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迷宮~新聞記者 津雲京介  作者: 村越 京三


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社内の雰囲気はいかに…

本社社長室にて…


那須『とりあえずこの問題に関しては

   ようやく終わりが

   見えてきたか…

   正直言って長かったな

   だがこの件を記事にする事を

   許可してしまった責任は

   問われるだろうし

   とらないといけないだろうな

   …』


同じ頃の本社専務室では…


増山『津雲の奴め!

   まったくあいつはいつもいつも

   よけいな事ばかりしやがって!

   ただ、会社としては何かしらの   

   処分は下さないとイメージは

   悪くなる一方だし、

   それに何だかんだ形は違えど

   売上には貢献しているからな   

   ~』

   腕を組ながらも思案は

   続いているのでした


同じ頃の本社部長室では…


鶴田『相変わらずだな津雲は…

   大局的に物事を見る事は

   出来ないのだろうな!

   それがあいつの良い所であり

   悪い所でもあるんだけどな!

   いい加減に成長してくれよと

   言いたくなるんだが、

   それは無理というもの

   だろうな…』


同じ頃の本社政治部では…


佐崎『津雲さんもここまで書いたら

   会社にはいられなくなるかもに

   しれないのに』


住谷『そうまでしなくてはいけないと   

   考えて書く必要があると判断し   

   たんだろうな!

   性加害の問題も法案が

   作成されようとしてるしな~

   法人課税の件なんて一部除いて

   好評化だしな!』


佐崎『でもクビになったら

   それこそ…』


住谷『クビ覚悟で書いたんだろう!

   長いものには巻かれるなが

   あの人の考えだからな

   じゃなければ

   とっくに辞めていただろうさ

   ただコラムがなくなったら

   次の人は大変だろうな』


佐崎『そうなんですか?』


住谷『あれは部長の鶴の一声で

   始まったって話だからな!

   部長は何かしらの責任は

   取らされるだろうよ』


同じ頃の本社スポーツ部では…


中谷『津雲さん辞めちゃうん

   ですかね~』


権藤『なぜそう思うんだ!

   あの人は自分の良心に従って

   動いたのだろうしさ』


中谷『津雲さんには色々教わりました  

   し、まだ教えてもらいたい事も   

   ありますし』


権藤『おいおい…俺にはないのか  

   い…』とガックシとしている


同じ頃の東葉日報を中心の印刷会社で

輪転機を回している…


江島『ったく津雲の奴どうするんだよ!

   いつも勝手に記事持ち込み

   やがって…

   やっと少しは懲りただろうさ!』


福原『でも楽しんでたじゃないっすか

   社長!』


江島『楽しんじゃない!仕方なくだ!

   後でどんだけ怒られてんだと

   思ってるんだ』


福原『でも社長!御菓子毎回貰っている  

   じゃないですか~

   結構リクエストしてますよね』


江島『何の事だ!気のせい気のせいだ!

   さっさと仕事しろ!

   このままだと締切

   間に合わないぞ!』


福原『はい…たまには違う物も

   欲しいな…』


尾上『社長!立花デスクから

   お電話来てますが

   どうされますか?』


江島『ったく相変わらずがめつきだな

   あのババァは後二時間で

   出来上がるって

   伝えといてくれ』


尾上『分かりました!伝えときます』


福原『はい…たまには違う物も

   欲しいな…』


同じ頃の本社遊軍部では…


佐山『津雲さんどうなりますかね~』


小谷『会議の時に辞表を提出したそう  

   だ!あの人は覚悟したのだろう

   例え敵に回したとしても

   自分を貫いたんだろうな』


佐山『そういえば津雲さんが

   ウチに異動してきたのには

   何か理由があるのですか?』


小谷『ここは記者としては

   歴代窓際と言われ続けてきて

   いるからな、

   私もここに来て3年になるけど   

   去っていった仲間が8人いる

   からな~

   残ったのは津雲さんいれて

   この3人しかいなかった!

   それにあの人の鋭さは

   敵わないものがあるからな…

   結構楽しいんだよ

   ハラハラはするけどな』


その頃の津雲はと言いますと…


津雲『これで以上になります、

   お忙しい中取材に

   ご協力いただき

   ありがとうございました!

   それと貴重な時間を割いてしま   

   って申し訳ありませんでした!

   それでは失礼します』と

   頭を下げている


津雲『さてと一通り終わったな、

   ぼちぼち資料をまとめて記事に   

   しますか?

   クビならクビでそれまでよと』




今回の登場人物----------


江島 智和…50歳

㈲江島印刷代表取締役社長

主に東葉日報の新聞を中心に

仕事を請け負っている

津雲とは色々あるが、

何だかんだと仲は良い


尾上 芳美…58歳

㈲江島印刷社員で勤務40年目

津雲の御菓子を毎回楽しみにしている


福原 奏太…20歳

㈲江島印刷社員で勤務2年目


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