たまには夫婦の会話と…
彷徨う出来事No.98の原稿を
提出してから2日後、津雲は狭心症の定期検査もあり久々にプチ帰省した
玄関のドアを開ける…ガチャリ
津雲【ただいま帰りました~】と
玄関に入り靴を脱いで
家へと入っていく
和美【お父さん?~お帰りなさい、
コラム読んでますよ】と
夕飯の準備に取りかかっている
津雲【どうですかね…あまり上手くは
書けてないけどな】と着替え
ながらも苦笑いしている
和美【良いんじゃありませんか?
お父さんらしくて、
時々お父さんの本音が垣間見え
て探求心がある証拠ですよ】と
話しをしながら切った野菜を
ボウルに入れている
津雲【さすがにそろそろコラムの
終わりを迎えたい感じですね】
和美【言われたのですか?】
津雲【元々3カ月の予定がここまで
きましたし、さすがに区切りを
つけたいと思っているん
ですけどね】
和美【少し前なら、まだまだと
叱咤激励しましたけど
健康を考えると仕方のない
部分もありますね~】と
調理しながら話している
津雲【多少ペースは落としてもらって
いますけどね】
和美【体力的に厳しくなって
きましたか?】
津雲【もうひと踏ん張りしたいんです
けどね、心は思っても
身体はストップが
かかりましたから】
和美【そろそろお父さんの人材育成と
いうのも見てみたい
気もしますけどね】
津雲【柄には合わない感じですが、
少しは考えないと
いけないかね~】
和美【でもお父さんには管理職は
似合わない感じですよね】
津雲【どっちなんですか~】と
笑いながらと和美に
視線を向けていた
和美【はいはい、もう夕飯できますよ
~お皿お願いしますね】
津雲【今やりますよ~】と棚から
いくつかのお皿を取り出して
テーブルの上に置いていく、
そしてそこから炊飯器の蓋を
開けてしゃもじを取り出して
ご飯茶碗も手に持って
よそっている
和美【久々に3人分作りましたよ~】
と出来上がった料理を
盛り付けている
津雲【そういえば和菜は?】
和美【もうすぐ帰ってきますよ、
今は就活に大忙しですからね】
津雲【そういえばそうでしたね~】と
小鍋に作ってある味噌汁も
よそっている
和美【お父さんって、意外と子供の
進路に対してあまり
関心ありませんよね】
津雲【自分達の考えを否定する訳には
いかないじゃないですか…
さすがに怪しげなものでしたら
反対はするかも
知れませんけどね】
和美【変な推し活みたいなもの
とかですね】
津雲【推し活と仕事は別かと…】
和美【それでもメン地下と言われて
いるものが話題になられて
いますからね、先生の事務所に
も親御さんや当事者間の相談も
多いですから…】
津雲【甘い言葉で騙して、心と身体を
というアレですか…まさしく
推し活と洗脳は紙一重と
いえますからね、メン地下から
デビューしたとしても後ろ指を
指されたりして取り消されて、
結局元に戻ってしまう事も
それなりにありますからね、
意外かも知れないですが
操り人形の部分も少しは
あるのだと思いますよ、
ほんのわずかですけどね】
和美【お父さん、いつの間にかに
取材していたのですか?】
津雲【そこはノーコメントで】
和美【そういう事ですね?】
津雲【言える事はお上が動いているで
お願いします】
和美【分かりました】とテーブルの
椅子に腰を下ろして座って
津雲【では、いただきましょうか】
和美【はい、では】といただきますを
しようとしていたその時