王城に連れて行かれるようです
宿を探す前にやることがある。それは、
「………金を稼がないといけないな。」
俺はそう思い、真っ先に向かった場所は、冒険者ギルドだった。冒険者ギルドはゲーム時代の時、金を稼ぐ場所としては最も効率のいい場所だ。冒険者ギルドの建物の中に入った俺はすぐにカウンターに向かった。
「すまないが、魔物の素材の買取はできるか?」
「はい、ギルドに登録していない方でも買取は行っていますよ。」
「なら、この素材を買い取ってもらいたい。」
出した素材は、
「あの、これって、いったい何のモンスターですか?」
「クラーケンの心臓、邪龍の暗黒玉、不死鳥の血だ。」
「………冗談ですよね?」
「鑑定でも何でもかけてみていいぞ。」
「で、では、『鑑定』………嘘…」
「いくらで買い取ってもらえる?」
そういうと、受付嬢が慌てたように、
「す、少し待っててください!」
受付嬢が奥の部屋に入って行ってから、少し経つと、
「…本物のようですね。」
エルフの女性が受付嬢とともに出てきた。
「名前を聞いても?」
「フェイズだ。」
「………本名を聴いているのだけど?」
「本名を言っているのだが。」
「じゃあ、調べさせてもらうわよ。『解析』。」
『解析』を使ったエルフの女性は俺のステータスを見て、固まった。
「冗談でしょ。本物なの?」
「本物という意味がよくわからないのだが、俺はフェイズだ。間違いはないぞ。」
「そう、生きていたのね。でも、人間のあなたがどうして長い年月を生きられるの?」
長い年月?どういうことだ?そういえば、さっきの門番のときも三百年がどうとか、言ってたような?
「俺はまだ、十七だぞ。長い年月と言われるほど生きてはいないぞ。」
「ちょっと待って、十七?それは本当のことなの?」
「勿論だ。嘘をつく理由がない。」
「一つ聞かせて、あなたが最後に倒したモンスターは何?」
「神殺しの悪魔だが、そういえば、あいつには名前がついていなかったな。」
「ねぇ、神殺しの悪魔を倒したときに剥ぎ取った素材を見せてくれない?」
「あぁ、いいぞ。」
俺は素材を取り出し、エルフの女性に見せると、
「本当にあったのね。これがあの、神殺しの悪魔。」
「なぁ、いい加減にしてくれないか。俺が一体何をしたというんだ?」
俺がそういったが、
「エリー、通信石で王城に伝えて、影の暗殺者が生きていたことを。」
「は、はい!」
「フェイズさん、今から王城に向かいます。」
「ちょっと待て、いったいどういうことだ?」
「説明は移動中にさせてもらいます。着いてきてください。」
俺はエルフの女性に王城に連れて行かれることとなった。