ほっと一息~喫茶店(その7)
連日の取材をが一段落しコラムが紙面に掲載されたその日、津雲は毎度お馴染みの喫茶店(百音)へ足を向けている
しばらくご無沙汰になってしまっていたので、店内では相変わらずの百音シスターズが賑やかにおしゃべりしているのだろうと想像しながら喫茶店(百音)の前についてドアを開ける津雲…
カランカランと音が鳴る…振り向く相内
マスター「上杉さん、いらっしゃい
ませ!」と
皿を拭きながら
声をかけている
津雲 「こんにちは~すみません
長らくご無沙汰になって
しまって」
マスター「いえいえ、いつもので
よろしいですか?」
津雲 「お願いします、そういえば
いつもの皆さんは
どうされたのですか?」
マスター「もうすぐ来られますよ、
落ち込んでいる人も
含めてですけど」
津雲 「落ち込んでいる人?ですか…」
お店のドアが開き音が鳴る
カランカラン…
藤井 「こんにちは~上杉さん
ご無沙汰だね~」
津雲 「すみません長らくご無沙汰に
なってしまって」
藤井 「何かあったのかい?1週間も
来ないなんてさ~」
津雲 「ぎっくり腰で入院してまして…
人生初で大騒ぎでしたよ、
しかも家にいる時でしたから
まぁお陰で救急車に乗る事も
出来ましたしね」
藤井 「それはきついわな…腰は魔女の
一撃だからね~俺も腰痛
持ちだから」
再びお店のドアが開き音が鳴る
カランカラン…
清水 「こんにちは~あらっ!
上杉さんご無沙汰しゃない
の~」
津雲 「すみません長らくご無沙汰に
なってしまって」
藤井 「ぎっくり腰で入院してたん
だって」
清水 「ぎっくり腰…あれは辛いわよね
~」
マスター「津雲さんおまちどうさま
です」と
テーブルの上に置く
珈琲カップを持ち上げて珈琲の香りを嗅ぎながら一口飲む津雲
津雲 「はぁ~久々で落ち着きますね~
ほっとします」
マスター 「ありがとうございます」と
朗らかな笑顔で語ると
藤井 「マスターいつもの」
清水 「私もお願いね」
マスター「はい少々お待ちください」
三度、お店のドアが開き音が鳴る
カランカラン…
桜井 「こんにちは~」と
テンション低めで入ってくる
マスター 「いらっしゃいませ、
大丈夫ですか?」
清水 「いい加減に諦めなさいよ~
婚約でしょう可能性がないわけ
じゃないんだから~」
桜井 「そうはいってもまさかですよ~
早すぎですよ~」と深い
ため息をつく
マスター 「まぁ仕方ありませんよ、
出逢いは人それぞれ
ですから」
桜井 「そうですよね!まだ可能性も
ないわけでもないし
それに男はそこらじゅうに
いるわけですから」
津雲 「すみません誰の何の話を
されているのでしょうか…」
桜井 「あっ!上杉さんお久しぶりで
すね~」
藤井 「ぎっくり腰で入院して
たんだって」
桜井 「ぎっくり腰…お疲れ様です」
マスター 「いつもので
よろしいですか?」
桜井 「今日はいつものと
ケーキセットお願いします、
新たな推し活しなくちゃ!」
清水 「上杉さん、甲斐侑真って
俳優いるでしょう」
津雲 「あ~最近婚約した」
藤井 「熱狂的ファンだったん
だってさ」
津雲 「若い俳優さんですよね、
少し驚きましたが…
大分前から熱愛の噂は
ありましたからね」
桜井 「そうなの!上杉さん」
津雲 「ええ、確か3カ月位前で
しょうかスーパーで
仲良く2人で買い物
されてましたよ」
藤井 「もう覚悟決めていたの
だろうな」
清水 「覚悟って」
藤井 「いつメディアの連中に
撮られてもいいとな」
津雲 「そうですね、芸能人も
1人の人間ですからね
仕事が芸能人なだけで
私達とは何も変わらないわけ
ですから」
清水 「でも良くぞ、ここまで
バレなかったわね~
変装とかしてそうなのに」
津雲 「スーパーで見かけた時は
パッと見ただけでは
分からない位に
変装されてましたよ」
桜井 「どちらにしてもショックですよ
~双方のファンや事務所は
てんやわんやでしょうし」
津雲 「事務所は何も知らなかった
様ですね」
清水 「そうなんですか!2人とも
これから売り出そうって
感じの俳優でしょう」と
少し驚いた表情で
津雲 「本当のファンなら
応援しますよ
そこでファンやめたら
真のファンとは
言えませんしね」
マスター「上杉さんのおっしゃる
通りですね
暖かく見守りましょう」
津雲はなぜか上杉と呼ばれている…
理由は不明




