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とある自宅警備員の日常  作者: 布滝
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第2話 菓子を買う時は甘いものとじゃがいもをセットにすればおいしく食べられる

我輩はニートである。名前は村山透。別に最後に水没オチをつけたかったわけではないが、非常に疲れていて、セルフツッコミをするのすら面倒臭いのである。じゃあボケんな。ああ、またセルフツッコミしてしまった。こんなことになったのも、俺が買い出しに行ってしまったからだ。

そう。あれは、腹も適度に減って、家に菓子類が無かったので、近くのスーパーに行って時の事である。当たり前だが大抵コンビニよりもスーパーの方が菓子類は安い。養ってもらっている側として、少しでも娯楽や菓子にかける金を少なくするのがニートの務めだと俺は思っている。まあその浮いた分、課金に費やしている訳だが。

一通り菓子類を選び、最後に切れかけていた洗濯用洗剤を取ると、即レジへ向かった。ここでポイントなのは菓子類の選び方である。じゃがいもを薄切りにして、油で揚げたものだけだと、食べているうちに甘いものが欲しくなってしまう。そこで、チョコ等を予め買っておくと、後で甘いもの食べたいけど家から出たくないという悩みを解消できるのである。しかし、迂闊にもアニメが始まる時間帯を忘れていて、録画はしているものの、リアルタイムで見ることによって、SNSでネタバレを防ぎたいという思いが、この面倒臭いことに巻き込まれる原因になったのだ。

精算が終わり、犯行現場から離れる犯人のような早歩きで出口まで行くと、勢い余ってカートを戻している人にぶつかってしまった。


「すいません。こちらの不注意です」


「大丈夫です。そちらこそ怪我はございませんか?」


俺がぶつかった人を心配したのは、その人がとてつもなく可愛かったからである。正直可愛過ぎて、何だか懐に危ない物を隠していそうなおじさんが出てくるかと思った。しかしながら急いでいるので、軽く会釈してこの場を去った。その時点ではまだ、思いもよらなかったのだ。まさか、そのぶつかった美少女が男の娘だったとは。

家に帰り、アニメを見終えて余韻に浸っていると、チャイムがなった。またあいつかと思い素早くドアを開けると、そこには先程ぶつかった人がいた。


「何かご用ですか?」


「あの……さっきぶつかった時に落とし物をしていたので……」


それで届けに来てくれたのか。さすが美少女は優しいと思っていると、その人の後ろから激しく既視感のある奴が出てきた。


「やっほー!」


「どちら様でしょうか?」


「ひどい!私の顔を忘れたの!?」


知らない不審者は放っておくことにして、落とし物を受け取ろうとすると、そんな物はないと言われた。なんなんだ。落とし物届けに来たのではなかったのか。とはいえ、騙された相手は美少女。たいして傷付きはしない。ならば何の用なのか。


「落とし物を口実に相談しに来ましたー」


その疑問を解決したのはあろうことか美少女さんではなく、黒幕だった。こいつがいなければ俺は美少女に騙されなかったのか。


「それで、相談って何だ?」


「本人の口から聞いた方がいいんじゃないかな」


そんな言葉を受けて、俺が美少女の方に目を向けると、美少女は実にわかりやすい悩みを吐露してくれた。


「実は私……男なんです……」


訂正。美少女ではなかったようた。可愛いのに変わりはないが。

もう少し続きます。

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