存在しない魔法
「それじゃあ、早速強くしますよ」
シェーミはそういうとなんかそれっぽいのを唱え始めた。
「この世のすべてをつかさどり、すべての生物の生死を分けるもの、太陽。
今一度その光でこの世のすべてを包み込め!」
「サンライト!」
そうシェーミが唱え終わるとシェーミを中心にドームみたいのが広範囲にできた。
「おぁ、すごっ!」
シェーミがサンライトを使ったら空が曇っておらず、雲一つない快晴だった。
「サンライトとかかっこいい技名つけちゃって。そんなにマコトにすごいところを見せたいの?」
シェーカがそういった。
「え?シェーカ、どういうこと?」
「そもそもこの世にサンライトっていう技自体存在しないんだよ。今回シェーミが使った技はただのドーム状に展開させたバリアを自分を中心に張っただけ。そんな風に自分を中心として張ることで自分が動くと中心も動くから同時にバリアも動くってわけ。そしてそのバリアで雨を防いでいるんだ。
ただそれだけだと曇り空を消せてないから体術の一つの技「幻惑の術」を使って曇り空を青空に見せているんだよ、わかったマコト?この魔法のからくりを」
マジかよ・・・
「ちょっとシェーカ、ネタバレしないでよ」
「ごめんごめん」
あれ?ってことは。
「体質の効果を強めるっていうのは?」
「ないよ。そもそも僕はそんなのがあるなんて言ってないし。勝手にシェーミが言って、勝手にマコトが騙されただけ」
「じゃあ、さっきの詠唱は?」
「もちろんそれもないよ。どっちも下級魔法だから技名を言わなくてもできるレベルだよ」
「ん~?、おはよう、マコト・・・!?、おいマコト、何か魔力を感じるぞ」
やっとイズホが起きてきた。
「あれ、リウラは?」
「あぁ、あいつならまだ寝ているぞ」
あいつ、どんだけ寝れば気が済むんだ?シェーカと初めて会った時も寝ていたし。
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