シリアス展開突入編。その1
何時もよりも今回から少しずつシリアスな展開が続くかと。
その日、ルシオラは何時もよりも険しい顔で口元に指をあてていた。
ぎらりと鋭い眼光で何かを睨み付けるかの様に・・・。
「この案件は・・・。やっかいだ。あいつには荷が重い。」
あいつとは、魂子のことである。
「よっす!!遊びに来たでー!!姉ちゃん!!」
いつぞやの「内田裕也」が霊体で遊びに来ていた。
「おー!!関西兄ちゃん!!」
調子よく愛想をかます魂子。
2人はマイペースなテンションがよく似ている。
まるで出会ったばかりなのに姉弟かの如く。
「るっしー兄やんは?今日はおらへんの?」
裕也が軽く尋ねる。
「んー。なんか難しい顔して出てったきり帰んない。
トイレでも長居してるんじゃないの?ww」
「だっはっはっはっ!!姉ちゃん相変わらずおもろいやんけ!!
あの仏頂面で便所入ってんの想像したらこっちも笑いっ屁しそうや!!ww」
「あっはっはっはっは!!!」
2人は下品なトークで盛り上がる盛り上がる。
「せやけど、多分忙しいちゅうんわ難しい案件抱えてるんちゃうんかな?」
「難しいって?」
「姉ちゃんを巻き添えにしたら厄介なぐらいヤバイ案件とかな。知らんけど。」
まさに的を射たその通りの事態に陥っていることに2人はまだ気づかない。
ルシオラは眉間に皺を寄せては指で揉み解す。
「重大殺人犯の死刑囚の魂が・・・よりによって混じっていたなんて!!!」
段々言葉尻がキツく怒気をはらんでくる。
そう。言葉通りである。
世間を震撼させた猟奇殺人犯の魂まで逃げ出していたのだ。
「生き返っていたのならまた同じ過ちを繰り返すぞ!!
・・・、荷が重いだろうがしょうがない、もとはと言えば
魂の部屋からあいつが大量に魂どもを逃がしたんだから責任をとって
もらうしかないな・・・。高くつくぞ。今回の仕事は。」
続。
連続殺人犯の魂を回収するために次回から死神メンバーが奔走します。