第七話 『最も嬉しかったこと』
異世界に来て3ヶ月が経ちました。
帰る目処……というか、何故俺がこの世界に連れて来られたのかもまるで分からないままで。
しかし、まぁいいだろう。いいと思う。
俺はこの世界での生活に概ね満足している。
少なくとも、日本にいた頃の死んでるみたいな人生より全然いい。
村人たちには嫌われているが、可愛い女の子四人に好かれてるし。
ハッキリ言って最高だ。
本物のウィルハートには申し訳ないが、戻る方法が分からないのだから仕方ない。
うん、仕方ないな!
あと、俺は当面の方針として、一つだけ決めたことがある。
それは物腰や態度、話し方のことだ。
どうも昔の俺はかなり乱暴な言葉遣いをしていたようなのだが、俺は基本的に敬語、そうでなくとも柔らかい喋り方を心掛けようと思っている。
それは村人たちの信頼回復に繋がるというのもあるが、一番はパーティーの仲間たちに対するアピールだ。
彼女たちは俺に記憶を取り戻して欲しいのだろうが、俺に記憶が戻ることはない。
そもそも、そんな記憶など持ってないのだから。
だから、彼女たちには変に希望を抱いてもらっても困る。一生戻らないかもしれない、そう覚悟しておいてもらわなければ。
そこで、話し方なんかは意図的に以前のウィルハートと変えることにした。
幸いレイア曰く、どこを見てそうなったのか謎なのだが、『根っこのところは変わってない』らしいので、このままでも同一性自体は疑われずに済みそうだしな。
というわけで、この世界で生きていくという覚悟をある程度決めた俺。
今日はそんな俺が、転生して最も嬉しかったことの話をしたいと思います。
「……イケメンだ」
現在時刻、七時半。
レイアが起こしに来るには少し早い時間。
俺は鏡の前で一人、自らの顔を絶賛していた。
「金髪碧眼、クッキリとした目鼻立ち、日本人よりは深いが行き過ぎていない彫りの深さ……カッコいい」
正直な所、この顔が自分のものだという実感はまだ湧いてこない。
30年近く付き合った日本時代のブサイクが俺の顔であり、いくら眺めてもこのイケメンは仮面か何かに見えてしまう。
しかし、だからこそ逆に、客観的な視点で顔を評価出来ている。
純粋に容姿が良いと思う。確信している。
街中を歩いていたらスカウトされかねないレベルだ。
この世界にはモデルなんて平和な職業はないが。テレビも雑誌もないしな。
「モテそうだよなぁ、これ」
10人いたら8人くらいは好きになってくれそうだと思う。
とはいえ、不特定多数にモテまくってはいない。
それは勿論顔というより落第勇者としてのレッテルのせいだろう。
「おっと、そろそろお迎えが来ちゃうかな」
レイアが来た時に、鏡の前でキメ顔を作っていたらヤバい。
あるいはメイルなら一緒になって褒めてくれるのかもしれないが。
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「それでは今日の授業をしていきましょう!パチパチパチ!」
パチパチパチ。
まばらな拍手が響いた。
まばらというか、俺だけだった。
「いや、もうほとんど教えちゃったと思いますけど」
メイルがしらっとした顔で意見する。
そうだな、確かにこの世界のことは大体分かってきた。
例えばこの村のこと。
エルス村は伝説の勇者、エルス・アレクサンダーの出身地であり、その愛剣だったとされる聖剣が裏手の森に祀られている。
勇者の一族は代々、この世界での成人みたいなものである15歳の誕生日にそこで特殊な能力を得る。
俺の『回帰』もそうだ。もっとも、あれは色々と問題があるんだけど。
ちなみにこの聖剣には、魔王が復活した時に抜くべき者が抜くことが出来るというありがちな伝承もしっかりある。ファンタジーしてるねぇ。
まぁ、今のところこの世界は魔王なんていないそうだし、平和なものなんだけどな。
後、この村について言うなら、俺は村長に嫌われている。
初日に『フルーツポンチ』で話しかけてきた老人が村長だったのだが、彼はレイアの爺さんでもあった。
俺は勇者として落第なのに加えて、孫娘を誑かすクソ野郎として蛇蝎の如く嫌われているというわけだ。
いや、そのレイアと村長の関係も良くないように見えるから、そういう理由じゃないのかもしれないが。
ついでに言えば、村長以外の村人にも十分嫌われているような気もするんだよな……。
そんなにダメなのだろうか、『落第勇者』って。
魔王もいない世界観なんだから別に勇者の末裔が弱くてもいいと思うんだけど……。
といった具合の知識は、この三ヶ月で知ることができた。
その他にも様々なことを教わって、何とか常識のようなものを形成し始めたと言える。
でも……。
「いや、まだ足りないよ」
そう、まだ完全ではない。
もう少し勉強を続けなければ。
何より俺がちょっと楽しい。
日本では歴史にそこまで興味があるわけでもなかったし、ニュースもロクに見ちゃいなかったが、異世界となると何でも気になるから不思議なものだ。
「えー、だとしてもアイリーンさんに教わればいいじゃないですか」
「先生は今日は仕事だろう?」
アイリーンは元伝説の冒険者なのだが、今でも時々依頼をこなしている。
この小さな村に当然ギルドなどないため、隣町まで受注しに出かけて行った。
「そうですけど……」
「ウィル君が私をご指名なんだから何も問題ないでしょ?」
レイアが胸を張って言う。あんまり張ってはいないけど。
「あぁ、俺が頼んだんだ。メイルも今日は目を瞑ってくれ」
「……はぁい」
しぶしぶと言った形で引き下がる。
ちなみに、俺はレイアにも敬語をやめることにした。
本人が距離を感じて嫌らしいし、まぁそれでも口調はだいぶ昔と違うそうだから良いだろう。
アイリーンやディアンに対しては年上ということもありまだ敬語を使っているのだが。
っと、そうだ。
「あと、今日はディアンさんに頼みたいことがあったんだった」
「ディアンさん?うーん、道場にいるかなぁ?」
「そのはずだ。昨日確認を取ったからね」
「さっすがお兄ちゃん、手回しが完璧だね。じゃあ行こっか!」
だから、この程度で褒められてもむず痒いんだけどなぁ。
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道場。
そう呼ぶには少し開放的過ぎる場所なのだが、一応この長方形の屋根があるだけの屋外スペースが、この村の剣術指南施設だった。
幼い子供からそれなりの大人まで、様々な人間が剣を振っている。
楽しそうにしていたり、鬼気迫る表情だったり。
目的すらもゴチャ混ぜな面白い空間だ。
ディアンはそこで時々剣術を教えている。
彼女は基本的に、俺と仲良くしているという非常に申し訳ない理由で村人から避けられているのだが、その剣の冴えは達人級と言って差し支えないレベルだ。
強くなりたいのならば、教えを請わない理由はない。
大体、村人たちが嫌っているのはあくまで俺であり、俺の仲間たちではない。だから、今のディアンのように、必要とあらば村人たちかは話しかけられることもあるのだ。
もっとも、ディアンはこの村で生まれ育ったわけではない『余所者』であり、この村のルールに疎くても仕方ないと思われているだけかもしれないが。
いや、もういい加減四年住んでるからそんなことはないか。
どちらかというと、ディアンとアイリーンは社会的な実績があるということが大きいのかもしれないな。
「なぁ、どうしたらもっと良くなるかな?」
真剣そのものといった様子で剣を握っていた男が、ディアンの元に駆け寄って尋ねた。
年の頃は中年で、19のディアンよりかなり上に見えるが、その態度にはリスペクトが感じられた。
「さっきから思っていたのだが、君は重心がブレているな」
「重心?」
「あぁ。分かりやすく言えば、足でバランスを取ろうとし過ぎている。特に踏み込みの時だな。重心の移動が上手く行っていない」
「なるほど……どうしたら改善出来るだろうか」
「人体の中心は足じゃない、腰だ。まずは体にそれを覚えさせるのがいいだろう。剣を置いて、ゆっくりと少しずつ重心を移動させることを意識して歩く練習をするのがいい」
ディアンの教え方は丁寧でわかりやすい。普段は脳筋だとか何だとか酷いことを仲間に言われているが、剣に関しては誰よりも上手く教える自信があるという。
曰く、メイルなんかと違って自分は天才じゃないから、他人の出来ないところも理解できるそうだ。
「こ、こんな感じか?」
男はおっかなびっくり足を前に出す。
「まだ速いな。もっとゆっくりだ。意識して出来ても意味がない。無意識の重心移動を安定させなければな」
「む、難しいな……」
「それはそうだろう。簡単に出来るならこんな指示を出したりしな……あっ!」
そこでディアンは俺の存在に気付き、犬だったら尻尾を振っていたであろう様子で寄って来て。
「ウィル!来てくれたのか!」
「むぐっ!」
抱き寄せられた。その圧倒的な豊満に。
い、息が出来ん!
「可愛いなぁ、私のところに来てくれるなんて!よしよし、いい子だなぁ」
「んんっ!んっ……」
酸素を求めてもがく。
しかしその呼吸がくすぐったかったのか……。
「あんっ、そんなに……」
身をよじるようにしながら余計に胸を押し付けられる。
そうなれば、更に俺は鼻を鳴らすしかなくなり。
「んっ……ダメだぞ。続きは家でな。外ではこれ以上……めっ!だ」
「ぷはっ!」
くねっとディアンが腰をひねった瞬間に、何とかてんご……牢獄から脱した。
「し、死ぬかと思いましたよ!」
「あぁ、私もイキそうだったよ」
……『逝く』だよな?まさかカタカナ表記ってことはないよな?
「変態ですか!お兄ちゃんに何をしますかこの妖怪乳女は!」
「む?別に私はウィルに何かする気などない。ただ甘やかしてあげたいだけだ」
「自分は優しくしてるつもりでも、それで相手が窒息したら殺人だと思うな。水をやり過ぎると花が枯れることもあるでしょ?それと似たようなもの」
「ぬぅ」
レイアが説得力のある例え話を出すと、ディアンは言い含められて押し黙った。こういう理論武装で戦うならレイアに勝てる奴はいないだろう。
「ぬぅ、分からんな。ウィルは花ではないぞ」
違った、言い含められたのではなく、理解出来てないだけだった。
剣の腕は天才なのに、頭の方は残念なのである。
「……この脳筋め」
レイアがボソリと呟く。本性出てますよ?
「こほん!今日はディアンさんに相談があって来たのですが、良いですか?」
俺は咳払いをして話を切り出す。
「相談?あぁ、ウィルのためなら何でもしてやるぞ!」
ありがたいけど、内容も聞かずに言われても困るぞ。
「その、俺に剣術を教えてくれませんか?」
「剣を?勿論構わないが、アイリーンに習ってるんじゃないのか?」
「はい。ですが、俺の記憶が飛んでしまったせいで、先生には教わるべきことが他にいっぱいありますので、そちらに集中したいなと。剣は空き時間の自主鍛錬と、今日のように先生がいない日にディアンに教えていただこうと思いまして」
先生……アイリーンには今種々のスキルやこの世界についての勉強を教えてもらっている。
ハッキリ言って時間が足らないので、効率化を図りたいと思ったのだ。
「良いんだが……うーん、剣か……」
が、思ったよりもディアンは渋っていた。
何でもするんちゃうかったんかい。
「あのね、お兄ちゃん。昔は剣術はディアンの担当だったの。でも途中でやめてアイリーンに代わったんだよね」
「そうなのか。どうして?」
「それは……その」
メイルが言い淀む。何かヤバいことがあったのだろうか?
「私がな……手加減しすぎてしまって、稽古にならんのだ」
ディアン本人が、その言葉を引き継いだ。
「わ、私だってウィルを強くしてあげたいんだぞ!でもな、どうしても……甘やかしてしまうんだ」
「なるほど……」
もうディアンの性格は理解している。それは必然の結果と言えた。
しかし、そうなるのは多分、昔のウィルハートが弱すぎたからだ。
少しでも彼女を認めさせれば、真面目に教えてくれるんじゃないだろうか。
「分かりました。では……手合わせをお願いしたいのですが」
「え?」
「多少は成長したところを見せれば、真剣になってもらえるかと思いまして」
「なっ……!」
俺の言葉に絶句するディアン。
いや、ディアンだけではない。
俺がこんなことを言い出したのが意外だったのはメイルとレイアも同じだったようで。
「お、お兄ちゃん、正気ですか?」
「や、やめときなよ!」
酷い言われようだ。
方や頭おかしくなった扱い、方や必至の引き止め。
まぁ分かるよ。俺だって勝てると思ってる訳じゃない。
「いえ、やらせてください。ただし、ルールを決めましょう」
「構わないが、どんなものだ?」
「まず、俺の手札は何でもありで。剣以外、魔法や固有能力その他含めて。それと、地に膝をついたほうが負け、というものでどうでしょう。流石にマトモに剣でやり合ったらひとたまりもないので」
そもそも、俺は戦闘スタイルとして剣一本とか魔法一つで極める気など毛頭ない。
いや、もし才能があったのなら格好良くそうしたかったのだが、この能力値ではやるだけ無駄だ。
必死になったところで剣ではディアン、魔法あるいは魔術ではメイルとレイアに勝てる見込みがない。
となれば、小手先の知恵で戦うタイプでいくのがベストだろう。果てしなく勇者っぽくなくて嫌になるけど。
「ふむ。別に条件としては問題ないな。私は剣だけということだな?」
「はい。そうして頂けると助かります」
「なに、どうせ他は大して出来ない……では、いざ尋常に」
「ちょ」
え、速いって!
いきなりここでやんのかよ!
トラップをいっぱい仕込んだ試合場を用意してたのに!
ディアンは俺に竹刀を投げてきて、俺がそれを掴んだと思ったら次の瞬間には戦闘態勢に入っていた。
チクショウ、短気すぎるぞ!
「勝負!」
「だ、もう!」
やるしかない。
大丈夫だ。
ここでも、短期決戦なら何とかする秘策がある。
俺は襲いかかってくるディアンを見て、即座に……しゃがんで剣を振った。
「甘い!」
足払いの要領で振るわれた剣に対して、ディアンが選んだ回避方法は真上への跳躍。
これがまず、第一の失敗。
刀を蹴り飛ばすなり、後ろに引くなり、他の方法はいくらでもあったにもかかわらず、あくまでもその勢いで俺に向けて剣を振ることを優先した行動。
つまりは、ルールが分かっていない。
「ぬ?……おお!?」
宙に浮いたディアンを襲ったのは、後ろからの突風。
いかに体幹が安定した人間であろうと、空中においてはそのバランス感覚は用を成さない。
ただ無様に、風に流され倒れ落ちるだけ……と言うほどにディアンは甘くなかった。
支点の作り方は単純。
地面に自らの竹刀を突き刺したのだ。
……竹刀って、そんなこと出来る硬さあったか?と思ってはいけない。
この世界の剣士は自分の得物を硬くすることくらい朝飯前なのだ……あれ?この表現ちょっとヤバいか?まぁそれは置いといて。
恐らくはこの硬化、魔法とは異なるマナの使い方なのだろう。
実際、ディアンはそれをやってのけ、自らの体勢を整え……。
「何!?」
させない。
何故なら、剣が先端から凍っていったからだ。
いかに剣を硬化出来ようと、手ごと凍らされては堪らない。
故に、一度剣を離さざるを得ない。
これが第二の失敗。
俺はそれを見て……否、見る前から既に動いていた。
後の先では到底埋まらない程の差がある。故に、先の先。
『既に動いていた』でなければ、俺はディアンに届かない。
「はあっ!」
裂帛の気合いでディアンに向けて竹刀を上段から斬りつけようと走る。
徒手空拳かつバランスの崩れた相手に対し、こちらは万全の踏み込み。
「甘い!」
それが何だというのか。
体術においても頂点にいるからこその剣士だ。
ディアンは当たり前のように着地した地面を蹴って、こちら側に向け突進。
真っ向から迎え撃って来る。
それが第三の失敗。
圧倒的な力量における高速のスタートダッシュ。
故にこそ、拙い。
「こっち!」
「えっ?」
俺の身体がいなくなった場合、そのまま突っ込むしかないほどの速度が一瞬で乗ってしまっていること、それが敗因だ。
「はっ!」
獣のように姿勢を低くして走っているからこそ、上から軽く叩いただけで。
「お、おお?」
地面に膝をついてしまう。簡単な物理だ。
「俺の、勝ちですね」
俺は偉そうに勝ち誇る。
「な、こんな、そんなの……聞いてないぞ!ズルだ!」
対してノーダメージながらも膝をついたディアンは、恨みがましい視線を俺に向けていた。
「何でも使うって言ったじゃないですか?」
「だからって、メイルとレイアを使うのは酷いだろう!」
そう。
最初に突風を起こしたのはレイア。
次に竹刀を凍らせたのはメイル。
最後に俺の手を引いて進路を変えてくれたのもレイアだ。
ディアンは俺が本気で斬りかかってきているかくらい、体勢や重心の移動で見破ってしまう。
何か企んでいると分かれば、最後のように高速でダッシュしてくることはなかったはずだ。
だからこそ、俺は100パーセント本気で突っ込んだ。
それを横合いから強引に引っ張ってもらい、ついでにディアンを背中から押して膝をつかせたのだった。
「ズルいですね、確かに。ほとんど俺は剣を使っていませんし」
「そ、そうだ!剣術の話ではなかったのか!」
「ええ、卑怯です。ですが……それでも、倒しました。以前の俺にはそれが出来ましたか?」
「なっ……」
驚いて固まるディアンに、俺は続ける。
「恐らくですけど、こんな風にズルをしても訓練で本気になったことはなかったんじゃないですか?だから手加減してしまう結果につながっていたんじゃないですか?」
「それは……そうかもしれないが」
「だったら、おれはこうやって、毎回思考を凝らして戦いますよ。勿論、訓練になるように次からはあくまで自分の力で、ですけど」
「ふむ……」
「ディアンさんなら、俺が多少無茶をしても俺を上回ってくれると信じています。だからこそ、ズルいことだって出来るんです。アイリーンさんも強いですけど、怪我をしたりしないという面ではディアンさんの方に分があると思っています」
これは本心だ。まぁ、アイリーンだって俺に比べれば天と地の差で強いんだが。
「むぅ、なるほど」
よし、揺れてるな。
後は殺し文句を考えてきたのだ、任せてくれ。
「それに……手加減無しで叩きのめした後、倒れた俺を甘やかしてくれれば、それで十分嬉しいですよ」
「ウィル!分かった!私はやるぞ!何でもやる!好きだ!」
「わぷっ!?」
「だからお兄ちゃんに抱きつくな!!」
またしてもい、息が出来ない……。
『甘やかす』が毎度こんな感じだと、俺は死ぬんじゃないだろうか?
どうにも不安な形で、話はまとまったのだった。