遊軍部と部長室にてのお話(その2)
山井家を後にして会社の遊軍部に
戻った津雲…
津雲【戻りました~あ~疲れた~】
佐山【津雲さん…】
小谷【津雲さん…例の件
どうなりました?】
津雲【どうだろうな~確率で言うなら
消費税以下だな!】と言って
椅子に座る
小谷【消費税以下って山井さんの所
ですよね、田沼さんは
どうなのですか?】
佐山【田沼さん頑固そうですから
ね…】
津雲【田沼さんは訪ねたら門前払い
だったよ!その分山井さんとは
じっくり話す事が出来たのは
収穫だがな】
小谷【しかしウチの待遇ですから
どうなりますかね~】と
腕組みをしながら悩んだ表情で
佐山【でもいくらにしたんですか?
嘱託職員の給与って】
立花【相変わらず賑やかね~
年度末なのに】
津雲【山井裕典の話ですよ、
嘱託職員ならいくらなのかと
聞かれましてね】
立花【そう言えばいくらなのかしら…】
と少し考え込む
佐山【デスクご存じないのですか?】
津雲【月収20万って書いてあったな~
ボーナスないから年収にしたら
240万というところか】
立花【最低ラインというところね】
佐山【でもどうでしょう~
今まで1,000万位もらっていた
人ですよ~】
津雲【それを分かってても
家族の為ならプライド捨てて
ウチにくるかどうかだな】と
腕を組みながら語る
立花【そうね~山井さんの常に現場
という点は立派なのよね、
忖度なく発言する所もあるし】
津雲【あれは台本には書いてない
そうですからね、でもそれが
売りでしたから】
立花【まぁ答えはおのずと
出るでしょう】
津雲【それじゃ、ぼちぼち部長に
呼ばれているから行きますかね】
と立ち上がる
小谷【呼ばれていたなら
先に向かって下さいよ…】
津雲【はいはい、今行きますよ】と
部長室に向かった
部長室の前にて…ドアをコンコン…
鶴田【はい、どうぞ~】
津雲【失礼します】と一礼して
入室する
鶴田【おお、どうしたい】
津雲【すいません年度末の
忙しい時に】
鶴田【いや、特に部屋の移動も
ないからそんなには
忙しくないかなと、
ところで何の様だ
大体の予想がつくが】
津雲【例のスカウトの件ですが
田沼さんは門前払いで
お断りされました!
山井さんに関しては
ある程度腹を割って
話は出来たと思います】
鶴田【それで山井裕典の場合の
勝算はどの位ある】と
腕を組みながら
津雲【正直な話、
五分五分と見ています】
鶴田【五分か~お前さんにしては
かなりの勝算があるのか】
津雲【彼の着眼点は面白いかも
知れません】
鶴田【それでいくらで交渉したんだ】
津雲【一応フルタイムの嘱託職員
ということですので
月給20万というところで】
鶴田【どういう試算だ…】
津雲【最低時給だとさすがにどうかと
考えましたので、ある程度
キリの数字でと判断しました】
鶴田【20か…25と読んで
いたんだがな】
津雲【25だとハングリー精神が
なくなりますよ、
それに正社員よりは
下にしないと
いけないですから】
鶴田【それでいつ頃までに
返事が来る予定なんだ】
津雲【一応まだ色々ゴタゴタが
ありますからね、
それを考えると来月半ばか
その後かと見ています】
鶴田【そうか…連絡来たら
教えてくれ】
津雲【分かりました】
鶴田【忘れていたが一応な】
津雲【何かありますか?】
鶴田【さっき年間の売上販売部数が
確定した】
津雲【減少率がどれくらいか…】
鶴田【いやいや2年連続で
販売部数が上回った】
津雲【奇特な人が多いですね…
間違いではありませんか?】
鶴田【朝刊が136,215部、
夕刊が118,923部だとよ】
津雲【相変わらず気まぐれの
購読者の多い事だこと】
鶴田【これからも頼むぞ‼】
津雲【分かりました、
それでは失礼します】
そう言って立ちあがり一礼をして
部長室を後にした
津雲【もうひと踏ん張りか…】