彷徨う出来事No.76~ファン・ジニ
昨年NHKで毎週日曜夜に放送された、
大河ドラマ“光る君へ”では
主人公のまひろ(後の紫式部)の生涯を恋愛と権力闘争を中心に
描いた物語でした!
一方、隣国である韓国でも一人の女性の生涯を描いた物語がドラマ化されNHKでも2006年(平成18年)に
放送されました!
それが“ファン・ジニ”(通称:チニ)です
16世紀の朝鮮王朝時代の両班と妓生
という身分格差の中で卑しい身分の
チニが様々な知識や教養を
身に付けて、舞や芸や詩で才能を
見いだして周囲を魅力していく
物語です!その時には権力や嫉妬等が
魑魅魍魎と渦巻いている部分も描かれています!
物語の一つとして描かれているのが
恋と別れである、両班階級の一人の
青年がチニと文を通じて恋に落ち
交際し、生涯の契りの結びを約束を
交わすのですが、双方の家族や
周囲の猛反対や当時の法律により
妾としてしか認められず現実的に
不可能であり、その事により将来に
悲観し絶望すると同時に道半ば病に
倒れてしまい青年は命を散らせして
しまったのです!
その際青年が眠っている棺は滑車で
運ばれ墓へ向かっていたのですが、
チニが共同生活している宿舎の場所を通るとそこから動く事を拒むかの様に止まってしまったのです!
それはまるで、今生の別れを悲しみ
惜しむかの様に雨を降らせていた!
そこに現れたチニは棺の中に眠っている青年へ向けて“私とあなたは一心同体です、あなたの後へそちらへ参りますから、来世で契りを交わしましょう!”その言葉を告げ羽織ってきた
着物を脱いで棺の上へかぶせるようにかけるとしばらくして
動きだしたのです!
その後チニはこの恋を引き裂いた
舞の師匠や両班に対して憎しみや
蔑みを増幅させると同時に自暴自棄に
陥りながらも、周囲の支えと様々な
出会いと別れを繰り返しながらも
伝説の舞と言われている“鶴の舞”と
“剣の舞”を継承したのですが、
それを良しとせず舞の旅へと出立し、師匠の座を自ら下りたのです!
私は人を引っ張る力はない後を頼みますよと手紙を残して、そしてあらゆる場所で音楽のないその場での即興の舞を披露し舞を極めていったのです!
そして、人生の終わりの遺言として
“自分が人生の舞台の幕が下りたら、
棺には入れずに蟻やトンビ等の
餌にして女性達の戒めとするように”
と告げていた!妓生の世界では、
私の様な人間は二度と現れてはいけないのだと、この二人が世を去った違う世界ではどの様にされているのか
計り知れない思いがあります!
最後に、人生は一冊の小説が作れると言われています!皆さんの人生の新たなページに感じていただければ幸いです!