第3話「新たな生活」
雪乃「、、、、、。」
レイ「、、、、、。」
雪乃「、、、、いやあの、、、なんでここにいるんですか?」
レイ「なんとなく。」
雪乃「、、、えぇ、、、(困惑)。、、、じゃあいつからここに?」
レイ「お前が起きる一時間前。」
雪乃「、、、はい?え、一時間も何してたんですか!?」
レイ「お前が起きるのを待ってた。」
雪乃「いや普通に起こしてくださいよ。」
何故、こんな会話をしているのかというと、
目が覚めたら、隣にレイさんがいた。
ただ、それだけ。
しかも、寝そべって、私の顔をじっと見ていたという。
はっきり言って、すごく恥ずかしい。
雪乃「あの、レイさん。」
レイ「なんだ?」
雪乃「、、、恥ずかしいんで、少し離れてくれませんか、、、?」
レイ「、、、わかった。」
そう言うとレイさんは、ベッドから降りた。
私も起き上がって、窓の外を見る。
雲1つない青空。
雪乃「今日はいい天気ですね。」
レイ「そうだな。」
私は、レイさんのいる方へ振り返った。
レイさんは片手に綺麗にたたまれた服を持っていた。
レイ「良かったらこの服を使え。」
雪乃「あ、ありがとうございます。」
レイ「着替えたら下に来い。朝食を用意しておくから。」
雪乃「本当に色々とありがとうございます。着替えたら行きますね。」
レイ「あぁ。」
部屋を出ていくレイさん。
私はそれを見送った後、渡された服を広げた。
その服は、真っ青なワンピースだった。
雪乃「、、、綺麗なワンピース、、、。着るのがもったいない、、、。」
私は、少しそのワンピースを眺めた。
けれど、いつまでも着替えない訳にはいかないので、着替え始めるのだった。
レイ「、、、こんなもんでいいか。」
あれからオレは朝食の準備をしていた。
朝はそんなに食べないだろうと思い、少し少なめに盛り付ける。
レイ「まぁ、あいつが朝弱いのならこれくらいがちょうどいい量のはずだが、、、。」
そんなことを呟いていると、、、。
??「おーっすおはよう!」
ドアが開くと同時にいつも聞いている馴染み深い声が舞い込んできた。
レイ「朝っぱらからやかましい奴だな。」
??「あいさつは大事だからな!」
レイ「あーはいはい」
??「お前もあいさつぐらいしようぜ?」
レイ「そんなもの何の得があるんだ?」
??「発声練習!」
レイ「それはお前だけだろう。」
と、話していると、、、。
雪乃「レイさん。お待たせしました。って、、、え?」
??「、、、は?」
レイ「あぁ、ちょうど今出来た所だ。、、、どうした?二人とも。」
ガシッ!
肩を掴まれる。
??「おおおおお前!この子誰だよ!まさか、、、さらってきたのか!?さらってきたんだな!?この馬鹿野郎!今すぐ元の場所に戻してこい!お前いくらこの子が可愛かったからってさらうのはまずいだろ!」
レイ「おい、話を、、、。」
??「御託はいいからさっさと返してこい!」
レイ「いや、だから、、、。」
??「もういいオレが返してくる!」
レイ「(イラッ!)」
ヒュンッ!(包丁を投げる音)
グサァ!(包丁が頭にヒットした音)
??「だぁぁぁぁぁぁ!!」
雪乃「えぇぇぇぇぇぇ!?」
~数分後~
??「お前は馬鹿か!後少し深く刺さってたら眠ってたわ!」
レイ「お前が話を聞かないからだろ。」
雪乃「そもそもなんで死なないんですか!?」
??「そもそも人に包丁を投げんな!!」
~事情説明中~
??「、、、なーほどな。それ絶対マナだろ。」
レイ「あぁ、昨日実際に聞いた。心当たりあるんだとさ。」
??「いやぁ、それにしてもまさかそんな事情があったとはな。騒がせて悪かったな。えーっと、、、雪乃ちゃん?」
雪乃「あ、いえ、、、大丈夫です。むしろ貴方が心配です。」
??「ははは!心配ご無用!すぐ治るからな!」
雪乃「は、はぁ、、、。」
??「そういやぁまだオレの名前言ってなかったな。オレは「カイト」よろしくな!」
雪乃「あ、はい、、、よろしくお願いします、、、。」
私がこの人に会って、まず思うことは、、、。
「ある意味最悪な出会い、、、。」
ということだけである。
レイ「、、、で、こっちに来るまでに早くても
2ヶ月だそうだ。、、、本当にすまないな。」
雪乃「いえ!そんな謝らないでください!謝るのは私の方ですから、、、。」
そう。私があの時もっと気をつけていれば、レイさんにも迷惑をかけずに済んだのに。
カイト「まぁそんな暗くなんなって!本当に悪いのはマナだから!あいつよくそういうのでレイにボコボコにされてるから!」
雪乃「え、その人、聞く限りでは女性の方、、、ですよね?レイさんダメですよ女性を殴ったりしては。」
レイ「あいつは例外。」
カイト「こいつもよく実験台にされるからもう遅いんだよな、、、。」
雪乃「あ、、、それは自業自得ですね、、、。」
カイト「後あいつは、、、どんなときでも下ネタぶっぱなすからなぁ(笑)」
雪乃「えぇ、、、(汗)」
なんだか色々とすごい女性だな。と私は思った。
、、、それにしても、、、。
雪乃「美味しい、、、。」
本当に美味しい。
こんなに美味しい朝食は食べたことがない。
雪乃「レイさんって料理が得意なんですか?」
レイ「うん?いや、そうでもないが?」
カイト「美味いだろ?こいつの料理。」
雪乃「はい。」
そう言って、料理をぱくぱく口に運ぶ。
あっという間に、お皿が空っぽになってしまった。
雪乃「ごちそうさまでした。」
レイ「量はこのくらいで良かったか?」
雪乃「あ、はい。ちょうど良かったです。」
レイ「ん、わかった。ならこれからもそうする。」
雪乃「え、これからも?」
レイ「あぁ。マナが来るまでの2ヶ月間、ここで過ごしてもらう。」
雪乃「でも、迷惑なんじゃ、、、。」
レイ「もとはといえばお前に迷惑をかけているのはマナやオレ達だ。まぁ、2ヶ月間だけだ。我慢してくれないか?」
雪乃「、、、わかりました。でも、ただ過ごさせてもらうだけでは私としても少し申し訳ないので、家事などをやらせてください。」
レイ「、、、わかった。」
カイト「んじゃあ、これからよろしくな!雪乃ちゃん!」
第3話 終
そして、ここから新たな生活が始まる。
雪乃はこの世界で何を体験し、何を思うのか。
次回もお楽しみに!