新聞社へ久々の訪問者
さてさて、新年度がスタートして
バタバタしていたのが
少し落ち着きを取り戻したその頃…
こちらは東葉日報本社
遊軍部兼資料管理部…
津雲「やってもやっても仕事が
減らないってどういう事だよ~」
と嘆いている
小谷「まあまあ、それだけ津雲さんが
ウチの会社には不可欠という
事ですから」
佐山 「そうですよ!津雲さんの
至上命題です」
津雲【そうはいってもな~
年寄りにはきついぜ~】と
ぼやき始める
小谷【そう言えばコラムは
どうなりましたか?】
佐山【確かに知らぬ間に
コラム書いてましたけと】
津雲【あれは前に書いて
おいたものだよ】
立花 「相変わらず賑やかね~」と
遊軍部へ入ってくる
佐山 「デスク!!お疲れさまです」
津雲 「デスク~いい加減に
作家の村上先生の物語
いつからなんですか…
さすがに老体にムチ打つのにも
限界がありますぜ!
冗談抜きに身体が
悲鳴上げてますよ…
コラムを終わらせましょう」
小谷 「確かに昨年から津雲さんの
コラムほとんど毎週ですから
ね、約束では隔週のはずが
なんだかんだでここまできて
しまっているのも
ありますからね」
佐山 「デスク!津雲さんの身体、
少しは考えていただかないと」
立花【そうはいっても、好き勝手
動いてますからね~】と
津雲に視線を向けている
津雲「はて、何の事でしょうかね」と
とぼけた表情を見せている
そんな話を作業しながら、
時計の針はお昼になろうとしていた
津雲【おっ!ぼちぼちお昼かい】と
時計を針を見上げている
その頃遊軍部の電話が鳴る…
佐山 「はい遊軍!はい…」
佐山 「津雲さん、津雲さんに
お客様だそうです」
津雲 「お客?山井さんにしては
早いしな~」
佐山 「とにかく受付にいらしている
そうですから
至急向かってください」
津雲【お父さんの癒しのお昼が…】と
言い残しながら受付へと
足の動きを向けて言った
本社受付に着いた津雲…
津雲【どこにいらしているのかな~】
その視線の先には
久々の顔があった
津雲の姿を遠巻きに見た人物が
すくっと立ち上がる
甲斐「お昼時に押しかけてしまい
申し訳ありません」と
一礼して挨拶をする
津雲「あ~確か俳優の甲斐さんでした
ね、隣の久遠さんも
一緒ですね」
久遠「その節はありがとう
ございました」と
一礼して挨拶をする
津雲【お二人ともご無沙汰していま
す、それと併せまして
婚約おめでとうございます!】と
軽く頭を下げている
甲斐【ありがとうございます!】
久遠【ありがとうございます!】と
二人共に軽く頭を下げている
津雲【ここでは何ですから、
応接室の方に】
そして三人は応接室へ足を運んだ
本社応接室に到着してドアを開けて
甲斐と久遠を先に入室させる…
甲斐「すみませんお昼時に」
津雲「いえいえとりあえず
腰をお掛け下さい」
甲斐「失礼します」
久遠「失礼します」と二人共に
腰を掛ける
津雲「それで私にご用とは
一体どういったことでしょう」
甲斐「実はお願いがありまして…」
コンコン…失礼致します…と
一礼をして入室して
受付担当がコーヒーを
テーブルの上に置いていく
甲斐「ありがとうございます」
久遠「ありがとうございます」と
二人共に軽く頭を下げている
受付「失礼致します」と
一礼をして退室していった
津雲「お願いとはどういう事で
しょうか?」
甲斐「実はこちらに津雲さんの署名を
いただけないかと思いまして」
甲斐が差し出した書類は両名
署名済みの婚姻届であった
津雲「証人ですか~」
甲斐「なかなか時間がないものです
し」
久遠「私達のこの考えを後押しして
くれた思いもありまして、
お願いできればと」
津雲【私でいいのかという点は
ありますが、ん?この人は~】と
ある人物を記された名前を見る
甲斐「以前共演させていただき
お世話なった桜木隼人さんの
奥様なのですが」
久遠「ご存じなのですか?」
津雲【えぇ~結婚発表の時は大騒ぎに
なられたものですよ、私の父が
婚姻届に署名しています!
懐かしいですね~
私もどうやら同じ轍を踏む事に
なりそうですね!分かりました】
そう言って津雲は婚姻届に
署名している
津雲【それではこちらで
よろしいでしょうか】
甲斐【ありがとうございます】と
婚姻届の書類を受け取る
津雲「私からは何もありません、
これからもたゆまぬ歩みを
進めてください
草葉の陰から見守らせて
いただきます、
どうぞお幸せに」
甲斐「ありがとうございます」
久遠「ありがとうございます」と
深々と頭を下げる2人
甲斐「失礼します」
伊丹「失礼します」と
二人共に頭を下げて応接室を後にした
応接室を後にして遊軍部に戻る津雲…
小谷「津雲さん…どうでしたか?」
津雲【大した話ではないよ、さてと
お昼行ってこないとな~】と
会社を後にした