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赤い夕焼けの空  作者: 重量チェッカー
5/13

ページ5

フラフラッ…


「お腹空いた…」


疲れ切ったトニーや他の男達


ここへ連れてこられて

何ヶ月が経っただろうか


筋肉質で大柄だった

トニーの父は痩せ細り

元々あまり話はしない方だったが

今では全然喋らなくなった


トニーも父から

食事を分けてもらっているとはいえ

育ち盛り

足りるわけがない

ましてやこんな重労働だ


一ヶ月毎に

税金を払えない人達が連れてこられ

この生活に加わる

自分達よりも先に居た

人達は黒く痩せ細り

作業中の事故に病気や飢えで

倒れていった

トニーや父、同じ時にここに来た人達は

そのうちに 自分達が同じ様に

倒れていくんだと悟った


「おーい!!大変だ!!絹工場で女達が!」


それを聞き

また看守が女達に暴力を振るったと思い

工場へ走るトニー達


駆けつけると

工場で看守が一人の女性に必要以上に触れた事から口論となり

看守が腹いせにその女性に警棒で暴力を振るったようだ


「やめて!」


女は叫びが看守は暴力をやめない

しだいに女の悲鳴は断末魔になり

周りの女達は震えて助けれなかった

しかしそんな中

一人の女性が前に現れて


「やめなさい!」


勇気を出して

看守の前に出てきたのは

なんとトニーの母だった


「なんだ〜貴様は、貴様もこの女の様に

殴られたいらしいなぁ」


男は少し気がおかしくなっていた

トニーの母へ近づく看守

その時


「おい!」


!!?


トニー達は絹工場へ辿り着き

ボロボロの女性と殴られそうになっていた

トニーの母を見た男達は

物凄い形相でその看守へ向かった

看守は物怖じした


しかし


ガチャ


「おらぁ〜!」


看守が腰から拳銃を取り出し

なんと拳銃をトニーの母の頭につきつけた


「くそ!」


男達は足を止めて

なすすべがない


「か、母さんー!」


母を呼ぶトニー


「や、やめろー!!」


父は看守にやめる様呼びかけるが

看守は気が狂っていた


「ひ、ひ、ひひ」


バンッ!

一発の銃声

その銃弾は悲惨にもトニーの母の頭を貫き

母は息子トニーの前で

無残にも倒れた


ズサンッ


倒れた母から血が溢れて出る


「う、嘘だろ!?」


男達は動揺した


「か、母さん?」


母を呼ぶトニー

しかし返答はない

膝から崩れたトニー

少しずつ

倒れた母へ近づく


「おい!ガキィー!それ以上近づくなぁー!」


こんどは拳銃をトニーに向ける看守

すると父がダッシュで看守へ走り出す


!!?


強烈な拳を看守の顔面にお見舞する

ガッ!

ガッシャーン!!

男は後ろへ倒れこみ

機材に激突

その瞬間

男達は看守を抑えに走る


「コイツを抑えろ」


男達が看守の男を抑えている時


トニーと父は

母の前へ


「母さん、母さん」


トニーはただ泣くだけだった


父は母を強く抱きしめ

目を閉じた


そんな時

ダンッダンッ

2発の銃声が工場内に轟く

皆が振り向くと

大勢の看守達が騒動を聞きつけて来たのだ


「貴様ら…なんだこれは?」


すると一人の男性が説明しだした


「こいつが、こいつが女性に暴力を振るって!たすけようとした女性に拳銃を撃ったんだ!」


しかし看守は冷静に


「そんな事は聞いてない、なぜ男のお前達がここにいるか聞いているのだ、作業はどうしたんだ」


「お、俺達は騒ぎを聞いて来たんだ」


「作業を放棄して…貴様ら 罰として今日はメシ抜きだ」


「な、何を言ってるんだ 一人撃たれたんだぞ!?」


「関係ないな 俺達は作業を循環に行わせるだけだ 一人倒れた所で関係ない

おい!そこの!いつまで死体の側にいるつもりだ!早く離れて作業へ戻れ!」


すると男達は


「もう限界だ!!」


「ここから逃げ出すんだ!」


「奴らに痛い目を!」


すると周りの男達は頷き

看守達を囲んだ


「な、お、お前達 なんのつもりだ!?」


「くたばれ!」


看守達を襲う男達

看守達も拳銃で応戦する

バンッバンッ

倒れるのは男達の方が多かったが

人数では圧倒だった為、看守達を倒した


「よし!脱走だ!」


「おい!女共も逃げろ!」


わぁ〜!!

きゃ〜!!


工場からもの凄い勢いで飛び出す

外で他の作業していた者達は

何が起きたか分からない


「おい!脱走するぞ!」


工場から飛び出してきた者達が叫ぶ

するとこの時を待っていたと

周りにいた看守達を襲う

どんどん脱走者達を増やし

他の工場で作業していた

女達も逃す


「みんな!地上へ出るんだ!」


ズダダダダダッ

地上へ出るため

階段を駆け上がる


トニーは父に手を強く引かれ

階段を上る


長い間 日を見なかった為

目を開けれないトニー


「眩しい!」


地上へ出た

トニーと父

そして脱走者達

地上へ出た脱走者達はバラバラへ走って逃げ


バンッ バンッ!

銃声が鳴った

国の警備隊が脱走騒動を聞きつけ

応援に駆けつけたのだ


「逃げるな奴隷共!」


皆 全力で走る

バンッバンッ

撃たれて倒れていく

トニーと父は上手く逃げ切った

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