しょうもない喧嘩
「おい、誰なんだあいつ」
「あ、あいつは・・・・わかりません」
えっ?
「あ、あいつは、ま、まさかって言ってたのに知らないのか?」
「はい、すみません」
それにしても急に何なんだ、あいつは。礼儀というのを知らないのか?
「もしかして我のことを知らないのか?」
逆にこの様子から知っているとでも思ったのか?
「我が名はシェーカ。魔王軍幹部の一人でありここら辺一帯を統べるもの!」
「あ、そうですか。それでは俺たちはこれで」
知らない人には関わらないほうがいいって常識だからな。・・・
そう、常識だからあいつから離れるのだ。決してあいつの放つオーラがやばくて戦ったら絶対に勝てないとか思って離れるわけじゃないし。
「マコト、足が震えていますけど大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫でだ。それより、あのモモケにやられて倒れているあのバカイズホを連れてこい。今すぐ逃げるぞ。あいつにはどうやったって勝てない」
「そうですね、それじゃあ逃げましょう」
俺たちがそうして逃げようとしたら
「おいちょと待て、決してお前たちを倒しに来たわけではないんだ。なぁ、忘れちゃったのか?シェーミ?」
「!?、なんであいつがシェーミの名前を?」
「さ、さ、さて、何のことでしょう?ぼぼぼ僕あんなシェーカって奴のこと耳にもしたことがないですよ」
こいつ嘘つくの下手すぎか?
「あの~?シェーミさん?」
「はっはい」
動揺しすぎ。関係があるって見え見えだぞ。
「あのシェーカとはどのようなご関係に?」
「っ!しょうがないですね、マコトには話してもいいでしょう。どうせ関係があることくらいもう見抜かれてると思うのでここで嘘をつきとおせないと思うので。」
「やっと話してくれる気になったか」
そしたらシェーカも降りてきた。
「それじゃあまずは僕から話すよ、シェーミはこういうのは苦手だからね。僕とシェーミは簡単に言うと幼馴染なんだ。僕たちは3歳の時から一緒でずっと一緒に遊んでたんだ。でもある時、それは8歳の時だった。だいたい10年前だね。その時僕たちはキャベツとレタスどっちのほうがおいしいかってしょうもない理由で喧嘩になってしまったんだ。それからずっと互いに口を利かなくなって今になる感じかな」
「・・・・・・・・・は?ほんとにどうしてそんなしょうもない理由で喧嘩になって10年間も口を利かなかったんだ?すぐにどっちかが謝れば解決できる喧嘩なのに。そもそも友達は大切にしなきゃだめだぞ。俺が元居たところだと俺に友達なんていないに等しかったぞ(オリンピック射撃金メダリストだから恐れ多かったらしい)。」
「「うっ」」
どうやらどっちにも思い当たる点なんかがあるのだろう。
「ほら、二人とも相手に謝って」
「「ごめんなさい」」
「よし、これで完了だ。二人ともこれからは昔と同じようにもしくはそれ以上仲良くするんだぞ」
「はい、わかりましたよ、マコト」
「・・・」
シェーカも何か喋ろよ。
「ところでどっちがキャベツ派でどっちがレタス派なんだ」
「僕はキャベツ」
そうかシェーミはキャベツ派なのか。
「僕はレタス」
なるほどそんな感じだったのか。
「「え?」」
「シェーミ、お前昔はレタス派って言ってたじゃないか」
え?ってことは・・・
「そういうシェーカも昔はキャベツ派だったじゃないか」
ですよね~~~~。
「ちょっと待て、一体どういうことだ?」
「僕はシェーカと口を利かなくなってから数日後シェーカがキャベツ派だって言ってたから試しに食べてみたらすごくおいしくてそれからキャベツ派になりました、ということです」
ん?それじゃあそのタイミングだったらどっちもキャベツ派ということで仲直りできたんじゃないか?
「実は多分シェーミとほぼ同じ時間でレタス派になりました」
それが原因か。
「それまたどうして?」
「・・・・・シェーミと同じ」
そうだ、まだ聞きたいことがあるんだった。
「シェーカ、あと一つ聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「いいよ、なんとなく何が聞かれるか想像できるから」
「それじゃあ遠慮なく、なんで魔王軍に入っていてしかも幹部なんだ?」
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