3.お付きの渾身のアシスト
(σ・∀・)σゲッツ!!
そこまで考えて、ラルフとフローラはハッとした。
自分の主人の言葉を代弁すれば、相手に気持ちが伝わるのではないのか?
そうすれば主人と婚約者が仲良くなって、いつも抱えているストレスが解消されるのではないのか?
そう考えた二人の行動は早かった。
「いつもと変わり映えしない茶の味だな。」
「お口に合いませんか?」
「72回目の茶会で、私がこの茶葉がうまいと言っていたのを覚えてくれていたのだろうか・・・。と仰っています。」
「72回目のお茶会で、このお茶が美味しいと言ってらしたからいつも準備していたのだけれど、好みが変わってしまわれたのかしら?・・・と仰っておられます。」
「・・・・・!?」
「・・・・・?」
一瞬きょとんとしていたレドモンドとララベットだったが、ラルフとフローラが言ったことが自分の心の声だということに気づくと、サッと顔を赤くしてしどろもどろになって弁明していた。
「いや、違うんだ!!その、違う、んだ・・・」
「違いますの!!あ、いえ、その・・・」
二人は目に見えて動揺した。
その様子を見たラルフとフローラは、なんとも清々しい顔をして思った。
((ああ、もっと早く知りたかった・・・))
長年の悩みが解消され、今までの苦労が報われた瞬間だった。
対して、レドモンドとララベットは困惑していた。
そりゃあ、いきなり自分の心が読まれたら誰だって戸惑うだろう。
「ら、ラルフ・・・?」
「はい!何でしょう、ララベット様のことが大好きなレドモンド様!!」
「グッ・・・フォッ、ヴン!ら、ラルフ?何を言ってるんだい?」
「確かに、ララは世界で一番かわいい婚約者だけど。」
「ブフッ!!ッゴホ、ゴホッ!!」
「早く結婚したい・・・と仰っていらっしゃいます!!」
ラルフによる心の声の暴露で真っ赤になって沈み込んでしまったレドモンドと、ぽかんとしているララベットを見て、フローラもやりました。
「れ、レド様?まさかレド様がわたくしのことを・・・?いいえ、目を覚ましなさい、ララベット。」
「ふぇっ!?」
「そんなわけないじゃない。あのレド様よ?わたくしなんかよりももっとお似合いの方がいらっしゃるはずよ。・・・それでもわたくしは、お慕い申し上げているけど・・・」
「フローラ!?」
「・・・と、仰っておられます。」
ラルフとレドモンドが驚いて言葉を失っている間に、ララベットは庭の隅に行ってイジイジと草を引っこ抜いている。
その様子を見てハッと我に返ったレドモンドは、恐る恐る近づいてララベットの顔をそっと覗き込んだ。
「い、今の・・・本当、か・・・?」
「っ!?!?!?」
ララベットは、耳の先から首までを真っ赤に染めて震えていた。
対するレドモンドは、少し瞳を輝かせて期待するように顔を近づけた。
二人が自分たちの世界に入っていったのを確認したラルフとフローラは、満足そうに微笑んで気配を消した。
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次回の更新は、6月21日5時になります。