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魔法解放少年  作者: 雅弥 華蓮
第5章 bygone
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0 舞式の兄妹

 司闇一族に正体がバレた亮夜と夜美。

 二人は、司闇一族に駆け引きをしかけ、自分たちの狙い通りに動かす。

 その結果、司闇の屋敷へ潜入することに成功した。

 だが、父・呂絶の取引に激怒した亮夜は魔力暴走現象を引き起こし、大パニックに。

 学校を破壊しつつも、何とか騒動を終えた亮夜と夜美は、舞式家の自宅に帰還したのだった。

 午後になった少し後、亮夜と夜美は、家に到着した。

 亮夜も夜美も多くの意味でクタクタであった。

 亮夜の起こした魔力暴走現象による、多大な魔力の暴走。夜美が亮夜を止めるために放った、大量の魔力の制御。そして、溢れすぎた亮夜の魔力が暴走したことによる、大爆発。

 これだけのことが起きて、まだ普通に生活出来ている点は、異常なのかもしれない。

 それでも、一刻も早く、二人とも休みたかった。

 破損した装備も含めて、簡易的な置き場に投げ捨てた後、リラックスした服装に着替える。

 二人でテキパキ昼食を作り、さっさと食べる。

 休息に適したソファに二人並んで腰かけて、亮夜と夜美は大きく息を吐いた。

「お疲れ様、夜美」

「お疲れ様、お兄ちゃん。ホント疲れたー」

「僕もすぐ寝たいけど、安易に生活リズム崩すわけにはいかないしね」

 亮夜が本気で休みたがっているのを見て、夜美は違和感を覚えた。

「あれ、珍しく反省とかしないんだ?」

 夜美の知っている亮夜なら、今回の件を纏めて、自分と相談をするはずだ。

「勿論、するけど、今は休息をとる方が先だ。まだ思考が不安定だから・・・」

「あ、そっか・・・」

 理由としては納得のいくものだ。むしろ、ばたんきゅーとか起こしていないだけ、亮夜のタフさに感心していた。

「まさか、あんなことを言われるとはね。思ったより好感触だったのは驚いた」

「意外だったよね。あたしはともかく、お兄ちゃんは・・・」

「・・・そうだね。あの時が、夢のように感じる・・・」

 6年前。

 亮夜と夜美が司闇の屋敷にいた頃のことだった。

 亮夜はことごとく見下され、一度は死んだことにされた。

 それを、夜美が助けて、今の状況に至っている。

「違うよ。お兄ちゃんを選んだのは、まぎれもない現実。そして、今、こうして生きているのも現実だよ。そして、あの人たちがお兄ちゃんを見下しているのも現実・・・!」

「夜美・・・」

 妹が、何を思っているのかは、亮夜には大体察しがついた。それが分かっているから、亮夜の制止もごく僅かであった。

「あ、ごめんね。心を落ち着けないと」

 しかし、夜美には効いていたようだった。

 もう一度、お互いに心を落ち着けて、リラックスした雰囲気が流れる。

「今なら、少しは思い出せるよ。6年前の、目を背けてはいけない現実を・・・」

 亮夜が静かに呟く。

 夜美は、6年前に、兄がどのような仕打ちを受けたかを知っている。

 知っているから、亮夜を心配する。

「ありがとう、夜美。でも、もう逃げない。これが、僕たちに課せられた宿命だから」

 亮夜はそう認識している。

 その点は、夜美も同じであった。

 二人の意識は、6年前に遡る__。

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