たまには遊軍部にて…(その6)
そう言って立ちあがり一礼をして
部長室を後にして遊軍部に戻った
津雲…
津雲【戻りました~】
佐山【津雲さん…】
小谷【津雲さん…例の件
どうなりました?】
津雲【とりあえず論説委員の話は
なくなくなりましたよ!
ただし、“いつまでも
お前さんばかりに負担をかける
訳にもいかないから後任を作る
努力をしてくれないか”だとよ】
小谷【とりあえず遊軍に残ってくれる
だけで良かったですよ】と
ほっと胸をなで下ろしている
佐山【良かった~津雲さんが
異動したら冗談抜きで
私になると思ってましたから】
津雲【しかしな~後任を作れと
言われちまってな】
小谷【困りましたね~】と腕組み
をしながら悩んだ表情で
佐山【誰か宛てはあるのですか?】
立花【随分賑やかね~】と若干
感情を抑えながら
津雲【デスク…お疲れ様です!
先程部長から呼び出されまして
論説委員の話が無くなったの
と、コラムの後任を
探してこいという話ですよ】
立花【部長としても今は異動されると
困るでしょうに、ただいきなり
コラムの後任て言うのも
任せられる人は大変よ!
社内の中には正直いるとは
思えないわね…】
津雲【外部から招くのも
一つの案ですが、
そんな予算配分はな
いでしょうから】
立花【誰か宛てはあるのですか?】
佐山【そうそう、いるなら考えても】
津雲【強いてあげれば“山井裕典”か“
田沼繁郁”だろうな】
立花【津雲さん、冗談は程々に…】
津雲【残念ながら冗談ではありません
よ!】と珍しく腕を組みながら
語る
佐山【津雲さん…】
小谷【津雲さん…本気ですか?】
津雲【人手不足の小さな新聞社で
コラムを探すのは、
正直いうとな無理に等しいほど
厳しい!本来は3カ月で終わる
予定だから引き受けたんだ、
それがまさかまさかの2年半
の今日まで続いているからな!
このコラムが終わらないなら
後任を探さざるを
得ないだろうさ】
小谷【だからといって
あの二人はないですよ!
確かに山井さんや田沼さんの
メディアでの活躍は素晴らしい
のも事実です!
間違った情報を話を
即座に訂正をする事のできる
方ですから、ただ余りにも強烈
の度が過ぎていますよ】
津雲【だからこそだ…己の失敗の責任
を取る事のできる人間が
あまりにも少ないからな、
上辺だけの謝罪で済ませようと
するメディアやブンヤばかりに
対してひと泡もふた泡も吹かせ
てやろうとおもってな!】
小谷【しかしですね】
立花【津雲さん!上に話はされているの
ですか?】と若干感情を
抑えながらも語気を強めて
話すと
津雲【部長には話をしてあります!
それにまだ二人には連絡
してませんから】
立花【津雲さん…脅かさないで
下さい!】
佐山【津雲さ~ん、大変なら
補佐入りますから~】
津雲【佐山の視点とキャップの視点も
もちろん大事だ、
それは非常にありがたい…
だがな、これ以上負担かける訳
にもいかんだろうさ
それに正社員ではなく
嘱託職員という話ですから】
立花【それならばこちらとしては
限界の条件ですね】
津雲【プライド高そうですから、
ダメ元で話をしますよ】
果たしてどうなるのかは、
神のみぞ知る事なのです
今回の登場人物ーーーーーーーーーー
山井 裕典…45歳
元日朝新聞の記者で退職後は
ジャーナリストとして活躍し
先日までワイドショーの司会を担当
家族は妻と娘がいる
田沼 繁都…68歳
元日朝放送のアナウンサーで退職後は
ジャーナリストとして活躍し
生で朝テレビの司会をされている