勇者になろう
アイヤン族を倒すと心に決めたあの日から数日後。
秋風ユウタとリュウマはアイヤン族や魔王あいうえおを倒すために特訓していた。
「頑張って勇者みたいな存在になるぞ!」という、2人の認識から始まったものだ。
「いつになったら倒しに行けるの、リュウマ?」
「まだだ。まだ特訓が足りない。」
というような会話をいつもしていた。
そして、特訓開始から数か月が経った頃。
「よし、(倒しに)行くか!」「うん!」
こうして、2人は勇者となって旅に出るのだった。
翌朝、2人は洞窟から出た。すると、そこには驚きの光景があった。あの!あの目の前にある村が活性化しているのだ。だが、驚いたのは2人ともそこではなかった。なんと、魔物がたくさん暮らしているではないか!
2人は、この村に関わると厄介だと思い、アイヤン村を目指すことにした。
「嘘だろ…」
と、ユウタが言うのも無理はない。道に強そうな魔物がいたからだ。
「強行突破だ!」
リュウマは息を殺し、そっと魔物の後ろに回り込み、持っていた剣で魔物を刺した!
「ぐわぁぁぁ」という叫び声とともに、その魔物は消滅した。どうやら魔物を倒すと、その魔物は消滅するらしい。
「行くぞ。」
リュウマが、消滅した魔物に怯えているユウタに言う。
「うん。」と、ユウタはしぶしぶリュウマについていくことしか出来なかった。
その後も、同じような強さの魔物と何回か対峙した。
最初は慣れなかったユウタも、だんだん倒せるようになった。
「ふっふっふ」と、どこからともなく聞こえてくる。
「ねえ、リュウマ。この音何かな?」
「恐らく魔物の笑い声だな。行くか!」
「行くの〜?」ユウタはしぶしぶついていった。
なんて見たことのない大きさの魔物だろう。
そこには、3mを越える魔物がいた。
リュウマは、早速魔物の背後に回り込んだ。が、気づかれてしまった。リュウマは魔物によって蹴り飛ばされた。
「お前の名前は何だ?」
ユウタが聞くと、魔物は「ふっふっふ」「はっはっは」と笑いながら答えた。「『ふっふー』だ。」
「ふっふー、お前は絶対倒す!」
アイヤン村まであと40km。