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魂子、行きまーす!!(寧ろ生きまーす?逝きまーす?どっち?)

前回、多大なるご迷惑をおかけした魂子は・・・。

ルシオラの力によって「特別な力」を授かる。

魂子と相棒のルシオラ、2人による回収作戦が始まる。

魂子とルシオラ・・・。2人の出会いは最悪なものであった。


「・・・お前が逃がした魂の分の代価として・・・。

今から・・・特別例として「魂の回収係」を任命するからな!!

覚悟しておけ!!!」


オレンジ色の髪の短髪の少年はそう、相手の女の子。

つまり、「荒くれ魂子」だの「トラベルメーカーの魂子」だの

言われ続けて生きてきたまさしく真のトラベルメーカー大決定の、

「死んだ途端に大問題を起こした清良華 魂子、12歳」に対して

大声で罵倒する様に声高に叫びながら怒鳴りつけていた・・・。


「魂の回収係ってなんよ???あたしのせいじゃないやいー!!」

あぐらをかいて宙に浮く魂子・・・。(でも本人のせい)


そんな様子を遠巻きに見ていた大鎌を持った間抜けな顔の

少女、死神のクリスは嫌な汗をかきながらも黙っていた・・・。


(言えやしないですよ~・・・。本当の事なんか~・・・。

本当は・・・魂子さんじゃなくて、あの時死ぬ予定だったのは

違う少年の方だったなんて~・・・。口が裂けても言えやしない・・・。)


・・・実は、魂子は当初は「死ぬ予定ではなかった」らしい・・・。

クリスが間違えてミスをした為に、誤って魂子の方が「死亡する」事態に

陥ってしまっていたのである・・・・・・。


(だってまさか飛び出してくるなんて・・・思わないもんな~・・・。

これは墓場まで持っていこう。あ、墓場も何も私も「霊体」だから

そんなもんすらないけども~・・・。参ったな~・・・。

これ・・・ほんとの事が知れたら私も責任負わされてどやされるな~・・・。

ルシオラ様・・・怒ったら本気で怖いしな~・・・。)


ぴくっとルシオラの耳が動く・・・。

「・・・・・・・・おい。クリス・・・。お前・・・。今・・・

「何考えた・・・?」」


びくうっと、体を硬直させるクリス・・・。


「俺の耳は・・・何のためにこんなに長いと思ってるんだ?!

ありとあらゆる「声」を完璧に聞き取る為に出来てるんだぞ・・・?

つまり・・・何が言いたいか・・・わかるよなぁあああああ?!!」


だらだらだらと冷や汗が溢れ出すクリスは顔面蒼白だった・・・。


「ごめんなさいっ!!!私が悪かったです!!!許してくださいっ!!」


その様子をあぐらをかいたままぼけーっと見ている魂子。


「こいつには事の真相は黙っておけ!!いいな?!俺らの責任に

される事必至だ!!コイツの事だからまたややこしい事態になりかねん!!

黙って・・・あいつ1人の所為にして誤魔化しておこう!!いいな!!?」

コソッとしつつも偉そうにクリスに近づきながら耳打ちした・・・。


こくこくと頷くクリス・・・。


(どうしようもない死神たちである・・・。一番どうしようもないのは

当の本人の魂子には間違いないんだが・・・・・・。)


「では!コホンッ!!」

気を取り直したように魂子の方に向き直り、何やら説明を始めるルシオラ。


「今からお前を一時的に「魂の回収係」として・・・つまり、

「死神の力」を与える!!一瞬だけ苦しいが我慢しろ?!」


「え。苦しいんかい・・・!!やだ!なんかめんどい!!やだ!!」


「煩いっ!!お前が魂を全て回収し終えたら「死神」の任は降ろして

やるっ!!その代わりと言っては何だが!!・・・・・・・・。

お前が「仕事を無事に全て終えたら」・・・!!

「今度はちゃんと生き返らせてやるから安心して仕事しろっ!!」」


ピキーン!と衝撃が走る魂子はそれまであぐらをかいていたのを

いきなり姿勢を正し、正座して一礼した。

「助かるっす!!生き返れるんすねっ?!!!」


(うっしゃー。ピンチからの大逆転!!あたしの人生ってやっぱ

ツイてるな~!!!日頃の行いがいいからだなっ!!絶対っ!!)


・・・そんな事はないだろうというツッコミが方々から飛んできそうだが・・・。


「では。清良華 魂子。お前を今から「死神の使い」に命ずる!!」


「魂子でいっすよー?フルネームでいちいち呼ばれるのめんどいし。」


「よし!じゃあ目を瞑れ!!少し苦しいが我慢しとけよ?!!」

ルシオラは魂子の台詞をガン無視して続けた・・・。


「ハアアアアアーーーーッ!!」と叫ぶルシオラ。


次の瞬間、魂子の体中に電流の様な衝撃が走る!!!

「いてえええええ!これいてえええええ!!!おいっ!!こらっ!!

何が「ハアアアアアーーーーッ!!」じゃオラ!!痛いわこれ!!

ふっざけんなし!!コンチクショーがアアアアアアア!!!!!」


電流が流れ終えると不思議と痛みも消え、魂子は膝をついて倒れた。

「何しやがるこんにゃろぉおおお・・・・はあ・・・はあ・・・。」

血眼でルシオラを睨み付ける魂子は額に何か違和感を感じた・・・。


「んん?!!・・・・・げえっ!!なんじゃこりゃあっ?!!」

額・・・つまり・・・おでこに固いものが出来ている・・・。


サッと鏡を渡す死神のクリス。

「お!気が利くねあんた。」


そして恐る恐る見ると・・・。


「・・・ナニコレかっけー!!」


そこには(つまりおでこ)縦に伸びた楕円形のアメジストの様な

宝石がカチーンと張り付いていた・・・。


「でこに宝石みたいなんめり込んでるよ!!かっけくない?!

これ、かっけくない?!!」


間の抜けた回答をしながらはしゃぐ魂子のアホな姿にルシオラとクリスは

どす黒い笑みを浮かべた・・・。

「チョロかったな・・・?」「そうですね~?」


2人に陥れられるようにまんまと「魂の回収係」の任を押し付けられる魂子・・・。


「で?あたし。何すればいいの???」

すっかりご機嫌になる・・・。


「まず、俺と2人で「相棒」という形でそれぞれの魂の回収に

現世へ向かう。それにはまず、最初に逃げた奴からとッ捕まえるぞ!」


「ラジャりましたーすっ!!」

ビシッと姿勢を正しながら敬礼の様なポーズをとる魂子だった。


その頃・・・。

葬式の途中で棺桶からバキイ!と出てくる死んだ筈の人間の姿に

一同が驚いて逃げ惑う・・・。

「うわああああああああああ!!!!ゾンビぃいいイイイイ!!!」


お坊さんも泡を吹いて倒れた・・・。


「生き返った・・・!!俺は生き返ったで!!

よっしゃー!!生き返ったからには遊びほうけてやるっ!!」

死に装束を着てはいるが生き返ってしまった17歳の少年。

関西弁を喋る彼は・・・。


次回に続くのである・・・。


次回、魂子とルシオラは2人で現世へと向かいます。

逃げ出した魂の1人の少年は・・・・・・。どうなる?!

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