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新玄タツ子89歳の憂鬱。

久々の新作です。

今回は前後編になりますね。

まず前編からどうぞ!!

その日、クリスは慌てていた。

裁判所に連行されるはずのバアさんがなかなか言う事を聞かないので

業を煮やしていたのだ。


「困りますよぉ~、お客さんんん~・・・。」


「うるさい小娘だね!!何でもいいからはよ柿の種くれんか!!

客人を呼びつけておいて茶菓子の1つもよこさんのか、こいつ。」


「柿の種て・・・・・・・・・。(汗)」


「黒飴かボンタンアメでも可!!はよせんね!!」


暫くしてルシオラと魂子も到着。

「助かった~!!もうこの人私じゃ手が打てません。

お2人に任せます!!!」

なげだすクリス。


「あに。どしたんこのバアさん。」

魂子は悪態をつく。


「このバアさんとはなんじゃこのクソガキャー!!

あたいは新玄しんげんタツ子って立派な名前があるんじゃよ!!!

それよりもはよ、柿の種よこさんか!!!」


「柿の種柿の種てうるさいんですよ、この方・・・。」

クリスはうな垂れて思わず2人に愚痴る。


「死んでまで尚柿ピー食いたいんすか、このバアさん・・・。」

呆れてまた悪態をつく魂子。

すると持っていた杖で魂子を小突いた。

「いってーな!あにすんだ!!こんのババア!!!」

流石の魂子も怒り心頭だった。


ルシオラが一応フォローに入る。」

「何が気に入らない。柿の種とかは唯の言い訳だろう。

何がそんなに引っかかる。何の未練だ?」


タツ子は一瞬遠い目をしてこう告げる。

「孫が気がかりで死んでられんのじゃよ・・・。」


「孫だと・・・?」


「ああ、そうさ。うちの大事な男の孫じゃ。

あいつは見た目に気を配らんからいまだに彼女ができんのじゃ。

気弱すぎる優しい男じゃけん。心配で死んでられんわい。」


「何て名前なんすか?」魂子が何気なく尋ねた。


新玄晋平しんぺい。今年で19じゃ。」


「え。19年生きてきて彼女が1人もいないとか。

犯罪者予備軍みたいで怖いすね・・・・・・。」

思わず震撼した失礼な魂子。


「犯罪者とはなんじゃ!こんガキャー!!」

唾を飛ばして怒鳴りつける元気過ぎる魂。


「このバアさんほんとに死んでるんすか・・・?

もうこの仕事始めてから元気過ぎる魂ばっかに当たるんすけど。

昨日の猫の魂は大人しくて可愛いからほんわかしてたのに

なんか今日はその余韻も興醒めすね・・・・・・。」

またもや震撼する魂子。


「まあなんせ。孫さえちゃんとしてくれれば大人しくあの世逝くさ。

とりあえず柿の種か黒飴くれや。」


「図々しいバアさんだな・・・。ほれ。」

魔法で柿の種を1パック出して渡すルシオラ。

ルシオラクラスの死神ともなると魔法で何でも叶えられる。


ボリボリと口に含みながら笑むタツ子。

「あんたー。イケメンじゃね~。うちの孫に似てるよ~。」

含み笑いで微笑みかけるタツ子。


「いや。あまりそれは嬉しくないんだが・・・。」

「照れなさんなよ。こん色男が!!がっはっは!!」

豪気なバアさんだった。


数分後。

「どれが孫だ。」

上空から飛来しながら3人で下界を見下ろす。

「あれじゃよあれ。あんダサいもさい男ね。」


見てみると一見するとどこのミスターオクレかと

思う様な風貌のもっさい兄ちゃんが・・・・・。

「ださいすね・・・・・・。ほんとに・・・・・・。」

「ちゃんとしたらあれでもイケメンなんじゃよ・・・。」

タツ子はため息をついた。


続。

孫の晋平が気がかりで成仏できない

元気いっぱいハツラツバアさんのタツ子89歳。

次回、またまた大波乱が起こるかも???

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