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迷宮~新聞記者 津雲京介  作者: 村越 京三


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部長室にての事前確認

部長室の前にて…ドアをコンコン…


鶴田「はい、どうぞ~」


津雲「失礼します」


鶴田「珍しいな~どうしたんだ」


津雲「すみません忙しい時に」


鶴田「嫌みか、管理職は大変だぞ~

   誰かさんがこちら側に来て

   もらえると助かるんだけどな」と

   津雲に目線を向けると


津雲「相変わらずですね、クレーム

   対応も大変でしょうから」


鶴田「いや~クレームはほとんど

   こない、大手と違ってそこが

   会社(ウチ)の良い所なんだろう

   がな」


津雲「平和が一番ですけどね~

   言い方が悪いかもしれませんが

   気付かせないと後輩達が

   育ちませんよ」


鶴田「頼もしいお目付け役が

   いるじゃないか」


津雲「いつまでも頼りにされては

   困りますけどね」


鶴田「忘れていたが何の用だ、

   手ぶらじゃあるまいし」


津雲「彷徨う出来事で教育現場の事を

   取り上げる予定です、例の団体

   に関する調べがつきましたので

   一応報告にあがったまでです」


完成した原稿(通称:ゲラ)を見せる津雲

ゲラに目を通す鶴田


鶴田「ある意味で喧嘩売っている

   内容の記事だな、

   確証はあるのか」


津雲「確証がなければ書けませんし

   書きません!音声録音や動画や

   写真等証言も含めて

   全て揃っています

   ただ取材費が少ないからですね

   ~財布にはいつも閑古鳥が

   泣いてますよ」


鶴田「ははは!すまんな~だが今年は

   取材費わずかだけど増額する

   から、お前さんのコラムの

   おかげでここ数ヵ月の売上が

   前年比2割~3割増だ」


津雲「冗談半分としてうけとって

   おきます」


鶴田「いやいやかなり人気だぞ、

   学校から講演依頼が結構来てて

   な、行ってもらおうかと

   考えていたんだが」


津雲「私ではなくて、遊軍長かデスク

   が適任かと思いますけどね

   ブンヤの人間からしたら

   中間管理職ならではの苦労や

   記者としての視点も持ち合わせ

   てますから」


鶴田「う~ん 遊軍長かデスクか~」


津雲「まぁ講演依頼する学校は何かし

   ら裏があると思いますよ

   探られたくない腹が」


鶴田「お前さんはそこまで

   考えるのか」


津雲「普通ならNIE(教育に新聞)をの

   授業で用件が足りるはずです

   その上に講演とは疑問しか

   ないですね」


鶴田「相変わらず鋭いな~一応だが

   講演依頼が来た学校の

   リストだ」


リストを見ながら確認する津雲…


津雲「全部ではないですけど、

   いくつか問題を抱えている

   学校からの依頼が多いですね

   探られたくない腹のために

   こちら側の弱点を探ろうと

   したのでしょう

   キャップとデスクには

   ある程度情報は渡してあります

   社会部と遊軍併せて裏取りに

   行ってもらっています

   明日か明後日には全ての事が

   判明していくはずです

   それから原稿書きます」


鶴田「そうなのか!」


津雲「スポーツで有名な学校や

   部活動は大変になるかも

   知れませんが」


鶴田「分かった任せる」


津雲「ありがとうございます、

   それでは失礼します」と

   立ち上がり頭を下げて部屋を

   出てドアを閉める


鶴田「はぁ~相変わらずだが、

   どこにそんなエネルギーが

   あるのかね」と感心しながら

   頼もしく思っていた

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