すみません」
和室の部屋…何かを話し合う際、
津雲家はここに集まるのが
決まりとなっている
和美「どうぞこちらへ」
津雲「さすがだな」
武明「それでは失礼して」
朱里「失礼します」
そういって二人は座布団に
腰を落として座った
津雲「こちらもよいしょっと…」
和美「そうね…」
和菜「私もすみません…」
正座した拓真と舞菜真剣な面持ちで
拓真「この度、私津雲拓真は
長年お付き合いしてきた
堀切舞菜さんと結婚します‼」
津雲「舞奈さん!」
舞奈「はい!」
津雲「本当に拓真で良いんかい…
もっといい人がいると
思うし勿体ないよ」
和美「お父さん!何て事言うんです
か?」
和菜「そうよお父さん!お兄ちゃんみた
いなのと結婚してくれる
奇特な人なんて
いないんだからね!」
津雲「いや確かにそうなんだけどさ
~」
舞奈「義父さん‼
私が決めたんです!
拓真といや拓真さんと
生きていく事を
正直遅すぎるとは
ずっーと思ってましたけど
やっとプロポーズして
くれましたので、
よろしくお願いします‼」
少しの沈黙の後
腕を組みながらじっくり考える津雲…
津雲「分かりました!舞奈さんふつつか
な倅ですが、
どうか末長くよろしく
お願いいたします!」
頭を下げている
和美「舞奈さんよろしく
お願いいたしますね」
和菜「義姉さん
よろしくお願いします」
和美と和菜は朗らかな表情で
拓真と舞奈の二人を見ていた
拓真「良かった~だけど親父良いのっ
て…和菜も奇特な人って」
津雲「いや~舞奈さんの本心を
確かめておこうかなと…
まぁ長かったな~と…
改めまして武明さんと朱里さん!
よろしくお願いいたします」
武明「こちらこそ」
朱里「よろしくお願いいたします!」
津雲「そういえば武文君は
どうされたんですか?」
和美「まさか反対してるのかな…」
拓真「武文君は遅れて来るって
言ってたけど…」
武明「すみませんしょうもなくて…」
朱里「あの子はもう…」
津雲「もう決まった事だしという
感じですかね…」
そして…玄関のチャイムが鳴る
ピンポーン
和美「は~い」
玄関のドアを開ける和美
武文「ご無沙汰しています」
津雲「おぉ~来ましたか~」
武文「お久しぶりです!挨拶はもう」
津雲「終わったよ」
武文「すいません遅くなって
しまって」
津雲「見事なタイミングだね~仕事で
どうしてもはずせない
事案があってって事に
しましょうか」
武文「あの雰囲気が苦手でして…
そうしていただけると
助かります」
和美「それもそうね…だけどいつかは
来る道よ」
津雲「とりあえず上がって…」
武文「お邪魔します…」
舞奈「やっと来た遅い」
拓真「お疲れ様…」
武文「義兄さんもお疲れ様で
す…どうしてもはずせない用事
があってね、そう言えば
遅ればせながら、
おめでとうございます
欲言えば甥や姪の誕生を
楽しみに」
武明「まだおじいさんには
しないでくれ…」
朱里「おばあちゃんとは呼ばせないわ
よ!」
和美「意外とおばあちゃんになるのは
早そうですねお父さん!」
津雲「なるようになるしかありません
な~拓真…頑張れよ!」
拓真「うん!」と頷いた
和美「もうこんな時間!ご飯にしましょ
うお父さん手伝って下さい」
津雲「はい!やりますよ~」
拓真の新たな歩みはここから始まります
新たな登場人物の紹介-----ーー
堀切 舞奈…26歳
津雲の息子の拓真の交際相手で
交際歴は10年以上になる
高校卒業後は㈲拓新の事務員として勤務している
堀切 武明…53歳
津雲の家族とは娘の舞奈を通じて
付き合いがある
現在は㈱レッド安全本社の総務部長
堀切 朱里…48歳
津雲の家族とは娘の舞奈を通じて
付き合いがある
現在は㈲たのしいの職業指導員
堀切 武文…23歳
津雲の家族とは娘の舞奈を通じて
付き合いがある
拓真とは小学生時代から仲が良い
現在は㈱日物の倉庫内作業員




