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赤い夕焼けの空  作者: 重量チェッカー
3/13

ページ3

パカパカ

馬車に乗せられどこかへと

連れて行かれるトニー達

パカパカッ


「どぉーどぉー」


ブルルンッ

馬車が止まった


「おい!降りろ!」


トニー達は馬車から降りる

暗い洞窟のような場所に入るように指示された


「ここに入れ!」


「なに ここ?」


人々は困惑していた


「早く入らんか!」


洞窟に入ると

先が見えないほど長い下り階段があった

階段を下りていくトニー達


「怖いよ」


「大丈夫 大丈夫」


怯えるトニーを自分の側へ

引っ張る母

しかしトニーは気付いた

大丈夫と言う母も少し震えていた

この暗くて長い階段

そしてこれからどうなるのかわからない不安と恐怖で

ポンッ

そんな二人の肩を持ち

自分の方へ寄せる父

父のたくましい体に

ほっとするトニーと母だった


しばらく進む一行

すると光が見えた

なんとこの地下には

たくさんの人達が生活していたのだ

なにやら忙しそうに走り回る

ボロボロの作業服姿の人達

こちらをチラッとみると

すぐに目を逸らした


地下の広場に着くと

すぐに男女別に分けられた


「右側に男!左側には女だ!」


「えっ、どういうこと?」


戸惑う人々


「早くせんか!」


言われるがまま別れる男女


「あなた…」


「大丈夫だ トニーはまかせろ」


「嫌だ、母さんと離れるなんて嫌だよ」


もたついている家族には

看守が

無理やり引き離す

トニー家族も強引に引き離された

母と引き離されたトニー


「母さん!母さん!」


トニーは叫ぶ

しかし男女別々の場所へ移動し

母の姿を見失うトニー

そして看守により着ていた服とズボンを

大きなハサミで切られたのだ


「ひっ!」


大きなハサミを見たトニーは怯えた


ジョキジョキ


パンツ一丁になったトニーと父と男達

作業服と番号札を流れ作業の様に配られた


「よーし この小汚いくそ野郎共

この作業服を着るんだ!」


作業服を着るように指示され

服を着る一同

そして一人の看守が説明をした


「えー、これから君達はこの地下で生活してもらう、税金も払えないクズ共よ この国に奉仕せよ!」


どよめく一同

すると一人の太った中年男性が


「あの、ちょっといいですか?」


「質問等は聞かんのだが…なんだ?」


「僕達はどうなるんですか?元の生活に戻れるんですか?」


「ふん、貴様らクズ共はもう二度と地上へ戻る事はないだろう」


「そ、そんな」


膝から崩れる太った中年男性

すると次に若い男が


「休憩時間と食事の時間って何時にありますか?」


「貴様 なめているな」


看守はその若い男性を

腰に付けていた警棒で殴打した


バシッバシッバシッ

バンッバンッバンッ

グシャグシャグシャ


トニーは殴られている男性から大量の血が出ているの

見れなくなり両手で目をふさいだ

殴打された男性は血まみれになり

担架で運ばれていった


「舐めた口を聞いたりすればこの様になるので覚えておけ」


一同は怯えた


「そこの掲示板に作業場所ごとに番号が書いてある

さっき配った番号札にも番号が書いてある

それぞれ自分の番号と同じ番号が書いた場所に行き作業を行うこと!」


トニーは困惑した


「えっ どういうこと?」


「トニー お前は父さんと同じ場所だよ」


「父さんと同じなんだね よかった」


「いくぞトニー 早くしないと怒られる」


トニーは父は作業場へ向かった

鉄工の作業だ

子供でも容赦なく重い物を持たされる

地上で働いていた時と違い

作業に時間がかかっていると


「そこのガキ!さっさと運べ!」


バシンッ!

見張りの看守に鞭で背中を叩かれる

トニーは何度も背中を叩かれ悲鳴をあげる


バシンッ!バシンッ!


「う、あがぁ!」


その姿を見た父はトニーの元へ駆けつける


「すみません まだ子供なんで!」


父が庇う


「子供だろうと関係ない 使えない奴は

引っ叩くだけだ!」


「私が2人分のスピードで仕事しますので どうか…」


「じゃあ さっさと運べ!」


「はい」


父がトニーを庇い

重労働は全て父が受け継いだ


「父さん、ごめん」


「いいから 作業に戻れ でないとまた殴られるぞ」


「う、うん」


トニーは重い物が持てない自分を責めた

その代わりに軽作業は父の分まで必死にした

そしてトニーは

今までした事もない程の長い時間働いた


ピリリリリッ

チャイムが鳴る

作業終わりの合図のチャイムだ


「本日の作業は終わりだ!皆 さっさとメシを食って決められた檻に入る様に!」


作業を終えると2人は疲れ果てていた


「大丈夫か トニー?」


「う…うん」


トニーは辛かったが

自分の分まで重労働をしてくれている

父の為に嘘をつき 平気だと答えた


「さぁ メシだ 行こう」


地下内にある食堂へ向かった


トニーはお腹がペコペコだ

食堂で夕飯が配られた

オボンを持ち 順番に並んだ

そして


カビの生えたパンが1つ

細い痩せた焼き魚

具の無い冷たいスープ

一杯の水

これしか配られなかった

しかしトニーはあまりにお腹が空いていたのか貪り食べた


トニーは食べながら涙を出し


お母さんのオニオンスープが飲みたい


と思うトニーだった


スッ

父が自分の分のパンをトニーの皿に置いた


「食え トニー…」


「えっ でも父さんの分…」


「父さん あんまりお腹空いてないんだ

だから食え」


嘘を言っている事を分かっていたトニーだったがそのくれたパンをかじった


2人は食事を終えると

檻へ入れられた

複数人同じ檻へ入れられた


「消灯〜」


看守はそう叫び

暗かった電気が消え

地下は真っ暗に


トニーは隅っこで寝転んだ

父はそのトニーを守る様に横に寝転び

片手をトニーに被せた


「ゴメンな トニー…」


そう言い

父は眠った

疲れていたのだろう


トニーは考えていた


母は無事なのか


今日父に迷惑をかけてしまった

明日も足を引っ張るだろうと


自分達はこの先どうなるのだろうかと


そしてまた家族3人で元の生活に戻れないのかということを


ウトウトッ


しかしトニーも疲れていた


知らない間に寝てしまっていた

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