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部長室にての会話(その7)

コラム93弾の件で津雲は出社早々

部長である鶴田から呼びだされていた、津雲はその足で

部長室で向かいそして部長室の前に到着して…ドアをコンコン…


鶴田【はい、どうぞ~】


津雲【失礼します】とドアを開けて

   一礼をして入っていく


鶴田【おお~来たか、早朝から

   呼びだして悪かったな】と

   メガネをかけたまま

   視線を合わせる


津雲【いえいえ例の件でしょうから、 

   それなりの覚悟は

   していますよ】


鶴田【まあまあ、こっちもそんなに

   時間ないからな】


津雲【そうですか…】


鶴田【お前さんの処分だ、

   “厳重注意”だとよ】


津雲【分かりました】


鶴田【お前さんにはヒヤヒヤさせられ 

   るが、それも警鐘の意味で

   書いたんだろうからな】


津雲【さすがに見破られて

   いましたか…】


鶴田【伊達にお前さんの先輩やって

   いないからな】と腕を組み

   ながら話している


津雲【ちなみにお呼びだしは

   社長とかですか?】


鶴田【まあ、一応な…といっても

   処分はすんなり

   決まっていたからな】


津雲【すみません、ご迷惑を

   おかけしました】と

   頭を下げている


鶴田【頭を下げられる程の案件では

   ないし、檜山さんもまたか

   みたいな感じで

   納得していたよ】


津雲【そうでしたか…】と少し

   安堵した様子を見せる


鶴田【それにあらゆる所にアンテナ

   張っているお前さんみたいな

   人間は希少価値なんだろうさ、 

   他の新聞社やフリーの人間には 

   ないものがな!】


津雲【それは買い被り過ぎかと

   思います!それに、フリーの人達 

   は承認欲求を満たす為に動いて 

   いる部分がかなりあります、

   私もその傾向に若干なりつつ

   ありますけどね】と

   苦笑いしてある


鶴田【お前さんはそこは違うぞ!

   厳しい事も書いているけどな、 

   そんな中でも優しさが透けて

   見えてるよ】


津雲【情報が溢れている社会の中

   ですからね、やるべき事を

   やらないと生き残れないぞと

   いう“もがき”や“あがき”みたいな 

   ものですよ、それこそ弱肉強食 

   な世界にはしてはいけないぞと 

   いう現場の声の訴えみたいな

   ものかも知れませんね】


鶴田【お前さんらしいな】


津雲【少しでも長くこの世界が残れる 

   ようにと、いずれはこの業界は 

   AI等に仕事を取られるでしょう 

   から、恐らく今の20代の後輩達 

   が定年退職まで持ってくれれば 

   ありがたいかなと…】


鶴田【何だかんだで、

   愛社精神みたいなの

   あるんだな~】と少し嬉し

   そうにしている


津雲【一応は働かないと生活

   できませんし、

   ご飯も食えませんしね、

   変なノルマはありまさすけど

   奥さんに頼りきって

   ヒモになる訳にも

   いきませんから、それこそ

   若い頃なら布団タタキで

   背中ビシバシやられますよ】


鶴田【奥さん昔は血気盛んな部分

   あったしな】


津雲【私にとっては(かすがい)

   存在ですよ!自分みたいなのを

   男にして夫にして親にした

   唯一無二の人ですからね】


鶴田【お前さんよ…ノロケ話は程々に 

   おっ!ぼちぼち行かないと】と 

   腕時計を見ながら


鶴田【悪かったな朝から】と

   立ち上がる


津雲【いえいえ、やらかしたのは

   こちらですから】


鶴田【それでは、もうひと踏ん張り

   頼む】


津雲【ありがとうございます、

   それでは失礼します】

   そう言って一礼をして

   部長室を後にした…


津雲【また、首の皮1枚か…】と

   ぼやきながら遊軍部へと

   足を向けていった


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