会議室にて
本社会議室にて
津雲『コンコン 失礼します。』
一礼して会議室に入る。
そこには社長と専務を筆頭に重役達が揃っていた。
那須『津雲さんやってくれましたね。記者達の面子丸潰れだ。』
津雲『何の事でしょう。今まで見て見ぬふりして出世した人に言われたくはありませんね。』
増山『何!誰に向かって』
津雲『誰にって何か問題なら懲戒免職にでもすれば宜しいのでは?それとも辞表を出すのをお待ちかねですかね?』
那須『そう言うわけではないが、相談がほしかったのが正直な所だ。』
津雲『相談したらこの記事は紙面に乗らなかったでしょう。まして性加害の判決が確定した後も物事の追求を使用としたら、まるで臭いものにふたをするかの如く窓際にたらい回しですからね。
』
那須『次の人事で君には管理職に異動してもらいたいと考えている。』
津雲『現場から一線を離れろと言うことですかね。』
那須『今までの償いだ。少なくとも私も共犯だ君も含めて人生を狂わせた責任だ。増山君を除いてはこの件が全て終わった時点で辞任する。』
増山『社長!私もです。何でしたら今すぐにでも』
津雲『でしたらお断りします。私は遊軍が一番合っている様です。それに年寄りが現場にいたら若い連中も少しは気づく点があるかと』
那須『そこまで言うなら今のままでいくとしよう。』
津雲『それに新たな性加害疑惑の情報も出回っていましてね、お笑いの人見一成が複数の人間に性加害をしたと言う話が出回っています。』
増山『本当なのかそれは』
津雲『ただ数年前の話をなぜ今なのか幾つか疑問がありますが、情報上がってきていませんか?』
増山『いや 報告は受けていない。』
津雲『まだまだやらなければならない事がありますね。ぼちぼち現場に戻らないといけません。
すいません失礼します。』
増山『変わっていませんでしたな、社長』
那須『他の新聞社やメディアもこの問題を知らないとは、これが記事になれば大騒ぎ物だな。ただお目付け役はつけないといけないかな。』
増山『倒れられても困りますからね。切り札ですから』
その頃会社屋上にて缶コーヒーを飲みながら一息をついている津雲
津雲『あ~疲れた。慣れないんだよな~ああいう場所』スマホが鳴る…
那須 恵三 63歳
第3代東洋新聞社社長
津雲の元上司
増山 登人 60歳
東洋新聞専務