ほっと一息~喫茶店(その11)
連日の取材が一段落しコラムが
紙面掲載された日
津雲は毎度お馴染みの喫茶店(百音)へ
足を向けて歩いている
店内では相変わらずの百音シスターズを中心に賑やかになっている
清水「今年もあっという間ね~
1年が早いわ~」と
嘆いていると
桜井「本当ですよ、
今年も出会いないまま
終わりそうです」
藤井「そんなに焦んなくても
良いんじゃないかい、
意外と近くにいるかもよ」
清水「あれでしょ、垣内君じゃなくて
職場にいい人いないの~」
桜井「いい人いればアタックしてます
よ~」とため息混じりで
嘆いている
清水「積極的ね~あんまりガツガツ
いかなくても、流行りの~
なんだっけ…マッチングアプリ
とかあるじゃない!」
藤井「あれだろ、既婚者が独身と
偽って登録したりしている
やつじゃなかったっけ、
純粋な出会いもあると
思うけどな!」
桜井「なかなかこれってタイプの子
が、グッと引かれる人が
いないんですよ~」
マスター「まぁまぁ出会いは
人それぞれですから、
今年もハロウィンが
終わりまして
短い秋から冬です!
あっという間の
クリスマスですね~
それすぎたら
あっという間に
お正月ですから
私は今年も年を越すことが
できて嬉しいですね」
清水「今年は激動の1年だったわね~
何もかも」
喫茶店百音の前に着いてドアを開ける津雲カランカラン…
津雲「こんにちは~」
マスター「上杉さんいらっしゃいま
せ、いつものでいいです
か?」と皿を拭きながら
聞いてくる
津雲「ご無沙汰しています~
今日もいつものとプラス
グラタンでお願いします」
マスター「はい、かしこまりました!
そう言えば上杉さん
最近お忙しかったの
ですか?」
津雲「仕事自体はそうでもないのです
が、新人教育を急遽担当
することになってしまって
陸の孤島のおじさんを
使わなきゃいけないのか
という感じですね、
最近は中途入社がほとんど
ですからウチの会社は
年齢性別問わずですから
色々な人間でヘトヘト
でしたけど、ようやく一段落
つきましたので」
藤井「大変だね~俺なんか親父から
見て覚えろの一言だもん!
今の時代じゃ通用しないわな」
津雲「そうですね~まぁとりあえずは
会社に来ることを第1目標に
しましょうですから、
今は配属ガチャなんて
言われますし
思い通りにならないと
すぐ退職してしまいますから
難しい時代です!」と
ふぅ~と一息ついていた
清水「厄介な時代になったわよね~
みんな俺様私様なんだから!
思いやりくらいないの
かしらね~」
マスター「上杉さん、お待ちどうさま
です」とブレンドと
グラタンを置いた
津雲「ありがとうございます!
いただきます」と珈琲カップを
持ち上げてブレンドを一口飲む
津雲「はぁ~やはりマスターの
コーヒーは落ち着きますね~
身体が生き返るように
五臓六腑に染み渡って
いきますです」
マスター「ありがとうございます」と
いいながら
グラスを拭いていた
桜井「今年こそと思いましたが、
来年こそいい男を
捕まえまくちゃ」
藤井「あんまりがっつくと
逃げてくよ」
清水「そういえばなかなか、
熱愛スクープも
減ってきてるわね~」
津雲「今はあんまり騒ぎすぎると
SNSで相当叩かれますからね!
プライバシーの侵害とか
驕りだとか
何様のつもりだとか」
マスター「ギスギスした時代になりま
したが、来年こそ
平和な1年になって
ほしいものです」
さあ、新しい年の幕開けが始まります