やさぐれ魂子は何処に向かう?相棒との出会い。
久しぶりに新作を書き下ろしました。
新作長編となります。
よろしくお願いします。
「あたし、清良華魂子。12歳。
・・・今日から中学に入学してウキウキ~な
人生を満喫してやろうと目論んでいたというのによォ!」
桜の舞い散る春の季節・・・。
それは誰しもが通るごく普通の人生の通過点である
「入学式」の季節であった・・・。
「それが、なァんでこォなるんだよ?!!あり得ねえよ!!」
魂子はその日、やさぐれモードながらもいつものペースで
入学式の通学路をルンルン気分で闊歩していた。
「あたしの新しい人生の幕開けか~!!!
いっや~、参ったなこりゃー!!小学時代は
あんまし楽しくなかったからな~ぶっちゃけな~。
「いじめっ子番長」の名を勝手につけられて
男という男はみんなあたしを恐れて避けるし・・・。
散々だったわー!!」
それもその筈・・・。
彼女は「トラベルメーカーの魂子」とか、
「荒くれ者の魂子」とか「ちっとも「清らかじゃない女」魂子」
とか、毎度毎度自身の荒っぽい破天荒な性格から小学生時代は
6年間ずっとそう異名を付けられて恐れられているほどの問題児だったからだ。
「ちょっとぐらい鼻くそほじくって生意気な男子に付けてまわったり
靴の中にミミズ仕込んだりとかしたぐらいで大袈裟じゃんね?」
そう言いながら欠伸を大きくしながら「コンチクショーが!」と
辺りに人がいるにも関わらず大声で叫ぶ・・・。
(魂子だけに「コンチクショー」ですね。はい。(しょーもない・・・))
そんな中、通学途中の道でざわつく人々の群れに気が付き、
「何だ何だ~?」と割り込んで間に入り見てみると・・・。
倒れている美少年を発見!!(それも道路のど真ん中で)
何かのレーダーが働くかの如く魂子はガードレールを跨ぐように
飛びのいて、その倒れている美少年の元に走る!!
「しっかりして!!美少年っ!!死んじゃダメ!!美少年っ!!!
美少女の「魂子さま」がお助けに参ったですますわよですっ!!」
(どうやら、好みのタイプの美少年だったらしく、魂子は
その軟弱そうな美少年を滅茶苦茶なお嬢様言葉もどきで話しかけながら
揺さぶりかけた・・・。)
「・・・・・・ば・・・化け物が・・・・・。」
「誰が化け物か!!こんな美少女に向かって失敬な奴めっ!!」
掴んでいた美少年を往復ビンタする魂子・・・・・・。
「・・・ち・・・ちが・・・ほんとに化け物・・・が・・・あぁあ・・・。」
ガクンッ。と力が抜ける様に倒れるその美少年・・・。
「え・・・ちょっと!!ビンタぐらいで死ぬなよっ?!!!」
焦りまくる魂子・・・。
その時だった・・・。
頭上に黒いマントの様なローブの様な服を着た肩の辺りで
2つに結んだ髪の毛の大きな鎌を持った少女が立っているのが魂子には
「はっきりと」見えた・・・。
「なっ・・・なあああああ?!!!人が宙に浮いてて・・・!!鎌が!!」
大混乱の魂子・・・。
その瞬間・・・。「あ、まずいな~。間違えたかも・・・!!」とその
大きな鎌を持った少女が微妙な表情でそう言った瞬間・・・。
「あぶなーーーーーーーーいっ!!!!」
と周りの通行人みんなが一斉に叫ぶ。
「プアアアアアアアアアアーーーーーーッ!!」
「ドオンッ!!!」
(あ。やべえ。これ・・・あたし・・・死んだ・・・。)
大型トラックに轢かれて即死してしまう魂子・・・。
(うっそー・・・あたし・・・こんなことで・・・
死ぬんだ・・・?ええー・・・???うそー・・・。
ありえねえーーーー・・・・・・・・。まだ・・・
やり残したこと・・・いっぱい・・・まだ・・・
これから・・・だったのに・・・!!!)
魂子享年12歳・・・・・・。(この時点では誰しもがそう
思われていた・・・・・・が。)
魂子は、奇妙な場所で目を覚ます・・・。
其処は天国でも地獄でもなく・・・。
死した魂が次の世界へ輪廻転生するのを決められる
裁判の部屋・・・。
「・・・・・どこよー・・・。ここはぁー・・・!!?」
「よお!お前、「清良華 魂子」だな?」
その声に気が付き、振り返る。
するとそこにはオレンジ色の髪の毛に白いシャツを着て、
耳は長く尖がった目つきの悪い魂子と同年代ぐらいの男の子が
立っていた・・・。
「俺は死の番人。ルシオラ・・・。お前の魂を裁判にかけて
今後の行く末を決める者だ。」
「・・・・・ハア?!何言ってんだこいつ。」
魂子は死後も尚、生前と変わらぬ態度で他者に対して毒を吐く。
「誰がこいつか。このクソ女が・・・。おい!クリス!!
早くこいつの魂を回収しろ!!改心させてしまうのには
まず、魂の緒をちょん切れ!それからだ!!」
「ふえーい。クリスちゃん参上仕りましたあ~。」
「げ!!あんたはさっきの?!!ちょ!何なんだよ?!
なんっ!何すんだまさか!!その鎌・・・で・・・?!!」
冷や汗がだらだらと流れる魂子の前に立っているのは
大鎌を持ったさっきの女の子・・・。
「こいつはクリスだ。「死神」。お前の魂の緒を
この大鎌で切ってしまえばお前は完全なる死を迎える。
・・・楽しみだなぁ・・・?早くお前を裁判にかけてやるよ。」
「死神のクリスちゃんだぞー?ちょん切るぞー?」
笑顔でその持っている「死神の大鎌」を抱え上げて
魂子の体・・・つまり魂の緒(へその緒みたいなもの)を
切断しようと振り上げた!!!
「ぎゃあああああ!!冗談カンベンっ!!!!
痛そうなん嫌っ!!!死にたくないっ!!死んでなるものかっ!!」
「追いかけろ!!クリス!!!」
「あいあいさー!!!」
「ぎやああああ!!!追っかけてくるなああああああっ!!!」
そこでふと走りながら目をやると1つのドアを発見したので
慌ててドアノブを回す!!!
「死んでたまるかコンチクショー!!!!」
「げ!!あの馬鹿!!!やめろ!!「そこ」を開けるな!!!」
突然青ざめて大声で必死に「開けるな」と叫ぶルシオラと名乗る少年。
ガチャガチャガチャ!!とドアのノブを渾身の力で回して開けた・・・!!!
「これで助かる筈・・・!!死んでたまるか!!!・・・・?!!!」
開いたドアから突然に無数の魂の様なものが飛び出してきた・・・!!!
ズオオオオオオーーーー!!という物凄い物音と突風がして
一気に「それら」・・・つまり・・・「回収されたばかりの様々な魂」が
逃げ出してしまったのである・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・お前・・・やってくれたな・・・。」
魂子は・・・恐る恐るその「悪魔の様な冷たい声」の方を振り向く・・・。
ロボットの様にギシギシと音がしそうな程の速度でゆっくりと振り向いた。
「・・・お前・・・とんでもない事をしてくれたな・・・?
お前がした事は「取り返しがつかない程に厄介」な事なんだぞ?おい。」
「ひょえわえわあああああ・・・???」
思わず「これはヤバイ!」とばかりに変な声しか出なくなる魂子。
ルシオラの顔は・・・。「鬼の様な形相だった・・・・・」・・・・。
それから・・・魂子とルシオラの2人による、魂の回収劇が・・・。
始まるのである・・・・・・・・。
頭を空っぽにして読める系・・・を目指していますが、
今後の展開次第ではまたシリアスもあるかもしれません。
でも大方の展開は明るいコメディーかギャグ要素多めです。
ラブコメになるかもしれませんね、最後は。(笑)