詐欺にあいました
一週間後
「では、ポーションを見せてください。」
「ほら、これでいいか?」
そういって、渡すと、
「………はい、これでいいですよ。」
「なら、三百本ほど用意してあるから持っていけ。」
「では、下級ポーション「ちょっと待て。」なんですか?」
「お前たちは知らないと思うが、そのポーションの本当の名前を先に教えておく。」
セリア達は驚いたような顔をするも、
「では、その本当の名前を教えてください。」
「そのポーションは最底辺のポーションという名前だ。」
「…嘘ですよね?」
「いや、本当だ。鑑定用の道具を使ったらそういう名前が出たぞ。」
「まぁ、この際どうでもいいです。この話は私の心の中にしまっておきますから。では、話しを戻させてもらいます。下級ポーション一本の値段銀貨五枚、三百本で金貨十五枚です。」
俺は金貨の入った袋を受け取り、マジックバッグにしまう。
「では、また一週間後に来ます。」
「あぁ…え?今なんて言った?」
俺は耳を疑った。こいつは一週間後に来るといった。ということは、これからも商売を続けなければいけないのか?
「おい、一回だけの取引じゃないのか?」
「何を言っているのですか?あの契約書にも二年間、ともに商売をすると書いていましたよ。」
「契約書を見せろ。」
俺は契約書を奪うようにとると、一文一文じっくりと読む。契約書の一番下に小さく文字が書かれている。内容は
二年間、ともに商売をする。
そう書かれていた。
「………これは詐欺じゃないのか?」
「契約書にしっかりと書いてあるはずですよ。ということで、一週間後にまた来ます。ついでに、町の冒険者たちにこの店の品ぞろえが変わったことも言っておきます。それでは!」
セリアはそういうと、俺が出したポーションを自分の鞄に詰め込み、馬に乗って、姉とともに帰っていった。
「………今度からはもう少し頭を使おう。」
俺に新しく教訓ができてしまった。
さて、ここで俺に問題が生じた。問題とは、
「ポーションの素材がない………仕方がない。また採りに行こう。…待てよ。俺は契約書になんて書いた?…宣伝を頼む以外書いてなかった………」
俺は本当に仕方なく、森の中に入る。この程度の森であれば、俺にとっては危険ではないので私服姿で探索できるのだ。
ポーションの素材採取を始めて約二時間経過したときだった。
「ん?この気配はいったい?」
今まで感じたこともないような気配が突然どこからともなく現れたので、気配がする場所に向かうと、
「こ、ここはいったい?」
黒髪黒目の学生服を着た女の子がいた………どう見ても日本人じゃねぇか…