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迷宮~新聞記者 津雲京介  作者: 村越 京三


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たまには家族と…(その2)

俳優の甲斐侑真の婚約発表のニュースが流れてからの家族のお話です

津雲のスマホが鳴る…操作し電話に出る


津雲「もしもしどうしたね

   (かず)さん」


和美「あっ!もしもしお父さん?

   忙しいのにごめんなさいね、

   今大丈夫ですか?」


津雲「大丈夫ですよ」


和美「ところで甲斐侑真の婚約の話

   本当なの?」


津雲「本当だよ、ただ双方の事務所の

   人達には内緒にしていた

   みたいだね

   情報が錯綜してバタバタ

   しているよ」


和美「あ~そうなのね~実は和菜が

   ショックで寝込んじゃって…」


津雲「まぁ仕方ないさ、今でいう

   推しだったんだろう」


和美「そうね~だけど大学の      

   ゼミの人から好意を

   寄せられてるらしいのよ~」


津雲「ついに来たか~その時が」


和美「お父さん驚かないんですか?」


津雲「拓真も和菜もそれなりの

   年齢だし良いんじゃないのか

   な…いつかは来る道だしね」


和美「まぁそうですけど」


津雲「けどって何かあるのか?」


和美「いや、そうじゃないん

   ですけどね」


津雲「なら良いんじゃないのか?」


和美「ただその人があまりに

   イケメンすぎて結婚詐欺

   じゃないかって思いまして…」


津雲「写真とかはないのかな~

   あれば送ってほしいいなと、

   または有名人なら誰に似ている

   かとか、和菜の反応は~

   それどころではなさそうだな」


和美「ちらっと見ただけなんだけど…

   有名人ね~名前が出てこないの

   よ…あの~そうよ!スポーツ選

   手よ確かダッテの多和田康文

   よ、何かモデルみたいな

   スリムな人!」


津雲「ダッテの多和田……野球選手か?

   確か女性ファンが多くて人気の

   前に進塁王にもなった、あんな

   感じなのか…意外かもしれない

   が和菜の作戦かも知れんぞ、

   彼には興味なさげに

   態度とればその子だって

   気にはなるだろうし、

   それに甲斐侑真から吹っ切れ

   れば新たな推しか本物に

   足を向けるさ!

   私らもそうだったじゃないか」


和美「そういえばそうでしたね~

   あれから四半世紀も

   過ぎましたからね~」


津雲「とりあえず今は和菜が部屋から

   出てくる事だろうさ」


和菜「お母さん電話中?」


和美「あっ!出てきたわ」


津雲「出てきたか?吹っ切れたかな」


和美「お父さんとちょっとね」


津雲「和菜か?もしもし生きてるか~」


和菜「もしもしお父さん?

   生きてるわよ」


津雲「スッキリしたか?

   吹っ切れたか?」


和菜「吹っ切れたわ甲斐侑真より

   良い男見つけてやる」


津雲「紹介よろしく~」


和菜「お父さん良いの?」


津雲「写真あるなら送ってくれ~

   頼んだよ~」


和菜「あっ!お母さん話したの?」


和美「良いじゃない減るもん      

   じゃないんだしさ~」


津雲「(かず)さん悪いボチボチ

   行かないと」


和美「分かったわお父さん

   いってらっしゃい」


津雲「は~いいってきます」


そういって通話が終わり

スマホをポケットにしまう


津雲「さてと、ボチボチ行きますかね

   和菜も大人になったかな」と

   ふぅ~と一息ついてから

   歩き出した


一方その頃津雲家では…


和美「あんなイケメンが息子になるの

   ね~フラメンコ踊っちゃおうか

   しらね~」満面の笑みで

   話している


和菜「違います‼付き合ってもいないし

   告白もされてません、

   それに私のタイプじゃないわ」


和美「確かにそうね~

   そういえばその人の名前は?」


和菜「柏木大希さんゼミは一緒でも、    

   話する事もほとんどないし」


和美「写真スマホにあるんでしょ

   見せてちょうだい

   目の栄養になりそうだわ~」


スマホを操作して柏木の写真を見せる和菜…


和菜「はい!くれぐれもお父さんや

   お兄ちゃんには言わないでね」


和美「はいはい、でも確かに和菜の

   タイプではないわね~

   でもストーカーというわけ

   でもなさそうなら

   良いんじゃないの」


和菜「柏木さんモテモテだから

   女性には苦労しないと

   思うけどな」


和美「まぁ話くらいはするんでしょ?」


和菜「話はするけどLIMEも

   知らないし」


和美「いつか確実に呼び出されるわよ

   何となくだけどね、だてに人生

   長く生きてないわよ~」


今回の登場人物----------


多和田 康文 (たわだ やすふみ)…25歳

崎宮県立城都(じょうのみやこ)高校の野球部出身で

独立リーグを経て育成ドラフト5位で

ダッテドルフィンズに入団し

外野手として活躍し進塁王にも輝いている


柏木 大希 (かしわぎ ひろき)…21歳

洋商大学マーケティング部3年

子役からモデルや俳優として活動

津雲の娘 和菜に興味があるらしい…

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