たまには遊軍部にて…(その16)
物語は続いておりまして…
立花【失礼しますよ】と遊軍のドアを
コンコンと鳴らして
開けて入ってくる
小谷【お疲れ様ですデスク!】
佐山【お疲れ様ですデスク!】と
即座に直立不動で挨拶している
津雲【お疲れ様です】と座りながら
挨拶している
立花【津雲さん!本当にあなたと
いう人は…】と怒りの表情を
あらわにして
立花【今後はくれぐれもないように!
お願いしますね!】と社屋に
ヒビが入りそうなくらいの
雷が落ちている
津雲【はい…デスク血圧上がりますよ
血圧】とたじろいながらも
立花【誰のせいでこうなっていると…】
と更に怒りの形相を見せている
小谷【まあまあまあ、デスク、
私の方からきつく指導して
おきますので】
立花【本当に頼みますよ!】と鼻息
荒く興奮をしながら話している
佐山【何かあったんですか?】
津雲【どうせ同業他社から皮肉を
言われたんだろうよ、
逆に分かりやすい連中ですよ】
立花【そういう問題では
ありません!元はと言えば
津雲さんあなたが発端
なんですから】
小谷【デスク!落ち着いて落ち着いて
下さい、私の方からきつく
きつく指導しておきますので】
津雲【他社連中が突っかかってきたか、
余程の余裕がないんだろうな】と
腕を組みながら話している
立花【どういう事ですか?】と
言いながらも紙コップに
入ったコーヒーをそれぞれに
渡して、奥の空いているイスに
腰を下ろしている
少し落ち着いた様子を見せる
津雲【部長には見破られていたが、
これで文句言ってきたら
それは伝えた方がまずい状況と
になっている証拠だよ、
普段からこのコラムは記事のみ
にしているのにも関わらず
突っかかる感じならば尚更な!
ネット上ではほとんどダンマリ
らしいがな、いわば正体が
バレたくないんだろうよ】
立花【それが分かっているなら
なぜなのですか?】
津雲【記事を書くという事は時として
中身によっては煽動と捉えられ
かねないからな!そこが沸点とし
て最悪の場合ら人の命を奪う事
にもなるんだよ、そして
表面だけの謝罪をしておけば
良いだろうという
甘く愚かな浅ましい考えが
ここまで来ているんだ!
そのツケが今の世の中を
生み出している
一因にもなっているんだよ!
厳しい言い方すれば
犯罪者のレッテルを背負う事も
良しとしなければならない
世界なんだよ、
例えそれが逆恨みされたと
してもな、この業界は皮肉を
込めれば螺旋状の
迷い道とも言えるだろうさ】
小谷【津雲さんのコラムのタイトルは
それが由来だったのですね】
津雲【そんな所かな】
立花【ウチみたいな地方新聞は
大した事ないけど、
大手にとっては一線を越えたと
判断したみたいね】
津雲【自称なにがしみたいなのは
その辺に蔓延っていますけどね、
これも皮肉ですけどね】
立花【津雲さん…それは、かなりの
皮肉ですよ!】
津雲【大は小を兼ねるがたまには
逆にしても良いのかなと…
大手は今後ますます
大変になるでしょう、
それは販売店さんの事まで
考えているのかと言われれば
なさそうですけどね】
佐山【津雲さんて…】
小谷【フラッと出て行くのは、
そういう人達に
逢うためですか?】
津雲【生の声は人と人の繋がり
次第だよ、それは販売店は
配達する人がそれなりの情報も
持っているからな、
もちろん参考としてな】
立花【何となくは分かっていました
けどね…ただ上司としては
健康にも気をつけて
いただきたい】
津雲【はいはい、気を付けますよ
ふる年寄りには適わない
からな~】
小谷【何を言っているんですか?
もうひと踏ん張りして、
会社を盛り上げて
もらわないといけません】と
話した後にコーヒーを
一口飲んで喉を潤している
佐山【津雲さんにおんぶに抱っこ
なの状態なのもどうかと
思いますけどね】
津雲【確かに一理あるわな、でも
みんなの記事もそれなりに
書けていると思うけどな、
ちゃんと記者魂が
息づいているよ、
そこはデスクの指導の賜物
でございます】
立花【率直に思うんですけど
津雲さんが管理職についた方が
良いかなと…】
津雲【それだけは断る!
生涯一記者で終える!
前にも話したが物事の答えは
必ず現場にある、それをしなく
なれば俺はこの世界から
離れるだろうよ】
立花【それでこそ津雲さんです】
津雲【人様にご迷惑かけない程度に
老骨にムチ打って頑張るよ】
立花【という訳で津雲さん、たまには
ホットするコラムをという事で
これを…】とある物を
津雲に手渡す
津雲【デスク…いや立花よ!公私混同を
持ち込むな!】と珍しく檄を
飛ばして語気を強める
社内が珍しくザワザワしている…
佐山【津雲さんが怒る姿、
初めて見ました…】
と唖然としている
小谷【津雲さんがあんなに感情を
表すなんて、しかもデスクに
対してあそこまで】
立花【いや、これには理由が
ありまして…】と
少しタジタジしている
津雲【理由もクソもへったくれも
何もないだろうよ、前にも
書いたのに更に書けとは、
普通なら救難団や他の物語の
話だろうよ、なんでまた
腰巾着みたいなヨイショ記事を
書けなんて、どこからか
依頼されたのか…】
と更に語気を強めながらも
呆れた様相を見せている
立花【まぁ、そうなんですけどね…】
津雲【どこの輩だ!
はよ言わんかい!】
立花【それが…めおと日和の原作の
東香先生と制作の野平さんが
コラムを読んでドラマの中に
参考させていただいたらしくて
それで続編を考えているらしく
て…】と平身低頭となっている
津雲【だからといってな~決まる前
から盛り上げろとは…いくら
立花の命令でもお断り!
飛ばすなら飛ばせ!
ったく守りに入りやがって】
立花【そこをお願いします!】と
立ち上がり深々と
頭を下げている
津雲【勝手に応援団じゃあるまいし…
それに根拠は何だ!
もしやるなら続編の前に
スピンオフをやってから
だろうよ】
立花【津雲さん…】
津雲【ドラマの中の物語は主人公夫婦
を中心に描かれているけど、
他にも…深水さんと芙美子さん
の2人を掘り下げたり、
瀬田さんとふゆさんの2人を
掘り下げて制作すれば2部構成
で制作出来るだろうよ!】
佐山【津雲さん…いつの間にドラマ
見たんですか?】
小谷【いつの間に…】と驚いた表情を
している
津雲【入院している時にあまりにも
暇だからな、おかげで色々な
ドラマ見れたよ】
立花【さすが津雲さんですね】と
してやったりの表情をしている
津雲【それにお台場テレビなら
30分ドラマの枠があるなら、
それを連動企画とすれば
存分に生かせるだろうし、
なんとでもなるだろうよ】
小谷【津雲さん、そんな事まで
考えてくれていたんですね】
立花【それでも吉根さんや本多さんが
出演しないとガッカリして
しまうファンも
いらっしゃるかと…】
津雲【あえてやるんだよ、それこそ
今で言う“沼落ち”にさせて
いけは良いと思うんだよ、
より深く物語を掘り下げて
考察していけば楽しめる
だろうよ、それこそ“逃げ恥”
みたいに続けとな】
佐山【津雲さんがそこまで考える
なんて、何かが起きますよ】
津雲【前に佐山が話していただろう、
スピンオフがあれば
良いのにってな】
佐山【確かに言いましたけど…
現実的には不可能じゃない
ですか…】