表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

第143.5話「ポン吉の家出改」

「ここのごはん、すげーうまいから、ここに家出する事にしたんだぜ」

「それ、ミコちゃんに言ったら喜ぶよ、泊めてくれるよ」

「わーい!」

「そうだ、お泊りするなら、シロちゃんに接近するチャンスかも!」

「!!」


 レッドが嬉しそうに帰って来ます。

 ポン吉と一緒なんですよ。

「ただいま~!」

「来てやったぜ!」

 わたし、ジト目でポン吉を見るんです。

 ポン吉はニコニコ笑ってスルーですね。

「ほら、レッド、おやつするから、手を洗って来るんですよ」

「は~い」

 って、レッドは行っちゃいました。

 さて、ポン吉とわたしだけになりましたよ。

「ねぇねぇ、レッドをダシに来たんだよね」

「だぜ」

「だぜ……じゃないでしょー!」

「なんだよ、オレが来たらダメなのかよ!」

「ダメってわけじゃないけど……」

「なんだよ」

「面倒くさそう」

「ポン姉の方がずっと面倒くさいじゃねーかっ!」

 ふふ、言いましたね。

 わたし、瞬時にポン吉のしっぽをつかんで「しっぽブラーンの刑」執行するの。

「どうだー!」

「ギャー! しっぽちぎれるーっ!」

「死ねしねーっ!」

 ポン吉涙目でわたしをにらんでいるの。

「なんだよ、ポン姉のバカ」

「だってポン吉が来るとおやつのプリンが食べれないかもー!」

「え、それでオレを折檻したの?」

「うふふ、もっとやってほしい?」

「うえ……」

 ポン吉、ジト目でわたしを見ながら、

「この間、家出したらミコ姉が怒ってたろ」

「ですね」

「だから、家出はしない事にしたんだ」

「いい心がけです」

「でも、ここにお泊りに来る事にしたんだ」

「な、なぜ?」

「アニキがうるせーんだよ、勉強しろしろって」

 ポン吉、学校で寝て遊んで食べてばっかりなんだから、きっとポン太の言う通り勉強した方がいいですよ。

「だからたまに家出して、オレのありがたみをわからせるんだっ!」

「ポン吉、家でなにかやってるの?」

「ごはんを食べて、テレビを見て、お風呂に入って、そして寝る」

「えっと、洗い物をやったり、洗濯物をたたんだりしないの?」

「洗い物はばあちゃんがやってくれるぜ」

「……」

「洗濯物をとりこむのは、アニキがやってくれるぜ」

「じゃぁ、ポン太はほかになにをやってます?」

「うーん、ごはん作ったり、ごはんの後片付けやったり」

「ポン吉、なにか手伝おうとか思わないんです?」

「え? だってアニキがやってくれるし、ばあちゃんもやってくれるぜ」

「……」

「オレ、手を出すところないじゃん」

「手伝おうって気持ちがかけらもないんですね」

「だってオレ、子供だぜ」

「だったら家出しても、グータラが減って清々するかも」

「オレだってあぶらあげを『ジュッ』ってやるんだぜ」

「それ……気分がいい時だけですよね」

「うえ……」

「本当、気分屋さんですね」

「だってオレ、子供だもん」

 ふう、なんだか説教する気も失せました。

 わたしを怒った目でジッと見ているポン吉。

 でも、すぐにニコニコ顔になると、

「ここのごはん、すげーうまいから、ここに家出する事にしたんだぜ」

「それ、ミコちゃんに言ったら喜ぶよ、泊めてくれるよ」

「わーい!」

「そうだ、お泊りするなら、シロちゃんに接近するチャンスかも!」

「!!」

 途端に耳まで真っ赤になるポン吉、わかり易いですね~

「言われるまですっかり忘れてたぜ」

「ふふ、アタックするチャンスですよ」

「うう……ポン姉に感謝だぜ、オレ、今日、シロ姉に告白するぜ」

「まぁ、せいぜい頑張ってください」


 そして夕飯……なんとポン吉、シロちゃんの隣に座りました。

「えへへ、ミコ姉のゴハン超うまい」

「あらあら、うれしいわ」

「えへへ、シロ姉、醤油を取って!」

「ポン吉、これにかけるでありますか?」

 シロちゃん、ポン吉のホウレンソウのおひたしに醤油をかけてあげます。

 おお、なんだかすごい仲がよく見えるの。

 こ、これは!

 この調子でポン吉はシロちゃんに迫っちゃうのかもしれませんよ!

「ほっぺに醤油がついているであります」

 シロちゃん、ハンカチ出してポン吉のほっぺを拭いたりしてます。

 今までニコニコしているだけだったポン吉。

 途端に真っ赤になっちゃうの。


 それからのポン吉はグダグダでした。

 お風呂はレッドとみどりと一緒に入ってたし……

 TVはわたしと並んで見てたし……

 ああ、そして今や、レッドとみどりと一緒のお布団に入っちゃいました。

 って、レッドとみどりが寝息をたてた頃になってごそごそ起きて来ると、リビングを見回してから、

「ポン姉ポン姉、オレ、どうしたらいいと思う?」

「えっと、どうしたいんですか?」

「それは、シロ姉ともっと仲良くなりたいに決まってるじゃんか」

「じゃあ、シロちゃんの布団で一緒したらどーですか」

 って、途端に頭上にキノコ雲をこさえるポン吉。

 わたしがニヤニヤして見ているのに気付くと、

「オレ、コン姉に相談して来る」

 って、コンちゃんの部屋の方に行きました。

 なんでコンちゃんの方に行くかな?

 シロちゃんの方に行くべきでしょ!

 本当にダメな仔タヌキですね、まったくモウ。


はい、これにて「おまけ」おしまいです!

みなさん、ぜひぜひ「いいね」を押してね!

アクセス、たくさんだと、つづきもすぐに公開なんですよ~

ではではみなさ~ん

また会う日までっっ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ