ほっと一息~喫茶店(その17)
連日の取材をが一段落しコラムが紙面に掲載されたその日、津雲はもう
常連客といっても過言ではない
毎度お馴染みの喫茶店(百音)へ
足を向けている、店内では相変わらずの百音シスターズが賑やかに
おしゃべりしているのだろうと
想像しながら喫茶店(百音)の前に
ついてドアを開ける津雲…
カランカランと音が鳴る…
振り向くマスター
マスター【上杉さん、いらっしゃい
ませ!】とコップを
拭きながら声をかけている
津雲 【こんにちは~】と挨拶している
マスター【いえいえ、いつもので
よろしいですか?】
津雲 【お願いします、そういえば
いつもの皆さんはどうされたの
ですか?】とカウンターテーブル
の椅子に腰を降ろして座る
マスター【もうすぐ来られますよ】と
話ながらサイフォンを
出してくると、
お店のドアが開き音が
鳴る…カランカラン…
藤井 【こんにちは~おっ!上杉さん
今日は早いね~】と挨拶しなが
らカウンターテーブルの椅子に
腰を下ろして座る
津雲【こんにちは~】と軽く
会釈している
藤井 【そういえば体調はどうだい】
津雲 【おかげ様で大分落ち着いて
います】
藤井【そうかい、それは何よりだよ
お孫さんとも逢っているかい】
津雲【時々は逢いにいってますね~
あんまり頻繁に行くと向こうの
都合もありますから、逆の形も
ありますけどね生存確認も
兼ねて、孤独死されても
困るからと…】とぼやきながら
苦笑いしている
藤井【確かに生存確認は必要かな~
俺はここに来るのが
生存確認だけどな】と少し
笑いながらぼやいていた
津雲【人生なんてあっという間
ですからね~】
藤井【勝手に黄昏ちまったら
寿命なんて早くなっちまうぞ~】
と腕を組みながらぼやいている
津雲【まだまだそこまでは…
もうひと踏ん張りしないと
孫の成長も見たいですし】
藤井【いずれウチらもいつかは
向こうに行かなければ
ならんからな】
津雲【そうですね~】と互いにたわい
のない話をしていると
再びお店のドアが開き音が鳴る
カランカラン…
清水 【こんにちは~マスター
いつものお願~い】と入ると
同時に流れるように
注文している
マスター【はい、少々お待ち
ください】
清水【あらっ!2人早いわね~】と
言いながらカウンターテーブル
の椅子に腰を下ろして座る
津雲 【こんにちは~】と挨拶している
藤井 【今人生なんてあっという間だな
って話をしていたんだよ】
清水 【何言ってんのよ~まだまだ
これからよ人生100年時代
なんだから】と2人の背中を
バンバンと叩いていた
津雲【それを言われると何とも…】
清水【それには何を置いても
食べ物よ!】と息巻いている
藤井【一体何があったんだい】
マスター【お話の端を折るようで
申し訳ないのですが、
津雲さんおまち
どうさまです】と
テーブルの上に置いていく
珈琲カップを持ち上げて珈琲の香りを嗅ぎながら一口飲む津雲
津雲 【はぁ~いつもの安定の味と
香り落ち着きますね~
ほっとします】
マスター 【ありがとうございます、
皆さんもいつものです】と
朗らかな笑顔を見せながら
もそれぞれの品をテーブル
に置いていく
各々カップを持ち上げて一口飲む
藤井【ほっとするわい】
清水【落ち着くわね~】
マスター【ありがとうございます】と
再び朗らかな笑顔を見せる
藤井 【マスター追加でナポリタンと
チョコレートケーキを】
清水 【マスター追加で私もオムライス
レアチーズケーキお願い】
津雲【そうしますとマスター
すみません、私も追加で
マカロニグラタンとレアチーズ
ケーキお願いします】
マスター【はいお待ちください、
少し時間いただきますが、
宜しいですか?】
津雲【私は大丈夫ですけど】
藤井【大丈夫だよ】
清水【大丈夫よ!その間ぼやく事は
たくさんあるから】
マスター【ありがとうございます
デザートは食後にお出し
します】
藤井【上杉さん、今日はレアチーズ
ケーキかい】
津雲【前回がチョコレートケーキで
したから、色々食べてみようか
なとこちら以外で甘い物の機会
なんてないですから】
清水【あらそうなの?私はお酒も甘い物
も両方いけるわよ~】
藤井【ここにもいたか~二刀流
俺はここ以外だと
貰いもんしかないわな
それに大体職場の近くは
和菓子屋しかないからよ】
マスター【こんな事話しては
いけませんが、私は洋菓子
よりも和菓子の方が好きで
すね~】と調理しながら
話をしている
清水【マスター意外ね~】
藤井【和菓子って食べるのは
簡単だけど、いざ作るとなると
物凄い難しくて手間暇
かかるんだよ】
マスター【特に大福が好きでして…】
津雲【自分は洋菓子も和菓子も
どちらも好きですね~
特に草団子がたまらないですね
~】
藤井【意外だな~上杉さんててっきり
ショートケーキとか食べそうに
見えてたんだけど】
津雲【夫婦だけなら和菓子ですね
子供らとなら洋菓子とですね】
清水【そういうものなのかしらね~
そうそう話変わるのだけど~】
三度、お店のドアが開き音が鳴る
カランカラン…
桜井 【こんにちは~】と入ってくる
マスター 【いらっしゃいませ、
いつもので
よろしいですか?】
桜井【今日はとオムライスの大盛りと
チョコレートケーキ
お願いします】
マスター【ありがとうございます、
少し時間いただきますが
大丈夫ですか?】
桜井【大丈夫です、あと飲み物は
アイスコーヒーお願いします】
と言ってパンパンの
リュックサックを下に置いて
カウンターテーブルの椅子に
腰を下ろして座る
清水【凄い荷物ね~何が入って
あるの?】
桜井【お米ですよ、最近米が高過ぎて
手が届かくて、たまに安いのが
と思うとすぐに売り切れてり
在庫がなかったりしますから】
藤井【そういや~清水さんの所では
確か外国の米の販売
始めたんだっけ】
清水【そうそうアメリカのよく
分からない所のお米ね、
4㎏税込み2,635円で
販売しているわよ】
桜井【もうないですよ、私が最後の
1個でしたから】
清水【もう!あれだけの在庫が
1日で…】とあっけに
とられている
津雲【皆さんそれだけお米が
好きという事だと思います】
藤井【上杉さんは普段どこで
買うんだい、ウチは米屋で30㎏
の玄米買ってそこで精米して
いるけどな、
しかし価格は上がったよ】
津雲【私も同じですよ、藤井さんのは
ブランド米ですか?】
藤井【ウチのは大体そうだな~】
津雲【我が家は等級が低い玄米を購入
して精米機に持っていって
自分で精米していましてね、
そうすると価格もそれなりに
抑えられまして、たまに
割れているお米もありますけど
美味しくいただいていますよ】
清水【本当少しは安くなって
ほしいわね~】
桜井【でもあんまり安すぎると
米農家さんの収入とか
ありますからね~】
藤井【米の適正価格ってなかなか
難しいわな~】
マスター【話は尽きませんが皆さん
お待ちどおさまです】と
それぞれの所に注文した
料理が並べられている
マスター【何事も腹は減っては戦は
出来ぬですからね、
それに改めて日本人は
米が大事だと認識できたの
ではありませんか?】
皆 【うんうん】と頷きながら
食べていた
まだまだ話のタネは尽きませんが
今日はこの辺で…