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とある自宅警備員の日常  作者: 布滝
13/33

第13話 相川は真面目だったり不真面目だったりする。

とても短いです

 相川はこう言った。

「君は知らないだろうけど、君が高校生だった頃の同級生が君のせいで事故に遭ったんだよ」

「なんでだよ?俺は同級生を轢いた覚えはないぞ」

「そうだろうね。別に君が加害者というわけではないもん」

いきなりこいつは何を言い出すんだ?俺のせいで事故に遭った奴がいるだと?当然だが俺に心当たりは微塵もない。なんなら、前世にやったことくらい心当たりがない。転生なんてシステムがあればの話だが。大体、もしそうだとして悪いのは前世の俺だ。文句を言うなら前世の俺にして欲しい、なんて下らない考えを思い浮かべていると、相川が俺の顔を覗きこんできた。その顔は心なしか怒っているようにも見える。というか怒っている。いつも笑顔かそうでなくとも微笑みを浮かべている相川にしては珍しい、わりかしシリアスな顔だ。そもそも、こいつが滅多に怒らないのは、優しいという訳ではなく単に笑顔でじわじわ追い詰めようとするからである。そんな相川が切羽詰まった表情をするということは、余程真面目な話なのだろう。知ったことではないが。

「聞いてる?私の話」

「いや、聞いてなかった。そして聞く気なんてない」

「ふざけないで。わかってると思うけど、私も真面目なんだよ」

「わかったよ。話を聞く」

相川に思わず気圧されて、俺は話を聞くことを了承してしまった。いや、これは決して相川に屈したわけではないのだ。俺は持ち前の優しさをいかして相川の話を聞くことにしただけなのだ。そう、だから決して相川にいやなんでもないですごめんなさい、さすがにこれ以上下らないことを考えて相川の話を無視するようだと、就職させられてしまう。俺が職についていないのは、俺が働くとその職場の人達に迷惑がかかるかもしれないからなのだ。だから、俺は働かない。そして、俺は働くてもいいように相川の話を聞く。それでいいはずだ。

お読みいただきありがとうございました。

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