シリアス展開突入!!その5
前回からの続きです。
どさっ!!!
繁みの裏に連れ込まれ、恐怖で声も出ない早苗と翔子。
「ふひひひひひひ・・・・。」
二階は両手を上げて薄気味悪く近寄る・・・。
「きゃあああああ!!!」
早苗の叫びと同時に大きな叫び声がコダマした。
「おまええええええ!!俺の早苗ちゃんに何するんじゃー!!!」
霊体ではなく、仮の肉体を借りた裕也が空から降ってきて、
二階に飛び蹴りを喰らわす。
「え・・・。誰・・・?」
ルシオラによって記憶を消去されていた早苗の前に・・・。
「生きてるように見える裕也」の姿が頼もしくあった・・・。
「誰なん・・・?誰かわからへんのに・・・。涙が止まらへん・・・。」
早苗は嗚咽を漏らしながら裕也の服の裾を掴む・・・。
「ありがとう・・・。怖かった・・・。ありがとう・・・。」
「もう泣きなや・・・。終わったで。俺の事はもう忘れ?
それより、隣で気絶してるお友達助けたり・・・。」
「え・・・?しょ・・・翔子!!!?大丈夫???」
「ふっ」
運命の相手そのものの彼女を前にして格好をつけたがる裕也。
「ばか!!倒したらもう帰るよ!!もったいぶらずに帰る支度して!!」
魂子が裕也にげんこつをかます。
魂子にも仮の肉体が与えられていたので周りには魂子と裕也の姿がはっきりと
見えていたであろう・・・。
「じゃあな。早苗ちゃん!!もう変な男に捕まったらあかんで?」
笑顔で手を振り、魂子に引っ張られながら茂みから姿を消す。
その頃、クリスは小さな小瓶に「二階」を詰め込む。
妖術を操る力を持つクリスにしか出来ない技だ。
「器用な部下がいて助かるよ、俺は。」
クリスに「ありがとう」と告げるルシオラ。
「もうこんなの逃がしちゃ駄目ですよ?大ペナルティーです。」
えい。とばかりに小瓶をつつくクリスだった。
「覚えてくれんでもまた逢えて・・・俺、実はラッキーマンなんかもな。へへ。」
「嬉しそうににやけて、このおー!!」
「姉ちゃんはそういう相手おらんのか?」
「あたしぃ?」
一瞬、ルシオラの方に目を向けて・・・数秒。
「べえっつにぃー?いないでいいんじゃん?あたしは。」
「ふううーん?」
「なに?なんか文句あんの?」
「べえっつにぃー?ww素直やないなーおもただけ。」
早苗は・・・。
記憶は消されていた筈なのにまた逢えた彼の面影を、
生涯忘れることはないだろう・・・。
本当に愛し合っている2人というのは、
神様が嫉妬して、意地悪で引き離すという説がある。
多分2人はそれなんだろう・・・。
おしまい。
最後はハッピーに終わらせられて良かったです。
裕也と早苗はまた出したかったのでこれで満足でした。