2.心の声
(((((((((((っ・ω・)っ ブーン
・・・なんで私がこんなこと知っているかって?
神界ネットワークで過去の状況を振り返ったからに決まってるじゃないの。
え? 便利すぎるって?
神なんだから当たり前じゃない。(どや)
まあそんなことは置いといて、彼らを何とかしなければいけないわね。
このままでは破局してしまうかもしれないわ。
一途の神といっても、カップルをくっつけることはできない。
中位の神はできることに限りがあるから。
だから私は、二人に些細なきっかけを『祝福』という形で与えることしかできない。
神もなかなか面倒くさいのだ。
そこでクレメンティアは思いついた。
ラルフとフローラに、自分の主人の心の声を代弁してもらえばいいじゃないか、と。
ついでにこの二人の仲が良くなるように、すこーしだけ祝福しようじゃないか。
「一途神・クレメンティアの名において、レドモンド・フェリクサー、ララベット・スペンディル両名の末永い幸せを祈願するために、ラルフ・ヴィガー、フローラ・キャロルにそれぞれの主人に限定し、読心の力を授ける。」
キラキラとした薄桃色の光が、ラルフとフローラの頭上に降り注ぐ。
これは神にだけ使える力であり、一般人には見ることができない。
ついでに二人の心の声が聞きたかったので、自分にも振りかけておいた。
効果はすぐに現れた。
会話しているときと同じくらいの声量で、お互いを称賛する声が聞こえてきたからである。
「久しぶりだね、ララベット嬢。変わりはなさそうでなにより。」
(ああ、1週間と1分16秒振りに見るララは可愛らしいなぁ・・・、なぜ定例茶会は1週間に1回なんだ!!別に毎日でもいいだろう!!ああでも、そうしてしまうと愛しのララが疲れてしまうな・・・、ただでさえ学園に行っていて忙しいというのに、これ以上ララの疲れを増やしてはいけない・・・っ!ララはちゃんと休めているのだろうか?)
「ええ、お久しぶりですわ、レドモンド様。そちらもお変わりないようで。」
(きゃーーー!!レド様から話しかけていただいたわ!!今まで幼少の頃から7年10ヶ月と25日、その間のお茶会は双方の体調不良、致し方ない都合を除き、実に374回!!その中でもレド様から話しかけてくださったのは、たったの109回!!29.144385026%の確率!!この確率で話しかけていただいたなんて、私はなんて幸運なの!!帰ったらお祝いしなきゃ!!)
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
・・・心の声が聞こえた三人は、唖然としていた。
ラルフは、レドモンドはララベットのことが嫌いなのだと思っていた。
フローラは、ララベットはレドモンドが大嫌いなのだと思っていた。
クレメンティアは、二人共言いたいことが少し言えてないだけだと思っていた。
だが、違った。
(((あらやだ、大分心の声の語彙が充実してる!!)))
恐ろしいほどに喋ってる・・・、口に出した言葉の5倍は喋ってる・・・。
・・・・・・こわ〜い。
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