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とある自宅警備員の日常  作者: 布滝
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第10話 皮肉屋の手も借りたい

ぜひともお読みくださいませ。

 三人寄れば文殊の知恵という諺をご存知だろうか。三人集まれば、一人では出来なかったことが出来るようになるとかならないとか、確かそんな意味合いだったはずだ。それに、三本の矢の話だってある。こちらは、一本では容易く折れてしまう矢だが、三本集めれば途端に強固になる、という内容だっただろう。とにかく何が言いたいかと言うと、俺はこれから躊躇いなく他人を頼るということである。別に、俺には一人狼のような気質はないので群れるのは大歓迎だし、むしろぼっちだったりすると周囲からの視線に耐えることが出来ず、正気度が物凄い勢いで減ったりする。だから常々俺は独りにならないように気を配っている。以前この話を相川にしたところ、鼻で笑われたのは今でも少し根に持っている。そんな憎き相川のことはさておいて、俺は電話でそこそこ頼りになる友人を呼び出すことにした。そいつはなかなかの皮肉屋でうざさにかけては相川に次ぐくらいなのだが、いざという時には頼りになるいい奴だ。相川から目を離さず、電話帳からそいつの名前を探してかける。もともと電話帳に登録している番号はあまり多くはないので簡単に見つけられた。すぐにコール音が鳴り始めて、そいつはわりと早く電話に出た。


「もしもし大亮、いきなり電話してすまな」


「お掛けになった番号は現在使用されておりませんッ!」


 何故か大声と共に電話が切られた。というか、さっきの声は間違いなく滝本大亮のものだ。俺の良き友人であり、五月蝿い皮肉屋な、そんな友人は何故か俺の話も聞かずに電話を切ってしまった。何か外せない用事でもあったのだろうか。それにしても、あんまりな対応だった。普段の大亮なら、何か下らない皮肉の一つでも言ってから切るだろうに、それすら出来ないほどの余程切羽詰まった事情でもあったのだろうか。考えてもわからないことはわからないし、目下の問題はそれではない。大亮の助けを借りられないことが分かった今、他の方法で相川をどうにかしなければならない。

お読みいただきありがとうございました。

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