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10歳で勇者になった男。  作者: ごーちゃん
物語の始まり
1/23

全ての始まり

   僕はユウタっていうんだ。

   実は僕、勇者なんだ。

   なんで勇者なのか知ってる?

   実は僕、こんなことがあったんだ。



(2()0()()())


 秋風(あきかぜ)ユウタは、森をさまよっていた。彼には、1時間前に5歳の自分にとって、一番不幸なことが起きていた。アイヤン族に自分たちの住む村を追い出されたのだ。


 その世界には、秋風ユウタが住んでいる、その国の先住民(せんじゅうみん)が暮らしている秋風村(あきかぜむら)があった。ところが、秋風村から20km(キロメートル)離れたところに、別の先住民であるアイヤン族が暮らしているアイヤン村があったのだ。この2つの村は、約500年前(先住民がいたとき)から、争いが絶えなかった。この日も、争いがあったのだ。

 秋風ユウタの両親ともこの争いで離れ離れになってしまった。2人ともどこにいるのか、生きているのかさえ分からない。

 ただ、今は逃げることに必至だった。アイヤン族に捕まってしまうと、どうなってしまうか分からない。秋風村からずいぶん走ったことで、息も切れていた。少し休憩しようと秋風ユウタは思った。もうアイヤン族の奴らはいないだろうと。

 次の瞬間。本人でさえも何が起きたのかわからなかった。いきなり自分の体が宙に浮いたかと思えば、アイヤン族の棟梁(とうりょう)の顔が目の前にあったのだ。それから(こぶし)が飛んできて、秋風ユウタは吹っ飛ばされた。

 本人の記憶には、そこから先はなかった。



 それから5年が経った頃。

 秋風ユウタは、アイヤン村にて重労働をさせられていた。でも、彼にはそれよりもいいものがあった。食事と学校だ。食事(その頃は1日2食だが)は毎食食べさせてもらっていたし、学校にも行かせてもらっていた。その時の彼の悩みは1つだった。自分の両親はどこにいるのか、何をしているのかだ。

 その日、秋風ユウタは学校の帰り道、猛烈に思い悩んでいた。学校でいじめ(っぽい)を受けたのだ。それも、本人にとってどうでもいい理由で。これから学校に行くべきか? 秋風ユウタはあと1日、行くことにした。

 次の日、また同じ理由でいじめられ、もう学校になんか行きたくないと思い始めた。その時、急に5年前の記憶が脳内に蘇り(よみがえり)、こんなことをしている場合ではないと思った。そして、その日の夜に彼はアイヤン村を出ていってしまったのだ。


 彼は走った。走った。走り続けた。5年前のあの日と同じように。

 ある場所まで来たところで、秋風ユウタはふと足が止まった。そこには、見覚えのある景色、建物、自然があった。秋風村だ。彼は我に帰り、両親がいないかどうか探し始めた。しかし、この村には人の気配すらない。どうにか人のいるところまで行って保護してもらおう。そう思い、別の方角に向かって歩き出した。

 足がもう動かない…

 彼の足はついに止まってしまった。もう何時間も歩いているからだ。今日は、もう暗くなっているし、今日はここで野宿することにした。


 朝の太陽に照らされて、秋風ユウタは目を覚ました。

 彼は目を見張った。昨日見た時にはなかった村が、少し先に見えたのだ。

 彼は走った。

 10分ぐらい走ったとき、彼は村が目の前に見えていた。彼が村に足を踏み入れようとすると、ニュっと彼の後ろから伸びた手が、彼の服をつかんだ。

 彼が慌てて振り向くと、そこには秋風ユウタより少し大人びた少年が立っていた。秋風ユウタは彼によって、近くにあった洞窟へ連れ込まれた。


 「あの村で何をする気だ。」

大人びた少年 ー名前はリュウマというそうだ は、秋風ユウタを問いただした。

 「助けを乞うつもりだった」ユウタは正直に答える。

 「やめといたほうがいい。あの村はアイヤン族によって支配されている」

 リュウマのアイヤン族という言葉に反応し、ユウタは全てを話した。


 「目標は、アイヤン族の撃退だな。頑張るぞ、ユウタ。」「うん。」

 この2人の会談はアイヤン族の撃退という共通の目標に向かって一緒に戦うということで同意した。

 「でも、容易ではないぞ。奴らには、『魔王あいうえお』がついているからな、ユウタ。」

 「魔王あいうえお? 何それ、リュウマ?」

 「この地域(エリア)に住み着く、巨大な魔力(パワー)を持つ魔王のことだ。」

 「それは難しそうだけど、これから頑張ろう!」

 「うん!」


 こうして、2人の冒険(アドベンチャー)が始まった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ふりがながあって良いですね。
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