第3話 詩音と名前と製作
やっと主人公詩音の名前が出てきた。
主人公のロリコン疑惑とは?
「本当に不思議な主君です。」
「なぁその"主君"って言い方、辞めないか?」
「えっ?」
「だから、俺の事は…………」
あれ?そういえば俺って、名前が思い出せない…
「どうしたのですか?」
心配になったのか俺を気遣ってくれた
「あぁ~……俺まだ名前決めて無くてさ」
「そうなのですか、なら決めちゃいましょう、主君に名前が無いのはコレからに不便ですからね」
「そうだな」
と言ってもどうやって決めようか……
「……詩音」
「詩音ですか?」
俺は小説など本が好きな気がしていた、それは音を綴る詩みたいなものだと思っている
「ああ、俺の名前は……詩音
ダンジョンマスター詩音だ」
「詩音、良い響きですね」
自分の名前を褒められると恥ずかしいな
「そうだ、ラティヌスって名前で合っているのか?やっぱりユピテルって呼んだ方が良いか?」
すると小さな女の子は難しい顔をした
「私たちモンスターは名前がありません、ラティヌスやユピテルは種族に入る種類であり名前ではありません」
「なら名前を……」
「待って下さい、名前を付けるとはどういった意味か分かりますか?」
「何かあるのか?」
「確かこの事もダンジョンコアから知識が送り込まれていた筈ですが……」
えっと……
・ダンジョン内または外界のモンスターを使役に成功した時、モンスターに名前を付ける事が可能、名前を付けなければダンジョン内で死んだ場合、LVが半分に下がりますが再び復活する事が出来ます
※位によって復活時間が違います
・名前を付けた場合メリットとデメリットが発生する
メリットは名前を付けた状態でLVが上がると全ステータスに
+20の追加が施されます
デメリットはもし名前付きのモンスターが倒された場合、復活出来ません、更に二度と倒されたモンスターは召喚出来ません
「なる程な、ハイリスクハイリターンな訳か」
「はい、ですので」
「よし、名前はアリスな」
「分かりまし……………?ほえぇ~~!?
ちゃんと調べましたか!?」
「当たり前だろう?ちゃんと調べた上で決めたよ。」
「理由を聞いても?」
「初めてっていうのもあるが、俺の初めての相棒だ。名前がなきゃ不便だろ?それにアリスは死なないさ、俺がそれを許さないからな」
「……!その言葉、信じても良いですか?」
「どんとこい」
「ありがとうございます」
「さて、ダンジョンの制作に移るか」
俺はダンジョンコアから【制作】の項目をタッチした
場面はさっきのとは打って変わり、パネルも大きくなった
ポイントは500マナ。
前は482マナだったから十八時間経過した事になる
残り期間は6日と6時間か
俺は注意事項を読んだ
例)部屋作りに使うマナは1立方メートルにつき1マナを基準としています。
5メートル四方高さ2メートルの部屋なら50マナ、10メートル四方高さ2メートルの部屋なら200マナと、このように迷宮を作っていくようだ。
仮に
『高さ2メートル、幅1.5メートル、長さ50メートルの通路』を作ったら、150マナが必要になる。
「中々きつい条件下だな」
ダンジョンと言うくらいだから広い迷宮を想像していたが
これじゃあ、ある程度覚悟はした方が良いな
「しかし、一々タッチで制作するのは時間が掛かるな」
-マスターの疑問を断定認識
声からの認識も可能です-
「そんな便利機能もあるのか、じゃあさっそく」
俺はあらかじめ決めていた事を言葉に発した
「広さは150立方メートル高さ2メートルを制作」
-広さ150立方メートル
高さ2メートルを実行します
合計300マナになりますが承認しますか?
Yes/No-
「Yesだ」
500=200
承認した後、パネルには六畳のマスター室とは別に正四角形の部屋が現れた
「主君、それだけでは全ての空間が丸見えですよ?」
「主君は止めてくれないのね……まぁいいや、アリスの言った通りなのは百も承知だよ」
俺はダンジョン内の状況の場面をそのままに、パネルをもう一枚出現させた、もちろん制作画面だ
「巨大な岩を3つ
中くらいの岩を5つ制作」
-軽石 岩石 鉄 銅 鋼鉄 ダイヤモンド アダマンタイト オリハルコンなどがありますがどうしますか?-
「それぞれマナに表して見てくれ」
-軽石
小1中3大5
岩石
小7中10大15
鉄
小30中50大100
銅
小200中400大500
鋼鉄
小1000中2000大3000
ダイヤモンド
小5000中10000大30000
アダマンタイト
小32000中35000大40000
オリハルコン
小50000中100000大150000
になりますがどうしますか?-
「岩石大を3つに岩石中を5つを制作」
-岩石大15×3=45
岩石中10×5=50を
制作するには
95マナ必要ですが承認しますか?Yes/No-
「Yes」
-岩石を画面で設置して下さい-
俺は岩石大を入り口になるであろう場所に1つ
中央辺りに岩石大の残りを設置岩石中サイズは壁側にそれぞれ設置
-岩石の設置を確認しました-
200=105
「後はモンスターか…さてどうするか」
「主題などは決まって居るのですか?」
「あぁ、一応決まっては居るんだが……植物と虫系の合同で行こうと思うんだが……」
やっぱり止めるべきかな?
少し鳥肌が立ってきた。
「何か不都合が?」
言わなきゃ駄目か……
「俺、虫って駄目なんだよね」
「虫が…ですか?」
「あぁ、虫の事を考えると身体が軽く震えるんだよ。だから昔の俺は虫が苦手と言う事だ」
まぁ昔は昔だ。
徐々に慣れて行けばいいさ
「とりあえずは……入り口手前に虫を配置して奥側は植物かな」
俺はダンジョン画面と制作画面の他に召喚画面を出した
本を片手に調べた
「丁度いいのはこいつら位かな」
【マンティス】10マナ
全長50cmのカマキリ虫型モンスター
下位のモンスターの中ではダントツのスピードを誇り、敵の後ろから首を狙う習性がある
暗闇が最も本領を発揮すると言われる
______________
【マンティス】
名前 無名 LV.1
種族 虫
性別 ?
【能力値】
HP:70/70
MP:0/0
STR(筋力):40
VIT(耐久):5
INT(知力):0
MIN(精神):10
DEX(器用):30
AGI(敏捷):50
LUK(幸運):5
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【呪木】20マナ
全長3mの呪われた植物モンスター
かの昔、人を呪う為だけに作られた植物だとも呼ばれている
根っこの全長は計り知れない物で根っこからは針を飛ばしてくる。
根っこを踏んだ者は靴の下からでも軽い痛みを
覚えるが、根っこが刺さっていることに気付くのは中々難しい
______________
【呪木】
名前 無名 LV.1
種族 植物
性別 ?
【能力値】
HP:30/30
MP:50/50
STR(筋力):0
VIT(耐久):25
INT(知力):10
MIN(精神):5
DEX(器用):20
AGI(敏捷):0
LUK(幸運):5
スキル
【呪殺】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【呪殺】
【呪木】独特のスキル
根っこから針を飛ばし、刺さった相手を状態異常【呪】にする
状態【呪】
身体の動きを鈍くし、
更に体力を徐々に減らして行くDEXが高ければ高い程
効果を発揮する
「【マンティス】を5体。
【呪木】を1体召喚」
-【マンティス】10×5=50
【呪木】20×1=20を認証
合計70マナ必要
承認しますか?
Yes/No-
「Yes」
-【マンティス】は召喚した後は命令などで移動するので適当に配置させます【呪木】は配置場所が限られるので設定して下さい-
「中央辺りに頼む、大体岩石と岩石のあいだ辺りに」
-承認-
105=35
「モンスターに命令するにはどうすれば良い?」
-マスターの疑問を断定認識
【ダンジョン状況】にタッチしそこから声を発すると部屋全体にマスターの声が響き渡ります-
「分かった。ありがとう」
-……-
「よし、大体終わったな。」
「お疲れ様です。主君」
「あぁ、ありがとう。アリス」
今思うと俺はついさっきまで1人だった。
こんな薄暗い空間に1人でダンジョン制作となると、精神は圧迫されいつかは壊れていたと思う
それを考えるとアリスはとても大切な人物になるだろう
「主君、そんなにジッと見られるとちょっと……」
「あぁ!悪い。」
俺は気付かない内にアリスを見ていたみたいだな
「なぁアリス」
「はい?」
「ありがとな」
「ふふ、どう致しまして」
さてあれから何時間経っているんだ?
マナ残量40
今までの計算だと35マナの筈だったから五時間経っていることになる
まだ時間はあるしなぁ
どうするか
「生活用品を揃えたり、空間を広くしてみたりしてはどうですか?」
「そうだな、ベッドとテーブルだけだし六畳は2人だと狭いし……あ」
「どうしたのですか?主君」
「アリスの部屋を作らなくちゃ女の子なんだし、俺と一緒じゃ嫌だろう?」
するとアリスは慌て出すように言葉を連ねた
「だ、大丈夫ですよ!マナ残量は少ないですし、まだ作らなくても良いです!」
「でも寝る場所とか……」
アリスはとんでもない事を言った
「……一緒に寝ます」
「……え?」
「一緒に寝ます!!」
「おぉぅ?!」
「一緒に寝ればマナも少なくて済みますし良いですよね?」
「大丈夫ですよね!?主君!」
「あ、あぁそうだな」
「やった♪」
何が嬉しいのか分からないが
喜んでいるみたいだしな
「とりあえずまずはベッドだな。ダンジョンコア、セミダブルベッドはマナ幾つだ?」
-【セミダブルベッド】
35マナになりますが承認しますか?Yes/No-
「Yes」
俺はベッドの配置を元々あったベッドの上に配置した
-【普通のベッド】を13マナに返還し、【セミダブルベッド】を35マナで変換します。承認しますか?Yes/No-
「Yes」
40=5=18
「前よりは質の良さそうなベッドだな」
「フカフカです」
アリスは気に入ったのかベッドに寝転がった
「後はトイレと空間の増築かな」
-トイレにも様々な種類がありますがどうしますか?-
「この中で最低の広さのトイレは幾つ位だ?」
-一畳程の広さで5マナになります。承認しますか?
Yes/No-
「Yes」
18=13
「空間の増築はどれくらいだ?」
-一畳2マナになりますがどうしますか?-
「四畳増やして十畳で均等の部屋割りにしてくれ」
-認証、四畳8マナになりますが承認しますか?Yes/No-
「Yes」
13=5
「ついでにベッドも壁際に寄せてくれ」
-承認-
ベッドは何の力が加わったのか勝手に壁際に寄っていった
「色々ありがとう
ダンジョンコア」
-……いえ-
声が小さすぎて聞こえなかったが確かに返事をしてくれた気がする
「ぅん~疲れた」
俺はその場で伸びをし、身体をほぐした
「そうだ、アリスのステータスってまだ見てなかったな。
アリス~ステータスってみていい……か?」
アリスの方を見てみると
ベッドで静かに寝息を立てていた
「う~ん、起きた時に言えば良いから先にステータス確認するか」
______________
【主神ラティヌス(ユピテル)】名前 アリス LV.1
種族 神
性別 女
【能力値】
HP:15200/15200
MP:13800/13800+2000
STR(筋力):1320+100
VIT(耐久):580+100
INT(知力):4680+150
MIN(精神):2360+150
DEX(器用):1850+100
AGI(敏捷):2560+100
LUK(幸運):1920+100
スキル
【親愛】
【天性のカリスマ】
【聖魔法 LV.1】
【マスターの側近】
【絶対の信頼】
【天候操作】
【保護欲そそられる者】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【親愛】
主人に対して最大の親しみを感じるようになる
【天性のカリスマ】
王の素質を持つものに与えられるINTとMINに+50
【聖魔法 LV.1】
回復系や補佐系の魔法を主に覚える、他の属性とは違い効果は絶大MP+500
【マスターの側近】
ダンジョンマスターに最も信頼されている人物に与えられる
全ステータス+100
【絶対の信頼】
マスターに何を命令されても実行する者に与えられる
【天候操作 LV.1】
主神ラティヌスの固定スキル
晴れ・曇り・雨の天候を操れる
LVが上がれば様々な天候を操れるようになる
MP+1500
【保護欲そそられる者】
自分の仲間から最優先的に守られるようになる
敵からは倒すことに躊躇されるようになる
「……すご」
もう一度俺のステータスも見てみるか
______________
ダンジョンコア LV.1
名前 詩音 LV.1
種族 人間
性別 男
【能力値】
HP:100/100
MP:100/100
STR(筋力):10+5
VIT(耐久):10+35
INT(知力):10+85
MIN(精神):10+5
DEX(器用):10+20
AGI(敏捷):10+5
LUK(幸運):10+100
称号
【ダンジョンマスター】
【読書制覇】
【速読者】
Now【神話の全てを知りし者】
Now【ロリータコンプレックス】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【神話の全てを知りし者】
神話の全てを知っている者に与えられる称号
INT+50
【ロリータコンプレックス】
小さい子供を守りたい一心の者に与えられる称号
VIT+30
……俺ってロリコンだったのか?
にしてもここまでステータスに違いがでるとは……
HPなんか152倍差もあったな
でも守られる訳にも行かないし……。がんばるか!
「そういえば、残り期間ってどれくらいだ?」
-マスターの疑問を断定認識
残り期間6日間です-
「ふむ、残りマナ残量も少ないな。俺も寝ようかな?お休み
ダンジョンコア」
-…お休みなさい-
俺は壁際に寝ているアリスを起こさないように静かに寝転がり、眼を閉じた
「良い夢を……アリス」
そして俺は暗闇に堕ちていった
俺は息苦しさを覚え、お腹の上に重みを感じたので眼を開けた
「……!?///」
「すぅ…すぅ…」
アリスが俺の上で抱きつきながら静かに寝息を立てていた
何故俺の上で寝ているんだ!?普通は腕に抱き着くとかじゃないのか?
それに俺も男であって
朝?かどうかは分からないが
ある一部分は元気になっている訳で……
「ぅん~……」スリスリ
「!!?///」
ヤバい!!これ以上はマズイ!理性が抑えきれないかも!?
俺はアリスの太ももとお尻の間に左手を置き、右手は首に起きながらも頭を支える感じにしてゆっくりと右隣に回転していった
少し!後少しだ!
「……」パチッ
「……」ダラダラ
何故か冷や汗が止まらない
俺は何もやましい事なんて……
左手はお尻辺り。
右手は首辺り。
顔は超接近。
ふぅ…………
アウトか……
「主君」
「は、はい!?」
「私は身体が小さいですけど
きっと満足行くように///」
「だぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~!!!!!??俺は変態じゃなぁぁぁぁぁぁぁぁい!!?」
俺はアリスに被害が無いように柔らかく手を話し、勢いよくベッドから出た
「主君」
「……」
「その………大きかったです」
「だぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
俺は今日1日、心が立ち上がる事は無かった
見た目は少女、中身は長年生きてきた淑女。
てんやわんやの二人ですね。