新聞社へ思わぬ訪問者(その4)
早朝の東葉日報…本社受付にて…
朝奈義『おはようございます!
すみません弁護士の朝奈義
と申しますが、
こちらの社員で津雲京介さん
いらっしゃいますか』
秦野『津雲ですね、
確認いたしますので
少々お待ちください』
確認を取る受付…
秦野『申し訳ありません
ただいま津雲は
外出しておりまして
どうされますか?』
朝奈義『そうですか…いつ戻るかは
分からないのですよね』
秦野『そうですね、どうされますか?』
朝奈義『もう少しだけ待ってそれでも
かかるようでしたら
出直します』
秦野『分かりました!そうしましたら
そちらでお待ちくださいます
でしょうか』
朝奈義『それでは失礼して』
(心の声)
『やはり少し早すぎたな、
まぁたまにはよかろう』
それから数分後…
伊丹「朝奈義先生おはようございま
す…ここにいるという事は」
朝奈義「伊丹先生おはようございま
す、そういうことですよ
まさに津雲さんは取材中の
様です」
伊丹 「やはり…そういえば野木先生と
稲生さんは?」
朝奈義 「もうすぐやって来るでしょう
と思っていたら…」と
視線を入口に向けると
野木 「おはようございます遅くなって
すみません」と頭を軽く下げて
いる
朝奈義「いやいや、早く着きすぎてし
まったよ」
伊丹「私も今来た所ですから」
朝奈義「そういえば稲生さんは?」
稲生「おはようございます!
時間ギリギリになってしまって
すみません」と頭を下げている
朝奈義「おはようございます、大丈夫
ですよ津雲さん朝早く
取材中の様ですから」
稲生「こんな時間から取材ですか…
大変なんですね記者さんの
仕事って」
更にそこから数分後…
出勤してくる津雲…
津雲「おはよう~秦野ちゃん
お久しぶり~」と
語りながら手を降っている
秦野「おはようございます、
お久しぶりです
津雲さんお客様が
先程からお待ちでして」
津雲「お客?」
後ろから立ち上がり
こちらへ向かってくる
朝奈義「失礼ですが、津雲さんでしょ
うか」
津雲「そうですけど失礼ですが…」
稲生「おはようございます、
津雲さんですか?この度は本当に
ありがとうございました」
頭を深々と下げている
津雲「頭を上げて下さい!
とりあえず応接室で
お待ちください、
すぐ向かいますので」
本社社会部及び遊軍部にて…
津雲「おはようございます、
お久しぶり~」
立花「津雲さん!今までどこ行ってたん
ですか!」
津雲「どこって言われてもな~
もうこれなんだから」首を
チョップしてジェスチャー
している
小谷「津雲さんおはようございます!
上から言われたんですか?」
津雲「言われる前に出したよちゃんと
今日は荷物まとめようと
来たんだけど何か来客があるか
ら後にするわ
キャップ!これ頼みます
最後のコラム二回分
中途半端になっちまったがな、
No.50まではと思っていたんだ
けどな~これも逆らえない
定めなんだろうよ」
小谷『津雲さん…とりあえずお預かり
します』
本社応接室 コンコン
ドアをノックする津雲…
津雲「失礼します、 お待たせして
申し訳ありません」
稲生「こちらこそいきなりお訪ねして
申し訳ありません」
一礼してから話すと
津雲「重ね重ね失礼ですが…」
朝奈義「ご挨拶が遅れました
私こういう者です」
津雲『朝奈義さん弁護士さんでした
か…となりますと
皆さんもそうですかね』
伊丹「失礼します!伊丹と申します」
と名刺を差し出す
野木「野木と申します」と
名刺を差し出す
津雲「皆さん、有名な弁護士さんなの
ですね…失礼ですが、
そちらの方は…」
稲生「改めてご挨拶させて下さい
私稲生詩織と申します!
今回の事本当に
ありがとうございました!」
再び頭を下げている
津雲「そういう事でしたか…わざわざ
こんな所にまですみません
ご足労をおかけしまして、
とりあえず腰をおかけくださ
い」
朝奈義「失礼します」
伊丹「失礼します」
野木「失礼します」
稲生「失礼します」
津雲「それで私に何用になりますで
しょうか」
コンコン…失礼致します…と
一礼をして入室して
受付担当がコーヒーを
テーブルの上に置いていく
朝奈義「ありがとうございます」
伊丹 「ありがとうございます」
野木 「ありがとうございます」
稲生 「ありがとうございます」と
四人共に軽く頭を下げている
受付「失礼致します」と
一礼をして退室していった
稲生「私の件の真実を明らかにしてい
ただきまして本当に
感謝します」
津雲「感謝される覚えはありませんよ!
稲生さんが自ら命を絶とうと
された際の遺書の内容が
どうにも気になりましてね
ただ私はその頃は資料部に
いましたものですから
なかなか調べる事が
出来ませんでしたね
やっと今の遊軍部に
異動になってから
仕事しながら取材や裏付けを
していきました!
聖地巡礼していた人達の話と
監視カメラの内容で
おおよその事を
想像したわけです!
ただなかなか確証が
つかめなかったものですから
ね、それに映像だけでは証拠に
もなりませんからね!
大分苦労しましたよ」と
苦笑いしている
朝奈義「私も正直稲生さんからご依頼
をいただいた際、
これはなかなか難しいだろう
な~とは考えていたんですけ
ど」
稲生「そうだったんですか?」
朝奈義「でも海外のメディアがこれだ
けの証拠って取り上げていた
だいたおかげで、
動きやすくなりました」
野木「失礼ですが津雲さんは
海外のメディアの方々とは
親しいのですか?」
津雲「個人的な付き合いはありますけ
ど、仕事面ではライバルでも
あり仲間という所でしょうか」
伊丹「実を言いますと今回の件は津雲
さんが全て調べあげていたので
はないかと
私は考えていましてね」
津雲「それはないですね
今回の件で私はメディアを
敵に回したと思われている
でしょうから」
朝奈義「それでも信念を貫いた訳です
な」
津雲「例え恨まれても憎まれても
書かなければと
思っていましてね、
ただし、完全なる確証や証拠や
論拠がなければ何もできません
けどね
そう言えばウチの会社に対して
裁判を起こしたりされますか?
元はウチも含めて謝った
記事を掲載を許可してしまった
訳ですから」
野木「今の所は考えてはおりません、
少なくとも真実を明らかにして
いただいた訳ですし、この記事
を書いた方も前歴が着く形にな
りましたから、これ以上は
さすがに」
朝奈義「それに週刊誌を筆頭にメディ
アや芸能人に対する民事裁判
も重なってますからね!
そちらに注力しますよ」
伊丹「津雲さんはこれからも
こちらで頑張られるわけ
ですね!」
津雲「私の事はお気になさらずに、
多少の責任は負わなければ
なりませんけどね」
稲生「そうなんですね…」
津雲「稲生さんは芸能の世界に戻られ
ますか?」
稲生「今の所は考えてないですね!
ただ私の用な経験がない様には
発信していきたいなとは
考えてはいるんですけど」
津雲「芸能界の在り方を見直すために
も新たな始まりですね」
稲生「はい!頑張ります!」
朝奈義「もうこんな時間ですか…」
伊丹「すみません次の予定がありまし
て、そろそろ失礼させていただ
きます」
朝奈義「私もそろそろ
すいません長居をしまして」
野木「そうですね!私もこれから裁判が
ありますのですみませんが」
稲生「本当にありがとうございまし
た!」頭を深々下げて応接室を
後にした
朝奈義「それでは失礼します!」
伊丹「失礼します!」
野木「失礼します!」
頭を下げて応接室を後にした
津雲「こちらこそありがとうございま
した!ふぅ~これで終わったな」
と一息ついてから応接室に一礼
して後にした
遊軍部へと戻る津雲…
津雲「お疲れさん!ふぅ~」
一息ついて席に座る
佐山「津雲さん本当に辞めちゃうんで
すか?」
津雲「後は上が決めるだろうさ」
小谷「津雲さん…お疲れ様でした」
津雲「ありがとうなキャップ!」
そう言って整理を始めた
今回の登場人物--------
朝奈義 権三郎 (あさなぎ ごんざぶろう)
…73歳
大学卒業後親戚の小関法律事務所に勤務をしながら司法試験に合格して弁護士なる!
その後独立して様々な
刑事裁判及び民事裁判の弁護で
有名で豪快な性格
伊丹 秀和 (いたみ ひでかず)…58歳
大学卒業後法律事務所に勤務をしながら司法試験に合格して弁護士なる!
その後独立して様々な案件の弁護を担っている、国選弁護が多いらしい
野木 浩一郎 (のぎ こういちろう)…51歳
大学卒業後親の法律事務所に勤務をしながら司法試験に合格して
弁護士なる!
その後、父の後を受け継ぎ
代表弁護士になり現在に至る




