部長室と遊軍部にてのお話
新年が過ぎ半月が経過したある日
津雲は部長である鶴田から呼び出された…
部長室の前にて…ドアをコンコン…
鶴田「はい、どうぞ~」
津雲「失礼します」
鶴田「忙しいところすまんな
急に呼び出したりして」
津雲「いえいえ部長も忙しいそう
何よりで」
鶴田「いつもなら嫌味かと
言い換えせるんだけどな」
津雲「随分お疲れなんですね」
鶴田「いきなりで悪いが
お前さんに相談があってな」
津雲「珍しいですね~」
鶴田「実はな論説委員の
田沼さんが高齢でな
勇退する事が決まってな」
津雲「まさかと思いますが、
私に後任という話では
ないですよね…」
鶴田「今まで論説委員は
第三者機関の人に
お願いしてたんだがな
社内から出してみたら
どうだろうかって話に
なってな」
津雲「それで私にお鉢を
回そうという訳ですか」
鶴田「あくまで話だがな」
津雲「購読者数は増えて
いるんですよね…
まぁいつまでも
老体が記事書いている
様ではいけないのかも
しれませんけどね!
ですが出来事は
直接現場に出向いて
いかないと
待っているだけでは
表面では分からない事を
背景や心理を探っていく
事で決して一つの見方で
物事を見てはいけないと
教えてくれる指導者がいれば
引き受けても良いですよ!」
鶴田「正直今の状態では、
まだまだだと言いたい様子
に見えて仕方ないのだがな」と
津雲に視線を向けると
津雲「私は行動から言葉にして
きましたけどね、
ですがいつまでも
頼りにされては困りますし
前にもお話したかも
しれませんが、前を行く
人間は後に続く人間に
対して羅針盤や道標に
気付かせ屋にならなけば
ならないんだと考えます」
鶴田「そうか…私は少なくとも
論説委員で示してみて
ほしい気持ちもあるん
だがな…」
津雲「私は現場で体力が続く
限りいたいですね!」
鶴田「そうか…分かった!」
津雲「それでは失礼します」
そう言って立ちあがり一礼をして部長室を後にして遊軍部に戻った津雲…
津雲【戻りました~】
佐山【津雲さん、何の話だった
んですか?】
小谷【確かにこの時期ですと
人事異動の話とかですが
私の所にはそういった
話は聞いてないですね~】
津雲【論説委員の田沼さんが
高齢でな勇退する事が
決まって後任候補の
一人になったつう話だよ】
小谷【聞いてないですよ!そんな話は】
と珍しく興奮していると
佐山【そうですよ!津雲さんが
異動したら誰が引き継ぐ
のですかこの仕事…】
津雲【まぁまだ決まった訳
じゃないし、万が一
そうなったら二人に
お鉢が回るだろうさ】
小谷【困りましたね~】と腕組み
をしながら悩んだ表情で
佐山【私になるじゃないですか
パンクしますよ~】
立花【随分賑やかね~】と若干
感情を抑えながら
津雲【先程部長から論説委員の
候補の一人に選ばれった
という話ですよ】
立花【私も初耳ですけど、
今は異動されると
会社としても困ると思う
わよ?津雲さんのコラム
が始まって売上とか
購読者数とか増加して
いるのに不思議な話ね!】
津雲【恐らく体裁を保つため
じゃないですかね、
論説委員は今まで外部
からでしたからね
社内にも優秀なのが
いるぞってね!
まぁ天命を待ちますよ】
そう言って仕事に戻っていった