明かされた秘密と暴かれた秘密
前回までのあらすじ
村をアイヤン族に襲われ、若くして村を離れた秋風ユウタ。
村を離れた時、彼は10歳だった。
そんな彼にも仲間はいる。
途中で出会った、リュウマとカイジだ。
自分の村を襲われた復讐をするためにユウタは勇者になる。
山あり谷ありの冒険をしながら、村を襲ったアイヤン族や、アイヤン族に協力した魔物と戦う!
そして、新しく魔物が登場!
この魔物が現れたことで、リュウマの顔は青ざめていた。
魔物は体を駆使していたが、リュウマのスピードで撃破。
しかし、ユウタは不審に感じている点があった…
魔物を不意打ちで倒したということに…
さらに、カイジも何かと話していたことをユウタに秘密にしていて…
ユウタは寝ているふりをしながら、ずっと考えていた。そして今、ユウタの考えていることは、リュウマの奇想天外な行動よりも、カイジの不可解な行動になりつつあった。
カイジは誰と話していたんだろう。見るからに怪しかった。確か、最後聞き取れた言葉は…
「…あれ、おまえのなかまじゃないのか。ここにいたらあやしまれるぞ…」と誰かが言い、カイジが「…じゃあ、むこうにもどるね……」とか言っていたっけ。本当に、あれ誰だ?誰なんだ?
考えるほど、カイジが怪しくみえてくる…
日が昇った。ユウタは結局一睡もできなかった。眠い。今さらになるが、眠らなかった自分を後悔する。ユウタがそのように考えた瞬間だった。
バリバリバリ!
突然、何かを破るような音が聞こえてきた。音を聞いても、現場はかなり近い。何があったのか、見に行かないと。また魔物が暴れているのかもしれない。目を左右に動かすと、どうやらリュウマやカイジも同じらしい。3人で見に行くことにした。
「…え?」
そこに広がっていたのは、信じられない光景だった。光景、というよりは、魔物に驚いた。
魔物の正体。それは、昨日リュウマが倒したはずの魔物にそっくりだった…。
いや、そっくりにしてはそっくりすぎる。じゃあ、この魔物はまさか…
「久しぶり。私はカラダムキムキだ。昨日の借りを返しに来たぞ」
魔物が、そう高らかに宣言する。やっぱりこいつはそっくりさんじゃない。本物だ。じゃあ、なんで?
なんでこんなところにいるんだ?
なぜこんなところにいるのか。次回に続…
続かない。まだ続きがある。
もちろんユウタはたずねる。
「なんでこんなところにいるんだ?」
魔物は、こう返す。
「なぜなら…
言葉を発した瞬間、
スパン!
何かが斬られる音がした。
ユウタはびっくりして振り返る。
斬られたのは、魔物……
斬ったのは、リュウマだった。
「え?」
ユウタもカイジも状況が理解できていなかった。そして、リュウマはあの時と同じ目をしていた。
その場に、沈黙が流れた。
「なんでまだいるんだ?」
沈黙を破った主は、リュウマだった。
「わからない」とユウタはなんとか返事をし、
「これほどとは…」とカイジは何かをつぶやいていた。
しかし、カイジのつぶやき声はユウタとリュウマに届いていなかった。
3人は、とりあえず歩いている。沈黙が続いている。とりあえず、今は行進中だ。魔物の件は、日の出直後に起こったから、今日はまだ進めるだろう。その考えが、リュウマにはあった。ユウタとカイジに同じ考えがあったのかは分からない、が。
日が沈んできた。
「そろそろ休むか」リュウマが提案した。
誰も反対しなかったので、そこで休むことにした。
夜中。
ユウタもリュウマも寝ている。カイジは、見張りとして起きている。見張りの交代の時間が近づき、カイジはユウタを起こした。
カイジは起きたばかりのユウタに話しかける。
「ちょっとお話いい?」
ユウタは「いいけど」と言いつつ、不思議に思った。リュウマがいないけど、いいのかな?
カイジは静かに、迫力のある声で話し始める。
「ユウタさんは、リュウマさんが、魔物であることを知っていますよね?」
昼間と同じ、沈黙が流れる。
それからしばらくして、ユウタの口から言葉が出てきた。
「えっ⁉ どういうこと?」
お知らせ
諸事情のため、2023年4月頃まで休載させていただきます。申し訳ございません。
次回予告
「リュウマさんが、魔物であることを知っていますよね?」というカイジの発言。真意は―⁉
10歳で勇者になった男。第24部分「頭を使う魔物」は、2023年5月初旬ごろ公開の予定です!
お楽しみに!




