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たまには専務室にて…

コラム100弾の件で津雲は出社早々

専務である檜山から呼びだされていた、津雲はその足で

専務室で向かいそして専務室の前に

到着して…ドアをコンコン…


檜山【はい、どうぞ~】


津雲【失礼します】とドアをガチャリ 

   と開けて一礼をして入っていく


檜山【おはようございます、

   朝早くから申し訳ありません】 

   とメガネをかけたまま

   視線を津雲へと向けている


津雲【いえいえ例の件でしょうから、 

   それなりの覚悟はして

   いますよ】


檜山【色々書いてくれたおかげで、

   あらゆる所から

   大合唱でしてね】


津雲【そうですか…反応がありました 

   か…】


檜山【そうですね~津雲さんの貢献度 

   はとてもありがたいのですが、 

   その反面スタンドプレーで

   迷惑しているんですけどね…】 

   と皮肉をこめて伝えていると…


津雲【相当焦りがあるのでしょうね… 

   ウチみたいな連中が出来て

   他が出来ないなんて事は

   ないでしょう、そして記事に

   責任が持てないならば、

   この業界にいる資格はないと

   言わざるを得ません、

   そうでなければ毎年購読者数が 

   下がっていくなんて事も

   ないですし、こんなギスギス

   した世の中にはなりえないで

   しょうしね…】


檜山【私達の業界が下火になるのは、 

   ある程度仕方のない事では

   ありませんか?】


津雲【それは違いますね、

   そうでなければウチみたいな

   地方新聞の購読者数が

   増えませんよ、それにウチより 

   も小さな新聞社も少しずつ

   増えてますから…檜山専務の

   白い巨塔のようにもっと

   上を見たい気持ちは分からなく 

   もありませんが…それならば

   大手新聞社へのヘッドハン

   ティングもあると思いますよ】


檜山【確かに…それもそうですね…】


津雲【本来ならば日朝新聞にヘッド

   ハンティングされる予定だと

   伺っていましたので】


檜山【ご存知でしたか…あなたの

   情報網は恐ろしさを越えて

   恐怖を覚えますよ】


津雲【それは買い被り過ぎかと

   思います!この世界ならこの様な 

   話は即座に駆け抜けますよ、

   日朝の例の件が明らかに

   なられてこちらへとだそう

   ですね】と少し苦笑いしている


檜山【そこまでとは…あなたは社会部 

   にいるべき人間かと

   思いますけどね】


津雲【少し前でしたらお願いしますと 

   言えたのですが、今の身体では 

   無理だと判断せざるを

   得ません】


檜山【確か狭心症でしたよね、

   その後の体調はいかがなの     

   ですか?】


津雲【大丈夫とは言えませんし

   薬も欠かせません、

   それでも現場主義では

   いられない性分の様でしてね、 

   身体が勝手に動いてますよ】と

   少し苦笑いしている


檜山【しかし、良くも悪くもここまで     

   書いてくれましたね~】と

   呆れた感じでぼやいている


津雲【憶測と推測なら公共となり得る 

   物や事は必要ありませんから、 

   必要なのは100%完璧なる事や

   物だけです、それが出来ない

   ならば終わりになるだけです】


檜山【随分淡々と話されるのですね】


津雲【何せ、それが出来ていれば    

   ここまでの世の中になっては    

   いないかと…本来私達の業界が 

   先手先手を打っていれば】と

   大きくため息をついていた


檜山【なるほど…ある意味危機感を

   煽るという事ですか…】


津雲【それも一理はありますね

   撮る人は撮られる人で

   あれですよ】


檜山【皆がウチみたいになるようにと 

   いう事ですか?】


津雲【はい!その通りですね】と頷く


檜山【私もあなたとはそれなりの

   お付き合いしてきましたけど

   ここまでやるとは思いません

   でしたよ】とクスクスと

   笑っている


津雲【部長からは聞いて

   いなかったのですか?】


檜山【昔から猪突猛進とは

   聞いていましたが、

   例の件で後追いしようとして

   左遷されたと…】


津雲【えぇ~この件が明らかになった 

   時のかつての人達の顔は

   忘れられませんよ、

   一部ふんぞり返る人もいました 

   けど段々明らかになるにつれて 

   罪人でしたからね、ウチの会社 

   みたいに生配信で被害に遭われ 

   た方々への公開謝罪と専門家を 

   含めた検証と対策をした所は

   他はやりませんでしたから

   遅くなりましたが処分の対応

   ありがとうございました】と

   頭を下げている


檜山【いえいえ、この件は見て見ない 

   振りした償いですから、それで 

   あえて声を上げるわけですね】


津雲【そうです!ついでではありません 

   が一つお話しておきます、

   ここでコラムの区切りをと

   考えています】


檜山【何故ですか?】


津雲【いつまでも私のコラムを当てに 

   してはいけません、部長からは  

   何せ最初は3カ月との予定でし 

   たからね…ここまで引っ張り

   過ぎましたよ】


檜山【個人としては…区切るべきだと 

   思います、体力的にも後輩への 

   育成も含めてなんですが

   会社としての立場でならば…

   続けるようにと命じなければ

   なりません】


津雲【意外でした、てっきりここで

   終わりにする様にと指示が

   出るとばかり…購読者数の

   観点からですか?】と少し

   驚いた表情を見せている


檜山【いえ、あなたのコラムは

   良くも悪くもあらゆる所にまで 

   影響がありましてね…】


津雲【ところで専務】


檜山【なんでしょうか】


津雲【私の処分は】


檜山【処分する様な話では

   ありませんよ、まして地方新聞 

   のコラムですから、むしろ反応 

   する方がどうなのか器が小さい 

   連中だなと感じてますから】と 

   笑いを堪えていた


津雲【良いのか悪いのか

   何と言えばいいのですかね…】


檜山【大手がやらなければならないの 

   を地方がですか…ある意味では 

   最先端なのかも知れませんね】


津雲【それは皮肉ですか…

   そうですか…謹慎くらいは

   あるかと思いましたが…】


檜山【謹慎したら、あなたはどこに

   いくか分からなくなると

   小谷さんと立花さんから報告を 

   受けていましたので、

   しばらくは大人しく資料整理と 

   管理に勤しんで下さい】と諭す 

   ように伝えている


津雲【分かりました

   ありがとうございます、

   それでは失礼します】

   そう言って一礼をして

   ドアをガチャリと開けて

   専務室を後にした…


津雲【あれ位でないと上には

   登れずか…】と

   ぼやきながら遊軍部へと

   足を向けていった


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