新聞社へ思わぬ訪問者(その2)
季節は春の日差しが眩しくなってきた頃…津雲は取材をおえて会社に戻った時の出来事
津雲「戻りました~お疲れさま~
相変わらずはかどらずに
進まんな~」とぼやいていると
佐山「津雲さん、どこほっつき
歩いてたんですか~」
津雲「取材だよ取材、ダメだな~
全く収穫なし」
佐山「どこでサボってたのですかね~」
と疑いの眼差しで津雲を
見ていると
小谷「津雲さんお疲れ様です、
例の取材ですか?なかなか
相手が大物だと切り込んでいく
には難しく時間かかりますよ
ね」
津雲「まぁまだ2週間あるから、
進まなかったら別のネタ書く
ことにするよ」
佐山「津雲さんて本当にあらゆる
方面に取材しているんですね
~」
津雲「視野は広くなくちゃな、
観見二観ならね観見五観だよ」
小谷「本来は遊軍ではなくて
社会部に一番必要な人だと思う
んだけどな~勿体ない感じが
するけどね」
佐山「そうですよね~」
津雲「俺はこれでいいの、気楽だし
風の向くまま気の向くまま
だよ」
立花「あっ!ここにいたのね津雲さん、
津雲さんにお客さん来てるわよ
応接室にいるから」
津雲「またですか?芸能人もしつこい」
立花「違うわよ‼とにかく早く向かっ
て、ずっとお待ちなのだから」
津雲「はいはい、分かりましたよ」
会議室前にて…
津雲「どこのどなた様かね~」
ドアをコンコン…
津雲「失礼します」と一礼をして
入室する
菅野「津雲さんお久しぶりね
相変わらずのご活躍で
なによりです」
津雲「これはまた珍しい、お久しぶり
ですね~またクレームをつけに
来ましたか?」と苦笑いする
菅野「いやいや、津雲さんには感謝し
かないわ」と吹っ切れた
感じで話している
津雲「どういった事でしょうか」
コンコン…失礼致します…と
一礼をして入室して
受付担当がコーヒーを
テーブルの上に置いていく
菅野「ありがとうございます」と
軽く頭を下げている
受付「失礼致します」と
一礼をして退室していった
菅野「私は国会議員辞職するわ、
色々疲れちゃったのよ
本来は政策で勝負しなくては
ならないはずなのに政局ばかり
でなんにも進まないし、
揚げ足ばかりで面倒になっちゃ
ったのよ
それに新党結成の誘いも
あったんだけど、
私は比例の当選者よ、
それをしてしまったら
それこそ有権者に対する裏切り
行為だと思っていた頃にね」
津雲「私の記事ですか?」
菅野「完膚なき見事なとどめだわ‼
党の慣習や先輩議員を見習って
していた事が人として
許せなかったわ」
津雲「そうでしたか、良いか悪いかは
別として新たな門出ですかね」
菅野「そうね、ただの弁護士に戻る
わ!政治の酸いも甘いもそれなり
に知り尽くしたしね、ただし」
津雲「プライベートな事には突っ込み
ませんよ!民間人なのですから、
それをしたら我々の業界は
終わりですよ」
菅野「ありがたい事だわ」
津雲「それに、やらなければならない
事が山のようにありますから」
翌日、国会議員の菅野嘉織が
衆議院議長に辞職願を提出し
受理された
今回の登場人物----------
菅野 嘉織…49歳
憲民党に所属していた元国会議員で
弁護士
4期14年 1児の母




