遊軍部と部長室にてのお話…(その3)
コラム93弾が紙面掲載された日の早朝の東葉日報社内の出来事…津雲は
相変わらず早く来て遊軍部に
置いてある鉢植え野菜にジョウロで
水をあげている
津雲【お~い、もしかしたらしばらく
お別れかも知れないからよ~
そうしたらキャップや佐山に
食べてもらえよ~】と鉢植えに
語りかけている
そして野菜をもぎ取りポリ袋に入れてから、遊軍部のドアをガチャリと
開ける津雲…
津雲【おはようございますって
誰もいないか…】と
ぼやいている
津雲【さてと…】と自分のデスクに
背負っているリュックサックを
下ろしている
小谷【おはようございます!津雲さん、
何度も言いますけどこういった
記事書くなら前もって
言ってください!やっと少しは
大人しくなったかと思ったら…
さすがに今回ばかりは私の手に
負えません】とドアを開けて
開口一番語気を強めて
話している
津雲【キャップやデスクの責任には
及ばないようにはしてあるよ!
それにこの件を見せたら
間違いなく添削されるだろう!
それにこれで大手ブンヤや
メディア媒体や芸能界に携わり
たいって人間がどれだけいるか
高みの見物をさせてもらおうと
思ってな…それに許可なく
やったんだ、まあ首なら首で
仕方ない、窓際なら窓際で
静養も必要かも知れんからな】
津雲【しかし、これで懲戒免職にした
らウチも潰れるがな!
それにウチよりも他の連中の方
が大変だろうよ!どうするか
高み見物とするかね~】
小谷【そういう問題では…】
立花【おはようございます】
小谷【デスクおはようございます、
今回の件は…】
立花【津雲さん、部長が至急
お呼びです】
津雲【分かった!まぁ後は頼んだぞ~】
そういって遊軍部を後にする
立花【キャップ!】
小谷【はい!】
立花【その様子だと知らなかった
感じね】と視線を向けて
話している
小谷【すみません】と平謝りしている
立花【今回ばかりはクビが飛ぶかも
知れないわね】と少し呆れた様
な表情をしながら
つぶやいていた
佐山【おはようございます、
津雲さんは…】と新聞を持ち
ながら肩で息をしながら
話している
小谷【今しがた、部長に呼ばれたわ】
佐山【嵐だけではすまないですよ】と
嘆いていると
小谷【逆に言えば、津雲さんが
この業界への警鐘を鳴らしたの
かも知れません、自分達の選択
が時と場合によっては人の命を
奪う事をいとも簡単に
してしまう事への】
立花【確かにそれは津雲さんが教えて
くれた事なんだけど…
現実はね…なかなか難しいわ
売れる為にはね…でもその反動
が購読数の減少にも繋がって
今まで来ている訳だからね…】
佐山【あらゆる苦情は覚悟して
おきます】とため息を
つきながらぼやいていた
津雲はその足で
部長室で向かいそして部長室の前に
到着して…ドアをコンコン…
鶴田【はい、どうぞ~】
津雲【失礼します】とドアを開けて
一礼をして入っていく
鶴田【おお~来たか】とメガネを
かけたまま視線を合わせる
津雲【朝からお呼びだしとは】
鶴田【とりあえず腰をかけてくれ、
ここに来る人は少ないから
話相手になってくれよ、
特に朝からなんてのはな】と
ソファーの方に視線を向ける
津雲【分かりました、それではお言葉
に甘えまして】と硬めの
ソファーに腰を掛ける
鶴田【はいよ】と缶コーヒーを渡す
津雲【わざわざすみません、
ありがとうございます】と
受け取る
鶴田【毎度おなじみの
マックスコーヒーだけどな】
津雲【いやいやではありがたく】と
缶をプシュと開けて一口飲む
鶴田【しかし、お前さん久々に
やったな~】と呆れながらも
少し嬉しそうな表情を
見せている
津雲【SNSや配信で色々つぶやきして
いる人が同じ土俵に上がるか
見てみたいと思いましてね】と
淡々と話している
鶴田【それにしても大手のメディアの
媒体やブンヤに携われば
好き放題なんてなかなか
無茶を書くな~】
津雲【実際事実ですからね、
それにこれで1つの答えが
分かるのではありませんか?】
鶴田【それで何かの答えが出るのか】
津雲【これでこの業界に携わる人間が
新たに増えれば現実が
分かる事でしょう、そして
何もと言って反応がなければ
それはただ己の承認欲求を
満たす為の人間で批判しながら
中毒の様に依存しているという
事ですよ、昔からよくある話で
はないですか“嫌い嫌いも好きの
うち”と】
鶴田【あえて意図的に出したという事
か…】
津雲【昔からこの業界なんて忘八の
集まりで、売れる為なら人の命
なんて操り人形の様にする
集まりだと揶揄され非難され
蔑んだ目で見られる事
もしばしばでした、逆に見れば
自分達や家族や関係者がが
いつ襲撃されたり命を失う事も
覚悟の上でしているのだという
証明にもなるのですけどね
雑誌なら広告がつきます
中身よりもこんな雑誌になぜ
広告を出すのだと苦情を言えば
良いのですよ、テレビならば
スポンサーにねああいう人達が
恐れるのは番組の批判を
スポンサーに伝えられること
スポンサーや広告なければ
続けられませんから】
鶴田【思いきり本音じゃないか】と
腕を組みながらぼやいている
津雲【法令順守が厳しくなった
昨今ですから、そろそろ
メディア媒体の地上波も
瀬戸際に立つのでは
ありませんか?あえて
立たせる必要かとも…】
鶴田【確かにな…こっちも夕刊の
オレンジ色の憎いブンヤの奴が
休刊になり、地方の区域も
少しずつ厳しさが
増してきているしな】
津雲【有名人が少しずつメディア媒体
から配信への流れを進めていく
のかなと…そうなるとテレビが
全部AIになって苦情を言う人間
も少しは減ると思います、
危険性も波乱でますけど】
鶴田【その時の為の布石か…】
津雲【後はお任せしますよ…
処分はいかようにも】
鶴田【社長達はとにかく
俺に聞いてこいだとさ】
津雲【もう慣れっこでしょうから】
鶴田【多分何も言って来なだろうよ、
それにお前さんは節度は
わきまえているからよ
どこかのブンヤさんと違ってな
ちなみに俺の答えは
後者だと思う】
津雲【右に同じくですね…】
鶴田【もうこんな時間か…】と
腕時計を見る
鶴田【一応社長達に報告しなければ
ならないからよ、誰かさんが
の久々にやったのでな、まあ
くれぐれも健康には
気を付けようや】
津雲【ありがとうございます、
それでは失礼します】
そう言って立ちあがり一礼をして
部長室を後にした…
津雲【あれ位やらないと
本当に終わるだろうよ】
一方その頃の江島印刷工場では…
立花から烈火の如くの電話が
かかってきているのですが…
尾上【社長!立花デスクから
お電話来てますが
どうされますか?】
江島【ったくやっぱり来たか…
今手が放せないからって
伝えといてくれ】と
作業しながら声を張り上げて
伝えている
尾上【分かりました!伝えときます】と
受話器を持ちながら話している
福原【何だかんだて中が良いよな
あの2人】と思いながら
作業している
その後立花は突然江島印刷に現れ
経緯を丹念に聞き出し2度と
こういう事がないようにと言い放ち
去っていった